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土台あっての仕事の幅。

本日は酔ったついでのお仕事論です。

よく「仕事の幅を広げたい」と話される方がいます。

その気持ちはよくわかりまして、自分の取り組んでいる仕事に慣れてくると、このままずっと同じ仕事していてよいのか…という不安に襲われるものです。

特に、成長したいと願う仕事に貪欲な人間ほど、同じことを続けることに、疑念を抱くようです。


でも、長く仕事人生を歩んできた身としては、仕事の幅を広げるに際して、まずはコアとなるベース(得意分野)が必要なのではと思います。

一つのプロフェッショナルと呼ばれる分野を作り、その土台をベースに仕事の幅を広げるという作戦です。

その道のプロになれば、人が言うことを聞いてくれますし、助言を求められることも出てきます。その人自身の看板ができれば、それがすなわち土台となります。


この土台が固まると、不思議と門外漢のところから話が舞い込んだり、頼られるケースが増えてきます。

すると、自然と自分の取り組むことのレンジが広がり、結果的に仕事の幅が広がっている、ということになります。


ところが、ややこしいことに、特別優れた人間以外は、人に胸を張れるような土台を築くには、結構長い年月がかかります。

何年続けたらいいのかは、業種やその人の向き不向きが関わってくるので、一概にはいきませんが、少なくとも数年は絶対にかかります。


そうなると問題となるのが、この仕事のプロに本当になれるのだろうか、という焦りが出てくることです。

時間をかけないと成果が出ないが、今成果が出ないのは、時間の問題なのか、自分の才能の問題なのか、分からなくなるのです。

その見極めが遅くなればなるほどに、人生の時間が費やされ、気がつくとタイムアップということになりかねません。

自分に向いてないものに取り組むほど、人生の時間は長くないのです。


ですので、今取り組んでいることが、自分がプロとなれる分野なのか、土台にできるものを得られるのか、という自問自答は常に必要です。

もし、この世界では大成できないと直感するのならば、急いで別の仕事を見つけ出さないといけません。見切りをつけるのであれば、それは早い方がいいと思います。


ここからは僕の経験となります。

僕自身はエンタメコンテンツの営業職としてキャリアをスタートさせ、そこから20年も同じ業種で仕事をしてきました。

さすがにそこまで長く一つのことをやり続けると、営業のプロだと言い張れます。周囲もそのように見てくれます。実際にアドバイスを求められることも多く、自分の考えなことがピタリとハマったりもします。

自分は営業なんて向いてないとずっと思ってやってきましたが、コツコツ積み重ねることで土台が出来上がるものなんだということがよく分かりました。


土台ができると、急に視界が開け、仕事の幅を広げるチャンスが舞い込んできます。そして、そのチャンスをものにできるのは、土台がしっかりと固まっていなければなりません。


一番ある最悪なのが、何もやりきったことがないのに、次々と別の仕事に手を出すことです。本人は仕事の幅を広げているつもりでも、周囲は堪え性のない奴と見られてしまいます。

圧倒的な才能が無いのであれば、石の上にも3年ではないですが、今手がけている仕事の深掘りをしていくことを強くお勧めしたいと思います。


焦って仕事の幅を広げようとするなかれ。酔ったおじさんの戯言ですが、何かの参考にしていただければと思います。

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