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インボイス②:原則課税と簡易課税 どちらを選ぶか

こんちは!副業社労士まさゆきです。
インボイス登録申請の次は納税額計算方式の選択です。計算方式には「原則課税」「簡易課税」の2つがあります。通常は原則課税ですが、申請すれば簡易課税を選べます。私はe-Taxで申請したので申請時には選択不要、簡易課税を選ぶ場合には12月までに税務署に申請すればいいようです(紙で申請する場合には申請時に選択欄があるようですが…この点は未経験なので何とも言えませんが)。

《原則課税と簡易課税のしくみ》
「原則課税」では下記計算式で消費税額を決定します。

この場合、仕入税額は適格請求書(領収書)1枚1枚を集計します。

経理上の手間を省きたい人は「簡易課税」を選びます。簡易課税では「売上時に預かった消費税にみなし仕入率を乗じて」納付消費税額を計算します。社労士ではみなし仕入率は50%です。「売上時に預かった消費税額」=50万の場合、

となります。仕入税額を集計する手間が省け簡単です。

《簡易課税で使う「みなし仕入率」とは》
みなし仕入率は、業種によって異なります(この表は簡便に省略していますので別途確認してください)。

これをみると、みなし仕入れ率は各業種の利益率を元に決定していることが判ります。卸売業(商社)ならば利益率は約10%なのでみなし仕入率は90%。社労士なら「売上を上げるための仕入額は概略50%ぐらいだよね」と捉えられているのでしょう。

《原則課税と簡易課税のどちらを選択すべきか》
簡易課税を選択した場合を考えてみましょう。社労士の場合、みなし仕入率が50%です。つまり、「100万売る(消費税は10万円)ためには、仕入れは50万円、仕入の消費税の10%と考えれば、
10万円×(1―0.5)=5万円
を納付消費税額とすれば実態と乖離しない、が簡易課税の考え方です。

ということは、利益率が50%ない社労士の場合、簡易課税を選択すると損になります。事業には「固定費=売上の有無に関わらず必要な固定仕入額」が存在します。社労士の固定費は例えば、
①    事務所費;借りていれば消費税が掛かります(家賃は非課税です)
②    通信費
③    会計ソフトなど利用料
④    新聞・書籍などの購入購読費(士業は情報が命です)
⑤    交通費・文具等雑費
などです。

固定費仕入額をカバーする売上がないと利益率50%にはなりません。計算例です。

[売上] 80万円 [売上に係る仕入額]40万円 [固定仕入額]20万円
(いずれも税抜き)

原則課税だと納付消費税額は(いずれも税率10%とします)
売上分消費税8万円―(仕入税額4万円+固定仕入額分消費税2万円)=2万円

簡易課税だと、みなし仕入れ率50%なので
売上分消費税8万円×(1-0.5)=4万円

つまり、「原則課税の方が簡易課税よりお得」となります。

私の結論:「簡易課税を選択するか否かは、利益率とみなし仕入率を考慮して選択すべし」

《原則課税の経理処理の手間は考慮すべし》
私のように副業で余力がない場合、経理処理に手間が掛かれば仕事になりません。上記結論は「クラウド会計ソフトを利用すれば集計に苦労しない」前提です。実際どうか?やってみて判断します。

ではまた次回



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