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お前は全力で戦っているのか?

管理職になったのが2011年の秋だったので、いつの間にか10年以上も経ってしまいました。この間、ほぼ一貫して営業職のマネージャーを務めています。

管理職といっても、最初は典型的なプレイング・マネージャーで、チームリーダーのようなポジションでした。

自分である程度の方針を決めることができる役割を与えられたことで、部下や後輩を巻き込んで、熱量高く仕事にまい進することができました。

チームの先頭に立って売り歩くことに強い喜びを覚え、暇を見つけてはアポイントを取るなどして、忙しく動き回りました。受け持った商品は全て全力でセールスしていきました。

そんなバリバリ働いている人間を、周囲は見てくれてたように思います。自分の名前は業界内で少しずつ売れていき、次につながる仕事を貰ったりもしました。今思えば、大変に良い循環ができていました。


ところが、歳を重ねていくと、プレイング・マネージャーのマネージャーの比率を高めるようにと、会社からの指示も増えてくるようになりました。後輩も部下も増えて、彼ら彼女らに仕事を教えて、現場を委ねていかなくてはなりません。

けれど、頭ではわかっているものの、やはり自分で動きたいという欲求は抑えきれず、気がつくと部下の仕事を奪ってしまったり、必要以上に現場に口を出したりしていました。

なので、もっと権限移譲しなくちゃとか、人を動かさなくては、と思ってそうするのですが、すると今度は自分で動く部分が減ってしまって、以前より仕事への熱量が減っていくのがわかります。

「昔は死ぬ気でやってましたよね」なんてことを、最近昔からやりとりしていた外部の方に言われてショックを受けたのですが、本当にその通りで、今は全く命を懸けて仕事などしていないのです。


タイトルにつけた、「お前は全力で戦っているのか?」という挑発的な言葉は、もちろん自分に対するメッセージです。

任させる仕事の範囲は確かに広がりました。けれど、熱を込めて深く突き刺さっていくような感触の仕事ではありません。気がつくと、広く浅く、何も心に響かないTVのコメンテーターみたいなポジションにいることに唖然とします。


こうして考えると、仕事のやり方、向き合い方を変えなくてはならない時期がきたことがわかります。熱量を持って仕事をしたいという気持ちは残っているので、あとは、どのように熱を込めるのかを考えなくてはなりません。

そこでパッと思うのは、もっと責任の重い仕事を取りに行ったらどうか、ということです。本来は責任感の強くない人間なのですが、もっと自分に負荷を掛けて、強い役割を担わないと、熱を発することなどできないような気がしているのです。

熱量を追い求めれば、負担も漏れなくついてきます。でもこのままでは、「過去の人」になってしまう。そういう焦りが首をもたげます。


「お前は全力で戦っているのか?」

自らを挑発し、熱を込める仕事を取り戻さなくてはならない。

そう、強く思う週末なのでした。

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