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森を見て、木を見るスタイル

自分が長年培ってきた仕事のやり方の一つに、「情報を整理してから動き出す」というものがある。

具体的に言えば、やるべき案件を分かり易くリスト化して、自分の抱えている仕事の全体像を把握してから、個々の案件に目を通していくという方法論である。


例えば、今自分が5件の商品を同時並行で開発・営業をしているということであれば、まずその5件をリストアップして、それぞれの進捗状況や予算、人的リソース、付帯情報などを書き加えていって、一目瞭然の状態に見える化させるのだ。

その後、直近の5件のデータを整えたところで、うっすら見えている6件目の商品情報を加えたり、過去のデータなどもリストに当てはめていく。

さらに自社だけではなく、同業他社の類似商品も同じ整理法則に従ったリストの中に組み込んでいく。これによって、業界全体の流れを把握することができるのだ。

こうして過去・現在・未来の案件情報、そして同業他社までを包括した情報を、きちんと自分の考え方に沿ったリストの中に整理していくことで、頭の中をすっきりさせるのである。


きちんとした情報の整理が済めば、仕事の大半は終えたも同然。作り上げたリストを眺めていくことで、次に優先的にするべきことが、見事に浮かび上がってくる。新しいアイディアや問題に対する打ち手なんか見えてくるのだ。

そして大事なのは、一度作ったリストは継続的にバージョンアップさせていくことである。常に最新情報が整備された形にしておかねば、すぐに使えないものとなってしまう。

僕はこうした情報整理を継続的にすることで、人よりも早く物事に着手できたり、いち早く行き詰まりそうなになったときの打開策を見つけてきた。

情報を整理して、それを継続的にアップデートさせていくことが、僕にとっての仕事の王道というわけである。


ただ、こうしたやり方には重大な欠陥が潜んでいる。

それは整理するための時間が膨大にかかることで、目先にササっとやれることを後回しにしてしまいがちということである。

全体把握から始めるので、実務的な仕事の着手は数テンポ遅れることになる。この遅れは最終的には挽回し、むしろ最善の結果に到達できるようになっているのだが、短期的に見れば仕事が遅いという評価に繋がりかねない。

今の時代はメールやスラックを即効返すことが奨励されがちなので、じっくり整理してから返信しようなどと考えていると、レスポンスが遅いなどと非難を受けてしまう。


なので、こうした作業の遅れを指摘されないためには、常に新規情報の更新をしておかねばならない。常在戦場の態勢が必要なのである。

ただ、僕が今回体験した3週間ほど仕事が止まってしまうような事態に陥った時には、その後のリカバリーに大変苦労することになる。情報の整理を一から始め直さないといけなくなるからである。

仕事に復帰して二日だが、この間はひたすら情報整理をして全体像の把握をしたかったのだが、残念ながら喫緊の用事を片付けなくてはならず、これが僕にとっては相当なストレスとなっている。

森を見てから木を見たいタイプなので、いきなり一本の木を見ていくことを求められると、どこかに抜けがあるのではないかという不安に襲われるのである。


そういうことで、この二日間は一日を前後編に分けて、前半は情報整理、後半を直近の業務着手と、森と木を見る作業を並行させるやり方を取った。僕にとってはイレギュラーな体制である。

そのため、気持ちをきっぱり切り替えるために、前半と後半では仕事場を変えて、さらにはPCも変える工夫を行った。二つの仕事のやり方を無理なく併走させるためである。

当然情報整理も急ぎの片付けも中途半端な状態なのだが、この工程を後一週間も続ければ、いつもの自分の仕事のやり方に戻れるのではないだろうかと考えている。


そして、藤子Fノートも同様である。

長くなってきたのでここでは書かないが、note執筆についても、これまで仕事と同じような考え方で継続させてきた。森(全体像)を見て、それから木(個別案件)を見ていく方法論である。

仕事が整理できてきたら、次はFノートの整理の始まりである。もう一回自分が書き溜めてきたFレビューを見直して、次に向かう道を整理して、そこからようやく具体的な記事化を進めることになる。

僕としては早く具体作業に着手したい気持ちも強いが、ある程度の時間を使って再整理をした上で再スタートに踏み切りたいという思いもある。

ともあれ、自分の仕事(及びnote)のスタイルは固まっているわけで、後はその工程に少しずつ戻れればいいということだ。

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