見出し画像

道は一本ではない。

突然だが、子供の頃ゲームの「ドラゴンクエスト」にどハマリした。まだRPGという言葉も知らなかった小学生時代、ファミコン界に突如現れた「ドラクエ」は衝撃的だった。買い物ができる、会話が聞ける、広いマップを冒険できる、少しずつ強くなっていく、などのシステムが、ともかくも画期的であったのだ。

その後も、シリーズの続編が出るたびに買い求め、寝る間も惜しんでクリアを目指した。結果的にドラクエシリーズは「8」までプレイを続けて、今はドラクエウォークを楽しんでいる。また、たまにドラクエの曲をYouTubeで聞いたりもしている。ドラクエは大袈裟でなく、青春の重要な思い出の一つだった。


振り返ってみて、ドラクエシリーズで一番面白かったのは、「2」だったと思う。

その理由はいくつかあるのだが、まず「1」の発売から一年以内の発表だったにも関わらず、そのヴァージョンアップぶりが凄かったことが一つ。マップは4倍。主人公は3人となって、敵とバトルは団体戦。船で海を渡ることができたりして、グッと冒険感が上がっていた。ドラクエ世界のスケールアップに、震えるほどに興奮したものだった。

次に、これが最も重要なポイントなのだが、冒険の自由度が高かったことがある。船を見つけるまでは割と一本道なのだけど、そこまではあくまで旅の序盤。船を入手してからは、大海に乗り出し、世界のどこへ行っても良くなる。この選択肢の広さがたまらなかった。


今のようにインターネットもないし、攻略本も発売されなかったから、謎解きは全て手探りで、時々流れてくる口コミ情報を頼りに、冒険をしていったものだった。

自由度が高い分、逃してしまうイベントや、いつまで経っても見つからないアイテムなどが出てくるので、ゲームの設計としては不親切だったと思う。けれど、難易度の高いものを突破していく喜びが詰まった作品だったと思う。


さて、いま、人生もまもなく50年を迎えるにあたり、自分の進むべき道は一本道ではないのだと、痛切に感じている。

大学卒業し、どこかへ就職して、家庭を持って、会社でもステイタスを上げていって・・・と、これまではある種の一本道を歩んできたが、組織の方向性と自分のキャリアが結び付かなくなり、目の前の道が見えなくなった。

正確に言えば、見えないのではなく、無数に道が枝分かれしていることに気がついたのである。ドラクエに例えれば、ようやく船を手に入れ、目の前の大海が広がっているステイタスとなる。


ここからは、自分の道は自分で決めなくてはならない。しかしそれはとてもワクワクすることにである。これまで培ってきたことを活かして、次にどのようなステップを踏めるのか。

ここは自分自身を信じて、大海に船を漕ぎ出して行こうと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?