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ずばりビジネスには雑談が絶対に必要

仕事回りで人と話していると、雑談の質量でその人の営業経験の有無がすぐにわかります。

そして営業経験のあるもの同士では、相手を慮った心地よい会話が成立します。会話を存分に楽しんだ後、最後の方でビジネストークとなって、商談が成立します。

僕は長年セールスマンでしたので、売り買いやその条件交渉がメインの仕事でした。でも仕事に向かうというよりは、会話を楽しむ気持ちで営業に臨んでいました。

そして会話の中心となるのが雑談です。雑談のキャッチボールを経て、最後の最後に商談があるというイメージです。僕の肌感覚では、雑談がうまくいった先の商談は、お互いにとっていい成果を出せるように感じています。

営業で結果を残すには会話が必要、会話のほとんどは雑談が占める。つまりは、営業には雑談が必要という三段論法になります。


さて、今の僕の上司は営業経験がほとんどないまま偉くなってしまった方です。物知りなので会話の中でうんちくは山ほど現れるし、語彙力もあるので言葉の数も豊富です。けれど、いわゆる雑談ができない。

よく勘違いされますが、雑談と雑学は似て非なるものです。雑学やうんちくをぶつけ合うのは雑談とは言いません。あくまで雑談の目的は打ち解けることだったり、場の空気を柔らかにするものです。ボールはぶつけ合うのではなく、キャッチし合うのが基本です。(ドッジボールではなく、キャッチボール)

上司とは業務上会話をしなくてはなりませんが、雑談が出来ないのでいつまでも打ち解けません。それどころか立場を利用したマウントを取った会話をしてくるのでこちらの気分が良くありません。

その方は肩書を使った仕事はできるでしょうが、営業的な交渉は不得手のようです。もう手遅れですが、営業的な雑談ができるようになっていただきたいと強く願っています。


その一方で、巷間する「雑談力」とか「雑談はスキル」という考え方にはあまり賛同できません。そんな大袈裟なものではないからです。

格好つけずに自分の言葉で身の回りのことを話す。それだけでいいのです。もしくは相手の話を引きだして、適当に相槌を打って、自分の知っている話題が出てきたらすかさず合の手を入れる。そんな感じで十分だろうと思います。

技術とまでは言いませんが、ビジネス上の雑談はある程度慣れが必要です。まずは営業トークが上手いと言われる方に同行して、詳細に雑談の運びを研究しましょう。

この夏だったら、天候不良について→コロナの話題→コロナ禍での業界動向をどう考えてるか見解を聞く→当社の感染対策を共有する、とそんな感じで十分場は温まります。

ちなみに、雑談を少しずつ本題に近づかせるのもテクニックです。「いよいよ本題いくよ」と阿吽の呼吸で伝えます。


僕も二十代の頃は営業トークに身構えてましたが、先輩や上司のやり方を自分なりに解釈して実践していくことで、いつのまにか雑談が得意になってしまいました。

そしてなるべく若い内に雑談メインの営業トークを会得しておくことをオススメします。将来偉くなった時に、雑談の一つも出来ない上司では社内のコミュニケーションは取れませんし、外部のお偉いさんとの折衝などで後手を引いてしまいます。

営業というよりは、ビジネス全般で「雑談」が必要なのです。


そして何より雑談メインの営業トークは面白いです。初対面の人ともすぐにトークが盛り上がるようになりますので、雑談営業マンの世界へ足を踏み入れてみて下さい。

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