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ひと夏の陽炎

真夜中にほんのりと生ぬるい風を感じながら
空高く上がったまん丸の月を眺めていた

月明かりに照らされた僕らは
夏の終わりと同時に何かの始まりを感じていた

終わりは時に何かの始まりを告げる
もう終わらせてしまえばいいのに…
そう呟きながら掴めもしない月に手を伸ばした

夜が明けるとまた夏が目を覚ましていた
そんな夏にも別れを告げ
また会いにいくからと寂しさを隠した

またトクベツな季節が巡っていく

着ていたシャツは畳まれ
ベッドは綺麗に整えられていた
いつの間に…

部屋に残る温もりを愛おしく感じながら
楽しかったな…
とご機嫌に眠りについた土曜日の夜

ぼくに起きた楽しくも儚い
ひと夏の陽炎。

Shaun

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