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「自分が何を提供できるのか」考えておく。

仕事をするにあたって最も重視するべきことの一つに、「自分が何を提供できるのか」について、普段からきちんと考えておくということがあります。


若い頃は、知識・人脈・経験・・・すなわち、仕事力が未熟なので、提供できるものと言ったら、先輩や上司の雑務を肩代わりするマンパワーくらいでしょうか。

提供できるものが、【マンパワー=時間】ということは、基本的に他の誰かと取り換え可能な能力となります。当然、受け取れる対価は少ないですし、何か重要な判断を任されることもありません。


ただ、この雑務メインの時期に、しっかりと何か技を盗んだり、人脈を作ったり、隙間時間で勉強するなどして、自分なりの力を蓄えていかねばなりません。

なお、若い頃には「感性」という武器がありますが、これはもう一段若い人が組織に入ってきたら、すぐに強みが色あせてしまうものになります。感性は仕事力には含まないものと考えておくべきでしょう。


目の前の仕事をコツコツこなし、誰でもできるような仕事については、達成スピードや完成度を高めていくことで、自然と次のステップとなる仕事が舞い込んできます。

余裕がありそうな若手を放っておけるような余裕ある組織は今どきありませんので、できそうな人には別の仕事がガンガンと振られてきます。

ここからのステップは、人それぞれですが、基本的に少しずつ難易度の高い仕事を任されて、独り立ち(一人である程度判断できる)のときを迎えることになります。


そして、本当の勝負はここからです。

一応の独り立ちまでは、実はたいていの社会人がたどり着きます。ここから、さらに見識を積んで、肩書を獲得したり、何かの責任者を任されたりしながら、自分独自のキャリアを積んでいきます。

キャリアの積み方は、同じ領域の上にひたすら重ねていくやり方もありますし、広く浅く敷き詰めていく方法もあります。

ここは好みや運などにも左右されますが、個人的には、ある程度までは同じ領域に、キャリアを集中させる方が後々有利に働くように思います。


冒頭で、「自分が何を提供できるのか」考えておくと書きましたが、その人独自で提供できるものは、キャリアの地層そのものです。その地層がユニークだったり、巨大なものであれば、きっとその人は引手数多となることでしょう。


僕の場合、営業を20年も続けてしまったので、一般的には潰しの利かない立ち位置になりました。その後マーケティングや企画部門などに異動して、何とかアクセクやっています。

けれど、今の立場になって思うのは、結局はそれまで積み上げてきたものを提供して、組織やチームに貢献するしかないということです。

何をするにしても、営業的見地で物事を捉える。駆け出しの若い人たちに営業的視点からのアドバイスを送る。困った問題が起きれば、営業の現場経験から学んだ対処法を伝授する、などです。


独自性のある提供物(強みと言ってもいいかもしれません)があれば、外部パートナーとのジョイントでも力を発揮することができます。

特に僕のいるエンタメコンテンツ業界では、外部クリエイターを取り込まないと新しいモノは生み出せないわけですが、それには担当窓口となる一個人の独自性が必要となってきます。

先方に才能を提供してもらう分、こちらはマネタイズや世間に認知させる方法論などを給付しなくてはなりません。何かを提供しなくては、何かを受け取ることはできないのです。



さて、やや取り留めもなく「自分が何を提供できるのか」について考えてきました。ある一定のキャリアを積んだ時に、必ず問われる課題です。感性や勢いでは賄いきれないタイミングがある日突然やってきます。

その時のために、自分自身が積み上げたキャリアの地層を、きちんと頭の中に描いておくことが重要なのではないかと思います。

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