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エジプト、アラブの春再来か? 風刺画から見る中東情勢#15

2019年9月20日に、エジプトでシーシー政権に対するデモが行われました。

今回のデモのきっかけは、エジプトの有名な俳優であるモハメド・アリーが動画をフェイスブックにアップし、シーシー政権の不正を訴え、人々にデモを呼びかけたことです。

彼の訴えに対して、シーシーは不正を否定しました。

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出典: Araby 21 2019/9/19 )

この風刺画は、エジプト国民がスマホでモハメド・アリーの動画を見ているところ、後ろのテレビから出てきた「シーシーの発表」(シーシーによる不正の否定)の手によって、引っ張られているというものです。

彼の呼びかけに応じて、20日(金曜日)には多くの国民が、タハリール広場や通りでデモを行なったようです。しかし結局、警察によって催涙弾が発射されるなどなされ、デモは押さえ込まれたようです。

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(出典:Araby 21 2019/9/20 )

エジプトでデモが発生したのはかなり久しぶりだと思います。2011年1月25日のエジプト革命(アラブの春の1つ)では、人々のデモにより当時のムバラク独裁政権が退陣に追い込まれました。上の風刺画は、「1月25日革命」のお墓から出てこようとする人を、シーシーがお墓の上に乗って抑え込んでいるというものです。

今回は俳優のモハメド・アリーによってデモが呼びかけられましたが、他の有名人たちは保身のために、シーシー政権側の立場であることを表明しています。

例えば、今流行りのヒット曲ばかりをだしている歌手モハメド・ラマダーンは、エジプトの軍を讃える歌を歌い、政権側であることを示しました。

国民の中でも、シーシーに対する評価はわかれるのでしょうか?

さて、今回のように、革命の風が少し吹き始めたように感じたエジプトですが、これは一時的なものなのか、それともこれをきっかけに大きな運動となっていくのか、引き続き情報を追っていきましょう。

それでは。

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