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交響詩《英雄の生涯》クラオタ的曲解説 スピンオフ編 この解説もパロディを使っていた!?

今回は

シン・エヴァンゲリオン劇場版 :|| 劇中使用楽曲音楽集
Shiro SAGISU Music from“SHIN EVANGELION"
ゲット記念!!

ということで、これまでの《英雄の生涯》解説で実はエヴァンゲリオンをパロっていたことについて書いていきます!

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記事の性質上、若干シン・エヴァのネタバレあるので、まだ観ていない方はシン・エヴァを観てから読んで下さい。

この解説もパロディだった!?

この《英雄の生涯》解説は実はエヴァンゲリオンをパロっていました

《英雄の生涯》解説はエヴァンゲリオンを意識してパロディ化した部分がありました。これについて具体的に解説していきます。
まずは具体的なパロディ部分を説明してから、なぜエヴァをパロったのか?についてもまとめていきます。


《英雄の生涯》解説でのエヴァのパロディ部分


エヴァのパロディ部分は次の4つです。


《英雄の生涯》解説第4回のアイキャッチ画像
《英雄の生涯》解説第4回の記事構成
・シリーズ構成
・考察&結論

《英雄の生涯》解説第4回のアイキャッチ画像

《英雄の生涯》解説第4回では《英雄の生涯》がR.シュトラウスの"交響詩の時代"への別れの曲であるという考察に基づいて

「さようなら、すべての交響詩」

というキャッチフレーズをアイキャッチ画像に入れています。
これははシン・エヴァ予告でのシンジ君のセリフ

「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」

のキャッチコピーまんまですね。これはわかりやすい。
ちなみに、ポスターは「さらば、すべてのエヴァンゲリオン」です。
さようならの方が個人的に好みなので、そちらを採用。
本当は「さようなら~」の部分のフォントはエヴァでよく使われるマティスEBを使ってよりパロディ感を増したかったのですが手に入らなかったので、マティスProで代用しています。

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《英雄の生涯》解説第4回の記事構成

《英雄の生涯》解説第4回の目次はこんな感じでした。

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シン・エヴァと《英雄の生涯》解説第4回記事の構成を比較するとこんな感じ。

シン・エヴァ構成
冒頭のこれまでのエヴァンゲリオンで序, 破, Q, シン・エヴァを振り返ってから本編でシンジ君のエヴァのいる世界からの脱却=ネオン・ジェネシス達成までを描く

《英雄の生涯》解説第4回構成
これまでの《英雄の生涯》解説で第1回〜第3回までの解説内容を振り返った後、本編として《英雄の生涯》が《エロイカ》の英雄像を脱却してアップデートしたという考察までを書く

最終回で前3回を振り返ってから本編のゴールまでを描くところも意識しています。

これも気づきやすいですね。

シリーズ構成

《英雄の生涯》解説シリーズ構成も新劇場版エヴァ+シン・エヴァをパロってます。

新劇場版エヴァ+シン・エヴァシリーズ構成
第1弾: 序
第2弾: 破
第3弾: Q
第4弾: シン・エヴァ

《英雄の生涯》解説 シリーズ構成
第1回: 予備知識編
第2回: 楽曲分析編-前編-
第3回: 楽曲分析編-後編-
第4回: 考察編

新劇場版エヴァの序, 破, Qのタイトルは能や歌舞伎など雅楽の舞楽で曲を構成する3つの部分を指す序破急に由来するという説が有力です。新劇場版エヴァは本来3部構成の序破急(Q)にさらにシン・エヴァを加え4部構成とすることで、これまでのエヴァからは脱却したエンディング(=エヴァとのお別れ)であることをシリーズ構成の面からも示していると思われます。

《英雄の生涯》解説でも意識をして4部構成としたことはもちろんのこと、《英雄の生涯》がR.シュトラウスの”交響詩の時代”へのお別れの曲である考察も、新劇場版エヴァ+シン・エヴァでエヴァンゲリオンとのお別れを示していることとリンクしています。もちろん、《英雄の生涯》の考察はエヴァありきで考えたわけではなく、ちゃんと真面目に考察して導き出されたものです。

考察&結論に見るエヴァのパロディ


《英雄の生涯》第4回では《ドン・キホーテ》と《英雄の生涯》のニコイチの関係性、そこから導き出される結論についてもエヴァを意識した上で書いています。

《英雄の生涯》解説では

《ドン・キホーテ》は英雄的性格の主人公が何度も同じことを繰り返し、成長せず終わる→変奏曲形式で表現。これは従来のベートーヴェンの《エロイカ》の英雄像を表す。

《英雄の生涯》は『英雄』が『敵』に打ち勝ち、さらにその先の悟りまで到達する→ソナタ形式+2つの長大なコーダで表現。これは《エロイカ》の英雄像からの脱却を表す。

と結論付けました。

これはエヴァに当てはめると

《ドン・キホーテ》の主人公『ドン・キホーテ』
エヴァのいる世界から抜け出せないこれまでのエヴァの世界をループし続けるシンジ君
(=円環の理から抜け出せないシンジ君)

《英雄の生涯》の主人公『英雄』

エヴァのいる世界から脱却して相補性のある世界を創り出したシンジ君
(=ネオン・ジェネシスを達成したシンジ君)

に対応しています。
《英雄の生涯》解説を書き始めた頃はシン・エヴァ公開前だったので、シン・エヴァでシンジ君がエヴァのいる世界から脱却するエンディングになるかは少々賭けな部分もありましたが、新劇場版エヴァ+シン・エヴァでエヴァテレビ版・旧劇場版エヴァをより分かりやすくリビルド(再構築)されるのであれば、やはりシンジ君は何かしら世界を創り変えるだろうと予想していたので、公開前でしたがここもパロディに入れることとしました。

《英雄の生涯》解説でエヴァをパロった理由

《英雄の生涯》解説でエヴァをパロった理由は次の3点です。

①構成, 考察, 結論はエヴァとあまりにも共通点が多かった
②パロディを多用する《英雄の生涯》をパロディを使って解説することで面白さを加えたかった
③クラシック曲の考察はエヴァの考察並みにおもしろいことを伝えることが裏テーマだった

①構成, 考察, 結論はエヴァとあまりにも共通点が多かった
パロディを多用する《英雄の生涯》をパロディを使って解説することで面白さを加えたかった

元々《英雄の生涯》について自分が欲しい情報がある曲解説がなく、それならば自分で書いてしまおう!と思い立ったのが《英雄の生涯》クラオタ的曲解説の始まりです。曲解説を書くにあたり、あらかじめ考えていた構成, 考察, 結論がエヴァとあまりにも共通する部分が多いことに気づいた時、エヴァのパロディ化を思いつきました。しかも、《英雄の生涯》は自分・妻・敵や自作曲などいろんなものをパロディ化した曲です。そんな曲をパロディを使って解説するというのは、なかなか面白いものになるんじゃないか?と思ったのでやってみました。

クラシック曲の考察はエヴァの考察並みにおもしろいことを伝えることが裏テーマだった

エヴァンゲリオンは謎めいたところが多く、考察も大きな楽しみの一つである作品でした。ところで、僕はクラシック曲でも同じように作品を深く掘り下げて考察する楽しみ方があると思っています。今回の《英雄の生涯》はその楽しみ方が分かりやすく伝えられる作品だと思ったので、

クラシック曲の考察はエヴァの考察並みにおもしろいことを伝える

を裏テーマとして、エヴァをパロディ化していました。

まとめ

《英雄の生涯》解説のエヴァのパロディ部分について紹介しました。最終回ではいくつか気づいていた方がいるかもしれません。僕としてはクラシック曲の考察のおもしろさがこの《英雄の生涯》解説で皆さんに伝われば嬉しいです。

それにしても、シン・エヴァは良かったです。

どんなラストであれ"僕だけのモナリザ"は綾波です。
皆さんの”モナリザ”は誰でしょうか?

3回目も絶対観に行く。

それでは、次回バルトーク《管弦楽のための協奏曲》クラオタ的曲解説でお会いしましょー!

注)本記事では、簡単のため「エヴァンゲリオン」, 「ヱヴァンゲリヲン」の表記はすべて「エヴァンゲリオン」に統一しています。

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