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ダヴィデ王の墓. 生命の樹

エルサレムのシオンの丘にはあのダヴィデ王の墓、があります。

こちらがダヴィデ王の墓です。

ヴェールに刻まれた言葉は詩篇150番、"ハープとリラ(竪琴)を奏でて神を賛美せよ" (הללוהו בנבל וכינור)。

旧約聖書の詩篇の作者はダヴィデ王、王自身も自ら竪琴(リラ)を奏でて、病身のサウル王を音楽で慰めた、現在で言うところの音楽療法士的な側面も持ち合わせた、優れた王でした。


ダヴィデ王の墓は私の住んでいるところからとても近く、バスで約15分、そこから徒歩3分というところにあり、私も音楽に携わる者として、王の墓をときどき訪ねては、詩篇を読んで、力を頂いています。


王の墓から少し離れた、緑が豊かな場所にひときわ目立つ、青々とした葉をたくさんつけた巨木があります。


お世話になっているラビから教えて頂いたのですが、この樹は"生命の樹"(ヘブライ語で"エツ. ハイーム")と呼ばれています。

アダムとエヴァが、エデンの園で蛇にそそのかされて取って食べてしまった木の実がなっていたのは"知恵の樹"と呼ばれる樹で、それとは別にエデンの園にはもう1本、別の樹が生えていました。それが"生命の樹"。

生命の樹になる実を食べると、永遠の命が得られたそうです。


生命の樹、といえば思い起こされるのが、ユダヤ神秘主義. カバラーにおける聖なる図形、"生命の樹"。


カバラーにおける"生命の樹"。
"セフィロート"と呼ばれ、10個のセフィラー(球体)と22本の小径からなる幾何学模様で、神の働きがあらゆる形態を取りながら巡り回る様子を図像化したものです。


"知恵の樹"は知恵を授け、"生命の樹"は永遠の命を授ける。


ちょうどこの週の土曜日から、シナゴーグでは1年の始まりとも言える『創世記』の第1章第1節から読み始める時でした。こんなタイミングでこの生命の樹に触れることができたのも、すてきなお導きだったのかもしれません。

ヘブライ語の旧約聖書。
"初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた..."
(בראשית ברא אלוהים את השמים ואת הארץ: והארץ היתה תהו ובהו וחשך על-פני תהום ורוח אלהים מרחפת על-פני המים:)


また、"生命の樹"と呼ばれる樹は、真言密教の曼荼羅図にも描かれています。


神さまのいるところには大きな樹、


樹は、神さまにとって人間とつながるための大切な依り代なのでしょう。





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