「質」より「量」の覚悟を持つ
コンテンツビジネスにおいて、ヒット作の存在は重要です。
でもヒットの確率が100%ということはありえず、肌感覚としてはどの業種においても50%以下ではないかと思います。
特にエンタメコンテンツの世界では、3割ヒットさせていれば相当に打率が高いと言われたりします。
ヒットする方が数が少ないので、一つのコンテンツに荷重をかける一本足打法は危険であり、なるべく「数多くの打席に立つ」ことが大事だとされています。
いわゆるポートフォリオの考え方で、複数のコンテンツを束にして市場に送り出し、広範囲にヒットの網を張り巡らせるのです。
「質」を追い求めることと同時に、なるべく数多くの打席に立つといった「量」を揃えていくことが重要なのです。
しかし、量が必要ということはわかりつつも、コンテンツの数を増やしていくことは簡単ではありません。
量を増やすためには、単純に、リソース(お金・手間・人材)の運用が必要だからです。
カネ・モノ・ヒトといったリソースをフル活用して量を揃えていくのですが、それにはリソースを一極集中させずに、なるべく効率的に分散させて、一つ一つのコンテンツ制作への負担軽減を図らねばなりません。
そのためには、何らかの手段でリスクを分散させたり(カネ)、パートナーを増やしたり(ヒト)、マーケティングをしたり(モノ)することが必要となってきます。
ここで分かりやすくnoteをたとえ話にしますが、一本の渾身の記事を書き上げたとして、それがヒット(=PV数・スキ数)に繋がるとは限りません。
狙った記事が思ったより反応をもらえない一方で、思ってもみない記事が伸びを見せる場合がよくあります。
僕のnoteの場合ですと、とにかく量が大事だという考えを取っていて、人気が出そうな記事だけを狙って書こうとは思っていません。
むしろ短期的な反応の強弱に左右されず、なるべく多彩な記事に取り組んでいると、突如として多くの方に読まれる記事が生まれたりします。
もっとも、ある程度の質を維持しながら、記事を量産させていくのは大変です。
常時のネタ探し、すき間時間の有効活用、スピードタイピング・・。量を揃えることは、生半可な取り組みでは達成できないのです。
ここまでをまとめます。
・ヒットコンテンツを生み出すためには、なるべく多くのコンテンツを揃える必要がある。
・一つのコンテンツに勝負をかける一本足打法は危険である。
・コンテンツの量を揃えるためには、リソースを有効的に分散させなくてはならない。
ここまでの議論を踏まえて、さらに話を一歩進めると、「質」より「量」の作戦を選ぶことは、それ相応の「覚悟」が必要だといくことがわかってきます。
先ほどリソースを分散させると書きましたが、実際問題としては、手持ちの資金を一点集中ではなく、色々な知見をもとに幅広く使っていくのは、とても手間がかかることです。
例えば競馬でも、大本命だけに全財産をつぎ込むのは簡単ですが、賭ける対象をいくつか選ぶとなると、2番人気の様子をパドックで見たり、天候や馬場をチェックしたり、騎手の調子を確認したりと、大変に細かな作業が発生します。
でも、そうした大変さに挑んでいかないと、数を揃えることは叶いませんし、結果的にヒット作をつかみ取ることはできないのです。
大変なこと・・・誰でも嫌なことです。それは組織体でも一緒です。
ですが、数を揃えるのではなく、一つのコンテンツに命を懸けて、死んでしまったケースを僕はたくさん知っています。
色々な苦労を乗り越えて、数を揃える、量を増やすといった方向に舵を切っていくべきなのは明らかです。
そしてその方向に進むためには、組織体のトップやメンバーの「覚悟」が絶対に必要なのです。
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