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いつか連絡が来る日のために??

実は昔、イーロン マスクに握手された事があった。
15年くらい前、シリコンバレーで就活してた時、たまたまペイパルでウェブクリエイターの募集があったので面接に行った時だった。

二人の面接官と向き合って話をしていたら、突然、
「こいつと握手したいんだ。良いかな?」と部屋に入ってきたのがイーロンだった。

当時、彼はペイパル、テスラ、スペースXと手を広げてた頃で、
「君は此処に居るべき人じゃない」と面接官は驚いていた。

「久しぶり」って懐かしそうな笑顔で、僕に握手してきた彼。
「やばい。全然おぼえてない。誰だっけ?」と思いつつ僕は、
「久しぶり」と相槌を言った。

「僕が聞きたいのは、たった一つだ。僕が困った時に助けてくれるか?」と早口な英語で彼が聞いてくる。

「この人、誰?」その頃、今ほど世に知られてなかったイーロンを見て、質問の真意が解らなくて、頭の中がグルグル回って、口をぽかんと開いてしまった。

「助けてくれないのか?」と寂しそうな顔をする彼。
「もちろん助けるよ」意味も解らずそう答えると、にこにこした笑顔に変わって、
「その答えが聞きたかったんだ」と言う。

「しかし助けが必要な時って、どうやって連絡すれば良いの?」と思ったら、心を読まれたのか、
「君は、僕がどうゆうふうに見つけるのか心配しているようだが、君が何処にいても見つけ出して連絡出来るんだよ」といたずらっ子のような顔をしたと思ったら、
「それじゃ」と言って、部屋を出ていこうとした。

「ちょっと待って。この人は、そんなに重要な人なのか?」と出て行こうとする彼を面接官が引き止めた。
「いや。そんな事ないよ。これはこっちだけの話だよ。君たちは君たちの仕事をすればいい」と言って、ウィンクをしながら彼は本当に出ていった。
彼が入ってから出ていくまで、その間ほんの数分だった。

「あの人は、本当の天才だ。でも、なんかいつもと違う。歳とってなかったか?」
「未来から来たとか?」

「もしかして、目の前にいるこいつは、ネオなのか?」と僕を見て面接官の人が言う。
「そしてあの人は、モーフィウス?」
「俺たち、この人に青いカプセル飲ませなきゃいけない係?」
「もしかしたら、この引き出しの中に突然青いカプセルが現れるとか?」
そう言うと、面接官は引き出しの中をゴソゴソと探し出して、
「何もそんなの無いよ。気のせいだったかも」
そんな事を話してて、呆然と二人で目を見つめて苦笑いしてた。
(どうやらマトリックスが流行ってた時だったから、その主人公たちに重ねて話をしていたらしい)

それから5分も経たないうちに、部屋の電気が消えた。
「あっ」と三人で目を見つめ合う。

部屋の電気が消えただけじゃなくて、建物全部の電気が落ちていた。
すぐに、建物中の火災報知器がけたたましく鳴り出した。

「これって、イーロンがしたのか?」
「彼にはそれだけの権限がある」
「早く階段を使って駐車場まで降りるんだ」

そして駐車場に降りると、従業員のみんなが呆然と立ちすくんでた。
僕もその時だけは、一緒に働いている従業員と同じ気持ちにさせてもらった。

「さて、こんな駐車場で、面接なんてやってる場合じゃない。もう今日は終わりだ。帰っていいよ。後からまた連絡するよ」
面接官の人は僕の目を見て、呆然としながらそう言って、僕を帰らせた。

「何だったんだ。あれは」
車を運転しながら、非日常の世界、まるで映画のような日だったと思って、何だか解らないけど、笑顔になって笑ってしまった。

今思うと、あの時イーロンは、未来に戻るのに電気が必要で、その電気でタイムトラベルしたとか?

「助けが必要な時って、どんな時?」と今でも考える。もしかして彼が火星に行った時、ボディーガードが必要とか??

そしてもちろん、面接が途中で終了したからだろう、あの時ペイパルに就職は出来なかった。

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