【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_15

 声に出して後悔する。千鶴の大きな金の瞳に、自分の歪んだ顔が映り込んで、風間千景自身が目を逸らし続けていた現実を突きつけられる。
 千鶴に対する罪悪感と謝意を、自分が彼女にするべき誠意を、風間は初手から怠っていた。気付いた時には、なにもかもが遅く、息を吹き返した理性が悲鳴をあげている。
「千鶴ちゃん、これで分かったでしょう。もう、コイツになんも期待しない方がいいわ。そんな甲斐性も度量もないのだから」
 追い打ちをかけるのが千姫だ。千鶴を引き戻すように、自らの臨月腹を無視して、後ろから抱き強引に引き離す。
「……っ!」
 勝ち誇るような千姫の笑顔に、風間の頭に血が上りそうだった。千鶴とは別の意味で、自分の弱みと醜態を見せたくない相手。彼女さえいなければ、風間は自分の気持ちを素直に開示して、千鶴に許しを請うていたのだろうが、己の中にある矜持が強く拒絶し、その狭量によって、風間の退路は徐々に徐々に断たれていく。
 
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