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ファスト・コンテンツは、エスカレートする。そして…

最近のニュースになるまでファスト映画というものを知りませんでした。

僕などは、ダイジェストで映画を見て楽しいか? と疑問に思ってしまうタイプなので、ファスト映画が摘発されるくらいに流行っていたという事実が衝撃的です。

ファスト映画に限らず、世の中のコンテンツが、凄い速度で消費されていっているように思えます。

空き時間には、TikTokなどの短尺動画を矢継ぎ早に見ているようですし、二つの動画(TV+α)を「ながら見」していくことも常態化しているようですし、ドラマの早送りなども当たり前となっていると聞きます。

Wi-Fi環境が充実してきたこともあって、ここ数年、主に動画コンテンツの消費スピードが格段に上がっている印象を受けますが、同時にコンテンツの短尺化も進んでいるように思います。


このnoteのような文章を読ませる目的のブログ(SNS?)でさえも、一つの記事を1000字くらいで収めた方がいいと主張される方が大勢います。一つの文章を長く読んでいる時間はないということだそうです。

確かに人生に無駄な時間はあってほしくないのですが、自分が楽しいと思えるコンテンツに対しては、たっぷり時間を取っても無駄にはならないような気がします。


僕の思いはさておき、世の中がどんどん短いコンテンツを求めるようになっているのは確かなようです。すると、この傾向の行きつく先はどうなってしまうのでしょうか?

ここで思い出されるのが、藤子・F・不二雄先生の『宇宙人』という短編です。中身の詳細についてはいずれ記事にしますが、「文明の進化の終着」という遠大なテーマを持った作品です。

この作品で印象深いシーンがあって、文明の進化をグラフ化する場面が出てきます。そこでは、横軸を時間、縦軸を進化の具合としており、カーブは近年で急上昇して垂直に近づくグラフが明示されます。そして、完全に垂直となった時に、文明が滅び、人間も滅びるといったことが示唆されているのです。

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このグラフを、短尺動画コンテンツで考えてみましょう。横軸が時間で縦軸がコンテンツの短さとします。すると、グラフのカーブは近年でほぼ垂直となっているように見えるのではないでしょうか。

2時間の映画は20分のファスト映画へ。1時間のTVドラマは30分弱のネットドラマへ。20分くらいのYouTubeの動画は、6秒のTikTokへ。

映像コンテンツどんどん短くなっていきます。この行きつく先は、『宇宙人』になぞらえるならば、動画コンテンツの滅亡ということになります。

これは、動画に限らず、消費スピードの上がっているコンテンツ全般に言えることのように思えます。


もちろん、僕としては、たっぷりと時間を使ってエンタメ・コンテンツを楽しみたいという欲求は強いです。noteで言えば、2800字(原稿用紙7枚)平均の記事を書いますし、そういった読み応えのあるものを求めていたりします。

けれど、もうそんな時代じゃないんでしょうなあ・・。


時代に取り残されたくはない。かと言って、むやみに時代の流れに乗って滅びたくもない。そんなモヤモヤした気持ちを抱えつつ、今日も映画や長文noteをゆったりと楽しみたいと思います。


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