本業のススメ

目の前の課題を、ウンウン言いながらようやくクリアすると、なぜか頭のどこからか次なる課題が浮上してきて、またそれに取り組まなければならなくなる。課題は途切れることなく、いつまでも僕たちの前に姿を現わす。

こうした課題の連続は、すばり、ストレスの種となる。「やらなくてはならない」(=MUST)というプレッシャーは、人を憂鬱にさせる。

けれど、「MUST」に取り組むことこそ仕事であり、いつまでも逃げているわけにはいかない。そして、どうせ取り組むのなら、早く取り掛かった方が良い。それはよーく分かっている。


しかし仮に、この「MUST」が、やらされ仕事であったらどうなるのか。人から押し付けられた課題において、なにか困難に直面した時に、やる気もファイトも湧いてこないのではないだろうか。

そこでポイントとなるのは、「主体性」ではないかと思う。たとえ他人から頼まれた仕事だとしても、それを我が事、我が言葉に置き換えて、主体的に動けるかどうか。主体性を欠いてしまうと、その仕事への取り組みは単なる辛い時間の消費となってしまう。

なので、仕事において最も大事なことは、「主体性」なのだと僕は思っている。自分の判断で動き、自らモチベーションを高め、アイディアを出し、改良し、人を説得し、お金を集めて、事業を推進していく。主体性さえあれば、「MUST」は、どうにかしてやろう、という挑戦の対象となる。


こうした主体性を持てる仕事環境を作り上げることは、一筋縄ではいかない。様々な方法や工夫や努力が必要とされる。主体性を獲得することが、仕事人として、最も注力していかなくてはならないことなのだ。

そして、主体性を獲得した環境を手にしたとき、そこが自分のメインストリーム(=本業)となるのである。


そういうことなので、僕は「副業」について懐疑的に思っている。たった一つの主体性を求めることで手一杯なはずだし、主体性を持って取り組める仕事をいくつも持てないからだ。

このnoteでも「副業」をウリにした文章をよく見かけるし、「副業」をこなす人は一見充実しているように見える。けれど、真の充実は、本業で主体的に動けているかで決まるのだと僕は思っている。


もちろん、本業をより充実させるため、もしくは数年後の自分に向けて力を蓄えるために、本業とは別の活動・行動を起こすことは否定しない。けれど、それはいずれ本業という大河に流れ込む、支流のようなものでなければならない。


人生の大部分を費やす本業を充実させることに全力を注がないと、副業に手を出したとしても、全然楽しめないものになってしまう。たった一つで良いから、これぞという本業を見つけて、それに真剣に取り組むべきだと僕は考える。

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