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MV主演女優×監督対談〜

 6月23日、SHARPのTwitter上で「そして紺碧の空へ」のミュージックビデオの主演女優が発表されました。
 ワセコレモデルの三島唯さんと足立夏保さんのお二人。そして、監督を務めるのが、早大生YouTuber「【KURUKURA】クルクラ」としても活躍する稲場友亮さんです。
 作曲はレコード大賞受賞作曲家”杉山勝彦”さんが、振り付けはラグビーW杯開会式の振り付けも担当した”SHOJIN”さんと大物の参加が話題となったこの企画ですが、MV(Lyric Video)は早大生の手でつくられます。

 今回は、この三人にインタビューをさせていただきました!

 MVにかける想いは必見です!

※この取材は、6月21日にオンライン形式で取材したものです。


■■以下よりインタビュー■■

「自分にはどうにもできない苦しさ」(三島)

現在、オンライン授業となって通常の大学生活とは違った状態になっていますが、このような状況についてどのような思いをお持ちでしょうか?

足立さん(以下足):私はコロナの緊急事態宣言が出る直前に留学先のイギリスから帰国してきまして、現在は早稲田大学の春学期の授業は受けていません。
その代わりに、留学先の春学期の授業を受けていて、時差もあり苦心しながら、授業を受け単位を取得しようと頑張っています。

三島さん(以下三)::私はアルバイトもできず、授業もなく、そういう状況の中で何もしないということが苦手で、家にいる間はずっと母親とおしゃべりしたり、テレビ見たりしていました。またポスティングのアルバイトもしていました。誰とも密にならないし、一人でずっとポストにチラシを入れるだけなので、それだったら運動もできるし、一応仕事として外に出られるので。全然お金にはならないけど、何かできるものがないかと探して、ポスティングのアルバイトをしていました。

稲場さん(以下稲):僕は去年休学していて、今年から復学しました。復学したけど、学校で授業を受けられないのが寂しいです。友達と会ってくだらない話をしたり、キャンパスの近くでご飯を食べたりしたいです。

三島唯

(写真)三島唯さん

各種イベントも中止になり、学生全体、大学全体にも大きな影響が出てきていることはどう考えていますか?

足:私はいま体育会系の女子ホッケー部に所属しています。春リーグだけでなく秋リーグもなくなってしまうのではないかという勢いでどんどんどんどん青春の思い出の1ページが消えていってしまっているような感じです。新入部員もせっかく入部したにも関わらず、試合で成果を残すことができず、いろいろ苦悩を抱えているんだろうなと思っています。

三:私はワセコレモデルとしてせっかくやらせていただけるのに、ショーも全然できないし、早稲田祭もあるかどうかもわからず、本来ならやれることができないっていう悔しさがあります。しかもそれが、自分ができなくさせたのならまだ自分のせいなのでとは思うんですけど、ウイルスっていう私にも、人類にもどうしようもないものだと思うので、ちょっと対処法が見つからないっていうのか...。せっかく大学四年間しかなくて、三、四年生は就活とかインターンに向かっていくので、一、二年生が一番楽しめる時期です。そういう時期に楽しめない、しかも自分のせいじゃないっていうところが苦しいです。

稲:僕はサークルにも入っていなくて、イベントとかあんま参加しない人だったんですよ。肩を組んで紺碧の空を歌うノリも暑苦しいなとか思ったりして、外から見ているような人間でした。でもこの自粛期間に色々と早稲田について考えたときに、やっぱりこの文化ってすごいなって思いました。だから今は、早くみんなで熱狂したいという思いが増しています。

「表現の一部になれることはすごく魅力的」(足立)

ここから本題の紺碧の歌プロジェクトのお話を伺っていきます。まず、紺碧のうたプロジェクトに関わると決まった時に、どのような感情を抱きましたか?

足:私がはじめてこの企画の話を聞いたときに、本当にやりたいなという気持ちがものすごくありました。というのも、紺碧の空っていうのは私にとってすごく大事なもので、試合中に歌ったりと思い入れのある曲です。その曲がどう変わって、どういう風に表現されていくのか、その表現の一部になれることはすごく魅力的だなと感じました。

三:私は完成した曲を聞かせていただいて、早朝に聞いたんですが、ジーンとくるものがあって、早稲田を思い返しました。その曲を作ってくれた方のすごさを知ったと同時に、自分がミュージックビデオに出させていただくことへの不安っていうのはすごくあります。ミュージックビデオを見ながらその音楽を聞くときに、視覚情報はめちゃめちゃ重要だと思っています。曲があまりにもジーンときたので、目から入る情報が全然ダメだったら、台無しにしちゃうんじゃないかっていう不安があります。これから撮影をやるんですけど、その期間は全身全霊でやろうって考えています。

稲:代表の遠藤くんに電話で監督をやってほしいと言われて、”やってやるぞ”って思いました。色々なことをやってきた大学生活の、集大成になるようなものができるんじゃないかって。もちろん関わってくれる方の偉大さや、このプロジェクトの大きさを知って怖さもありましたが、それを乗り越えたいなというところですごいやる気になりましたね。

「自分を投影した時にどういった感情にさせるか」(稲場)

ミュージックビデオの監督をするうえで、どのようなミュージックビデオにしたいとか、思い描いていることはありますか?

稲:今までない、この大学に通えないという状況に対してのモヤモヤというか、何とも言えない感情をどう表現したらいいかというのを最初に考えましたね。その中で、遠藤くんがこのプロジェクト始めたように、限られた状況の中でもできることを探して、頑張っていくっていうのが、早稲田生の活力の源だったり、良さだったりするのかなって思いました。悲しんで現実を受け止めながらも、また一歩踏み出す強さというか、早稲田生の活力も表現したいなって思いましたね。

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(写真)稲場友亮さん

ミュージックビデオに込めたいメッセージは?

稲:見てくれた人によって、それぞれ受け取り方が違うかなと思います。この状況で僕が”頑張って”って言うのも、”落ち込むな”って言うのも違うなと。自分と重ね合わせて何かを思ってくれたらいいなっていうのが一番の根本となるところで、最終的にちょっと元気になってくれればいいなとか、前を向いて歩き出せればなって想いは込もってます。またキャンパスで再開できる日が楽しみになるミュージックビデオになっています。

個々人に自由にとらえてもらってよいということですね?

稲:はい、自分自身を投影して見てもらえたらなと思います。

「自分自身を出す」(三島)

ミュージックビデオでどのように演じたいか、意気込みをお聞かせください

足:先ほど三島さんがおっしゃってたことと少し重なるんですが、曲も素敵で、関わっている方々もとても偉大な方々なので、その方々の努力を無駄にしてはいけないといつも心がけています。全く表現の勉強とかはしたことがないんですが、今回のミュージックビデオでは、同じシーンを何度も繰り返して、納得するまで撮り直しています。私の演技力や表現力の足りなさで、この偉大な作品がもったいないことになるのだけは避けたいという気持ちです。

三:私はまだ撮っていないので自分がどう映るのかはわからないですけど、一番に考えているのは自然に、作らないようにしようとは思っています。私もまだ未熟者なので、ワセコレの活動などで撮影をしていて、自分を良く見せたいって欲がちょっとまだあって。でもそうじゃないなって。落ち込んでるシーンでは自分の落ち込んだ時を思い出したり、なるべく自然な、私自身の表現をしようと思っています。私も演技はしたことがないし、表現の勉強も一切したことがないので、どうなるかわからないですけれども、自分自身を出すという気持ちでやりたいと思っています。

三島さんはワセコレモデルとして、足立さんはホッケー部として活動されてきました。今までも他の人に見られる機会はあったと思いますが、今回のミュージックビデオで画面を通してみられるのは違った形になると思います。そこで意識したいポイント、今までとの共通点や相違点があれば教えてください

足:すぐに相違点は見つからないのですが、画面越しって伝わることの限りがあると思っています。特にMVであれば、オンタイムではなく、撮影したものをみなさんが見てくれるという形なので、私の感情をどのように伝えるかというところを一番大切にしたいです。例えば、演技を口パクでやるのではなくて、実際に声に出して言ってみるとか、そういうところをぬかりなくやるようにしています。

三:私は相違点になりますが、ワセコレとしてファッションショーをやったことがないので、写真撮影がメインの活動です。しかし今回は動画なので、表現の仕方とかも変わってくると思います。まだMVの撮影をしていないので、やってみなきゃわからないんですけれども、そこの違いを意識しながら撮影したいです。

足立さん 変更

(写真)足立夏保さん


「体育会系と文科系の架け橋となる作品に」(足立)

このミュージックビデオを現在の状況を乗り越えたあとの私たちにとってどのようなものにしたいと考えていますか?

稲:曲が「そして紺碧の空へ」っていうタイトルなんですけど、このタイトルに示されているように、また会える日を待ち望んで作っています。そしてこの過程も残る。こういう状況があったけど、学生でも頑張ってこんな形にできたよっていう、その頑張りでも誰かを勇気づけられるものになれば最高だなと思います。この状況だったりとか、状況に対してみんなが抱いた思いが、曲とミュージックビデオに詰まっているので、その想いを残すためにも、歌い継がれる曲にしたいです。

足:私個人としては、ワセコレの活動全体としてもそうですが、ミュージックビデオを通して、体育会系と文科系の架け橋になるような今後に残っていくものを作ればと思っています。私が出るから体育会系の人が見てくれるとかそんな大きな役割を私は担うことはできないんですが、それをきっかけに学校ではちょっと疎外感を感じてしまうことのある体育会系の生徒たちが、早稲田ってこうやって一体感を作っているんだなっていうのを実感してほしいです。この曲は今の早稲田現役生や、この前入学したばかりの新入生に作られた曲ですが、それよりもっともっと先のこれから早稲田に入ろうと思っている子たちにとっても早稲田って一体感や団結力があって、受験を頑張った努力が報われる学校なんだなって思う作品になればいいなと思っています。

三:私はこういうコロナウイルスの状況じゃなかったら、普通に大学に通っていると自分が中心に世界が動いているようになんとなく見えてしまっていて...。サークル活動だったり、部活だったり目の前のことをただ必死にやる中で、どうしても目の前のことや、自分のことしか見えなかったりするとあるのかなと思います。
でも、この曲はもちろん現役の早稲田生もそうですけど、OBの方や地域の方、早稲田周辺のお店の方などたくさんの方に関わっていただけています。さらにクラウドファンディングでも、多くの方から支援をいただいて作っている曲なので、一人でなんでもできるってわけじゃなく、学生生活を送れているのも友だち、地域の人だったり、いろんな人に支えられているから活動できるっていうことを、この曲を通して少しでも実感できるようなものになればいいなと思っています。

「MVで語る」(稲場)

最後に早大生、早稲田の方へのメッセージをお願いします

稲:全部MVで語りました。ぜひMVを見てください!

足:まず私はこの曲をちゃんと聞いてほしいなと思います。ミュージックビデオはもちろん、この曲や歌詞とかそういう一つ一つ全部が人の力によってつくられています。リモートで作ってものだからそんな大したことないだろうって思わずに期待以上のものをお見せするので、ぜひフルで見てください!

稲:歌詞めっちゃいいですからね

三:これから、とりあえず、もう頑張ります!(笑)本当に全身全霊でやるので、見てくださいとしか言いようがないです。

ありがとうございました!


取材を通して、僕自身もミュージックビデオの完成が非常に楽しみになりました!
どういった作品が生まれるのか、6月26日(金)に注目です!

                          (取材、記事:高橋優輔)