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「どうせなら大きなことをやれ」という欺瞞

結局一人で頑張ってもダメ。

一人でできることには限界がある。

目標を掲げる場合、個人で達成できることなんてほんの僅か。

仲間が一人、二人と増えていけば、自ずと高い目標を持つことができる。


今、自分が注力しているプロジェクトは、残念ながら個人でやれることは限られている。

思いを一つにした仲間を集めて、しかもメンバーにはきちんとプロの仕事をしてもらわなくてはならない。

自分が一生懸命に仕事するだけでは足りなくて、人を一生懸命にさせることができないと、高みには達することはできないのだ。


エンタメコンテンツの世界では、一人の天才的なクリエイターがとてつもない仕事を成し遂げることがある。その人の力がなければ、絶対にたどり着かないような地点に連れて行ってくれる、そんな天才が稀にいる。

しかし残念ながら、僕たちのほとんどは凡人である。

何か小さいものを生み出せても、それを大きくするためには、他の人の協力がいる。

いきなり大きなものを生み出す天才が確かに存在するが、ほとんどの人間はコツコツと小さく生んで、それを丹念に育てるしかない。


この業界に長年いると、一定の割合で「大きなことをやれ」と言い出す者が出てくる。

小さいことも大きいことも、手間暇はいっしょなのだから、どうせだったら大きいことに注力しろとか、知ったような口を聞く。

けれど、先に書いたように、ビッグな仕事を成し遂げる天才はほんの一握り。そういう者には、どんどんと資金をつぎ込んでデカイ仕事を思う存分してもらえれば良い。

ただし、他の一般ピープルたちは、小さいことを積み上げるしか大きな成果を得ることはできない。それは絶対に肝に銘じておく必要がある。


僕は割と早々に、自分が天才ではないことに気がついてしまった人間である。「普通」と言えばまだ聞こえがいいが、要するに「凡人」である。

小さいことしかできないし、もしかしたら、その小さいことだって人から見れば成果の内に入らないかもしれない。

そんな小粒の人間なんだと、人生の早い段階でわかってしまったのだ。

もちろん、凡人であることに抵抗はしているし、何か人とは違う天才的な能力が隠されているかも、、なんて妄想もしているが、年々それはないと確信に近づいてしまっている。


今、注力しているプロジェクトがあると、先ほど書いた。正直、それほど大きくはない事業だが、それなりのやりがいと、その先の広がりがあるように思っている。

何とか成功させたいのだが、それには協力者や仲間が必要なのだ。

僕はそうした同志作り、チーム編成、チームプレイを重要視しているが、そうは思っていない者もいる。


「大きなことをやれ」

そんなビッグワードに騙されず、勇気を出して小さいことから始められるのか。

少なくとも、そうした「小さなコツコツ」をバカにしない人たちと、僕はチームを作りたいと思う。



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