勉強量の少ない戦型の組み合わせ
お久しぶりです。ふと思いついて書いてみたくなったので書きました。
将棋の勉強が好きな人には根本から理解してもらえないかもしれませんが、どの戦型を使うかまだ決めてない、スタイルを変えたい人に向けた記事です。
棋力帯は定跡をある程度使いこなせるようになる初段以上を想定しています。
1.「戦型の組み合わせ」の概要と勉強量
「戦型の組み合わせ」は適当に考えた言葉です。
中身は以下のようなものです。
相掛かり:棒銀
横歩取り:先手番なら青野流、後手番なら3三角
角換わり:腰掛銀
矢倉雁木:雁木
対四間:4五歩早仕掛け
対三間:穴熊
対中飛車:超速
などなど。
つまり「相手の戦型に対し何を採用するか」です。
そして強くなるために必要な勉強量はこの選び方に大きく依存します。
勉強量は大きく「定跡」と「経験」に分けられます。
「定跡」は定跡を覚えることそのものです。
「経験」は「自分の囲いの急所」と「相手の囲いを攻める攻め筋」を身につけることで、対局数を重ねる必要があります。相手と自分の囲いによって決まると言えるでしょう。
そしてその視点で見ると、先述の「戦型の組み合わせ」は勉強量が相当多いことが分かります。
「定跡」:相掛かり棒銀、腰掛銀、青野流、3三角、早仕掛け、超速、対横歩後手番全般(4五角、4四角、相横歩など)などなど
「自分の囲い」:中住まい、角換わり矢倉、雁木、舟囲い、穴熊など
「相手の囲い」:中住まい、角換わり矢倉、美濃、銀冠、振りミレなど
さらにこれだけ勉強しても、KKS、対雁木右四間、向かい飛車、筋違い角などまだ対策していない戦型があります。
その上プロや奨励会員が指す相掛かり、雁木、横歩取り、角換わりは日々アップデートされます。
学生や奨励会員、プロならいざ知らず、普通の大人がこの条件下で棋力を伸ばすのは大変だと思います。やるべきことが多すぎるからです。メジャー戦型の対応で精一杯なので、B級戦法の対応なんかやってられないでしょう。
ならば「勉強量」を減らせる戦型の組み合わせは何か、というのを考察してみたのがこの記事です。
実際のところは定跡を覚えたくない怠け者が自らの怠惰に言い訳をしているだけの文章なのであんまり真剣にとらえないでいただけると嬉しいです。
2.軸となる戦法
以上のことを考えたうえで、戦型の組み合わせを考えていきます。
今回は軸とする戦法を決めて、その隙間を埋めていく構成で考えます。
軸にできる戦法が満たす条件はこんな感じです。
①定跡が整備されていない
②複数の戦型に同じ構えで戦える
③相手の囲いの選択肢が少ない
④アップデートが少ない
⑤教材が存在する
上では書きませんでしたが、⑤がないと自力で研究と実戦を繰り返すことになります。
これらの条件を満たせそうな戦型として以下を思いつきました。
ちなみに「序盤は何指しても大体互角」説から、戦型選択で不利が確定することはないと仮定しています。
a.右四間
角道を止める戦型全てに対応できる上、囲いも左美濃かエルモで良いという破格の条件。教材も多い。ただしややアップデート頻度高め。
b.筋違い角
角交換できれば大抵成立する。自分の囲いも毎回同じで構わない。相手の構えも大体同じ。教材がやや少ない。
c.嬉野流
言わずもがな。相手の囲いについては、しっかり囲われる前に攻められるのであまり関係ない。対振りも全て同じ構えで戦える。
d.相振り
あまり考えたことがなかったが意外と優秀だなと。囲いがお互い金無双、矢倉、美濃くらいしかなく、同じ攻め筋が使いまわせる。教材もそこそこ。
e.ノーマル中飛車(矢倉流含む)
対居飛車の勉強量がおそらく一番少ない振り飛車。
急戦にはもともと強く、穴熊に矢倉流で対処できるならわずかな勉強量で全ての居飛車党を理論上捌ける。新しい教材は少ないが古い棋譜が大量にある。
f.4五桂急戦
ほとんどの対居飛車で使える(対振りも?)
自分も相手も囲ってないに等しく、同じ局面で経験を積みやすい。
(g.対居飛車右玉)
以前は優秀だったが、最近対策などのアップデートが必要になってきてやや大変。
対振りはアップデート不要だが教材が少なすぎる。
ここから組み合わせを考える訳ですが力尽きたので今回はここまで。
気が向いたら続きを書きます。
追記
h.KKS
うっかり忘れてました。居飛車側の選択肢が少ない、アップデートも少ない、教材が多い、とかなり優秀。
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