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注目の法改正等ver2(2020.1.21現在)

<はじめに>

こんにちは。社会保険労務士法人シグナル 代表 有馬美帆(@sharoushisignal)です。

※このnoteは、2020年1月14日に公開したnote記事を加筆・修正したものです。

2019年の年末あたりから、たくさんの法改正の発表や議論の進展がありました。
このnoteをご覧になられている方ならば、すでにキャッチアップをされていると思います。しかし、量が多いので、なかなか整理しきれていない方も多いのではないでしょうか。

そのため、弊所にて表にまとめました!ぜひご覧ください。

※働き方改革関連法も順次施行されています。それについては、すでにnoteで記載したこちらの記事をご覧ください。
<大企業版>https://note.com/sharoushisignal/n/nd0d445398ea5
<中小企業版>https://note.com/sharoushisignal/n/nbc7e5fb1efb9

<注目の法改正等>

note.本文用 法改正Ver.2


<1.身元保証書に極度額の記載義務>

民法改正で保証契約に「極度額の明記」が定められました。

これにより、企業が採用時などに提出を求めることが多い身元保証書も、通常保証契約に該当するとされていますので極度額を明記しなければならななくなりました。

極度額とは、その保証契約で最大どれだけの保証をするかという金額のことです。今までは身元保証書に「◯◯万円までの損害につき保証します」というような金額が記載されることはほとんどなかったと思いますが、本年4月1日からはそのような書面では不備があることになってしまいます。


<2.64歳以上の雇用保険加入者の保険料が免除から徴収へ>

保険年度の初日である4月1日時点で満64歳以上の方の雇用保険料の徴収については、これまで猶予(免除)されていたものがなくなります。給与計算時に注意が必要です。


<3.障害者雇用(週10時間以上20時間未満)に対する特例給付金支給>

障害者雇用促進法の改正により、特定短時間労働者を雇用する事業主に「特例給付金」が支給されます。


「特定短時間労働者」とは、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の障害者のことです。短時間であれば就業可能な障害者の働く機会を増やすための法改正となります。
特例給付金の額は、常用労働者100人超の障害者雇用納付金対象事業主に1人当たり月7,000円、100人以下では月5,000円となる予定です。


<4.採用時に、受動喫煙対策について明示する義務>

改正健康増進法では「望まない受動喫煙」が生じないための各種施策が講じられています。
これにより受動喫煙防止が「マナーからルールへ」変わります。


それに伴い職業安定法施行規則も改正され、本年4月1日から従業員の募集を行う場合、「どのような受動喫煙対策を講じているか」を募集や求人申込みの際に明示する義務が課されることになりました。

これにより、契約期間や賃金などの労働条件等明示事項に「受動喫煙防止措置」という新たな項目が加わることになります。
具体的には、「屋内禁煙」、「屋内原則禁煙(喫煙室あり)」といった文言を記載することになりますので、現在お使いの求人票等など書式の見直しに早めに着手してください。


<5&7.パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務化 大企業は義務化・中小企業は2022.3.31まで努力義務>

パワハラ防止措置に関しては施行日がまだ確定していないのですが、おそらく6月1日からということで、大企業にとっては対応が急務となります。

中小企業は努力措置となりますが、義務化までの猶予はそれほど長くありませんので、今年中にパワハラ防止規程の整備などに着手されることを強くおすすめします。

パワハラ防止措置について、現段階で確実に準備を行わなければならないことはパワハラに関する相談体制の整備(窓口の設置など)と、相談した労働者に不利益が生じないようにすることです。パワハラにも様々な類型がありますが、職場の「上下関係」に基づくものがやはり多いと思われますので、上長を介さずに相談できる措置をどう講じるかというのも1つのポイントになるでしょう。

相談体制の整備という点では、パワハラ防止研修を開催することも非常に効果的です。相談窓口をただ定めるだけではなく、研修内で相談体制について説明しておくことが、防止と発生時対応の両面でしっかり対応していたというエビデンスになるからです。
この研修については、またの機会にnoteでお伝えしますね。


<6.子の看護休暇・介護休暇の時間帯取得義務化>

子の看護休暇・介護休暇が1時間単位で利用できるようになることは、子育てや介護に関わる働く方々にとっては非常に有意義な改正です。

ワークライフバランスの向上につながることから、離職防止の面などで企業にもメリットがあるでしょう。
その反面、勤怠管理がどうしても煩雑になってしまう面がありますので、その点を踏まえて今から準備を始められた方が良いでしょう。


今回は法改正がほぼ確実に見込まれるものから優先的にご紹介しましたが、改正が予定されているものはまだまだあります。
次回は、改正に向けて議論中のものも含めて、残りの事項についてもご紹介します!お楽しみに!

それでは、次のnoteでお会いしましょう。
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社会保険労務士法人シグナル問い合わせ先 info@sharoushisignal.com
※現在お問い合わせを多数頂いているため、ご要望に添えない場合がございますことを予めご了承ください。

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