【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_69

 父の傍らに座る母は儚げに微笑みながら、甘えるように父に身を寄せるのがなんだか不吉だ。雪村の頭領の妻として、厳しくも強かな美しい母が、父に膝枕をされて頭を撫でられている。着物をはだけて白い肌を露出させ、まるで猫のように父に甘え切っている女としての姿が、子供心に言いしれぬ不安をかきたてた。
 ある意味、その時の幼い薫の直観は当たっていたのだ。現在直面している人間の襲撃よりも、危機的状況に陥っていることを本能で悟り、恐怖で体を硬直させていた。
「ち」
 自分はなにかを言わなければいけない。
 行動に移さなければ、このまま焼け死んでしまうというのに、父の眼光に射竦められて幼い魂がびくりとすくみ上る。
 父が何を選ぶのか、何を決断するのか。相対する父の身体から迸る重圧感と緊張感を肌で敏感に感じ取り、口の中がカラカラに乾いていく。
「御父様は、どうして逃げないの?」

つづく

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