【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_38

『私は身も心も土方さんの物です。それでも、宜しいのですか?』

 かつて函館で、千鶴は風間に宣言した。
 それでも風間は千鶴を求め、報われない愛を捧げることを覚悟したのだ。
 思い出すのは、口吸いした時の柔らかでしっとりとした感触と、首筋に顔をうずめた時の甘い香りだ。
 ぴくぴくと敏感に反応する千鶴の小さな体を抱きしめて、風間は鬼姫にこう言ったはずだった。
『俺が全部忘れさせてやろう。お前が俺のものであると同時に、この身が朽ちようとも、俺は永遠にお前のものだ』
 鬼は約束を忘れない、たがえない。だが、この時、自分が放った言葉の重さが、風間に深々と突き刺さってくる。
 千鶴の反応から伺えた土方と千鶴の関係――それが、風間の想像を超えた、いや、初めて肉体を結んだことで生々しい映像となり、怒りと焦燥が風間の男の部分を駆り立てる。
 あの男も千鶴に屈したというのか、今の俺のように。
 散る行く桜のごとき、凛として儚い佇まいの鬼の副長。幕末に割いた徒花の生き様を、風間は忌々しくも評価していた。
――そんな土方が、我が子ほどに年の離れた少女に翻弄されていた。

つづく

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#風間 ×千鶴×千姫

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