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提案できる人間を放っておけない

毎年新卒社員の選考に関わっているのですが、今年は20名のエントリーシート(ES)の選考を担当させていただきました。ESを熟読して、一次面接へ進んで欲しい方を推挙する役割となります。

これまで数多くのESを読ませていただいてますが、選考する立場からすれば、やりたいことが具体的に書いてある方の話を聞いてみたいと考えます。

もちろん学生さんですので、アイディアは現実的でなかったり、既に存在しているものだったり、あまりにニッチなものだったりします。


けれど、得てして抽象的な表現となってしまうESにおいて、やりたいことの具体的提案が含まれているものは、どうしても目を引いてしまうのです。

具体的に書けとなると、「大学ではサークルの副代表をやってまして…」みたいな内容になりがちですが、多くの方が似たり寄ったりのことを書いているので、そこでポイントを稼ぐのは難しいです。

是非とも、複数の具体的提案を含めたESを作ってもらいたいと思います。


ときに、僕の座右の銘は「アイディア無きものは去れ」ですが、アイディアを浮かべただけではそれはほとんど意味をなしません。浮かんだアイディアは、「提案」という形にして、世に問う必要があります。

提案なくして検討なし。
検討なくして結論なし。
結論なくして評価は得られず。

全ては、「提案」を起点にして始まっていくものなのです。


では、どうやったら提案できる体になるのでしょうか。

ここでもっとも大事なのは、何かにつけて、いつでも具体的なアイディアまできちんと考えを深めることだと思っています。

僕自身、長年エンタメコンテンツビジネスの最前線で戦っているわけですが、常に具体的なアイディアまで落とし込んで考える癖を付けるようにしていたのが、今思えばとても役立っています。


例えば、今回は「提案できる体つくりの方法」というお題になっていますので、これをもっと具体的なアイディアに深めていきます。

知識を吸収する
人と会う
集会に顔を出す
他社例を自分なりに考えてみる
ラフ案を身内にぶつけて反応を見る
データを整理して分析してみる
異業種・外国の同業者の事例を応用する
お客さんの使っている姿を想像してみる

・・・と、こんな感じに、筋トレのメニューのように具体的なアイディアを列記してみました。

このように「提案できる体を作ろう」だけではなく、具体的な体つくりの提案をセットにすることで、説得力は増すものと思います。


ところで、商談などでは、複数のアイディアを提案することが重要だと考えています。アイディア一択ではなく、複数提示して相手に選ばせる形を取るのです。

提案する立場としては、ゼロ回答が最も最悪な展開です。それを避けるため、複数の案を見せて、「どちらかから選ぼう」とマインドを誘導させることが非常に大事です。


例えば僕の例ですと、子供の名前を決める時に、どうしても自分が名付け親になりたかったので、奥さんや両家の両親に、名前のアイディアを60個作って提案して、その中から選ぶ形にしてみました。

それだけの数が出てくると、自然にここから選ぼうか、という空気になります。もちろん、きちんと名前の意味も全て考えてありましたので、補足情報を付け足すことも忘れませんでした。

結果的に、自分が大本命だと考えていた案が採用され、両家も奥さんも(自分が選択に関わった)良い名前だと心から思ってくれています。


今の例は極端ですが、けれど、どんな局面においても、具体的な提案をすることが大事だと考えます。

提案できる人間というものは、周囲が放っておけないものです。

間違っても、抽象的議論を繰り返す立場になってしまってはいけないものと思います。


こんな話もたくさん書いています。


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