「『気づき』のある暮らし」/あとがき
私が暮らしの中で楽しんでいる活動は、ネイチャーゲームと呼ばれるアクティビティだ。そして、そのアクティビティを通じて、人々を自然へと誘う仲間を「自然案内人」と私の仲間達はお互いに呼んでいる。ネイチャーゲームは、1979年にアメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネル氏により発表され、その背景には、直接的な自然体験を通して自分を自然の一部ととらえ、生きることのよろこびと自然から得た感動を共有することによって、自らの行動を内側から変化させ、心豊かな生活を送るという「シェアリングネイチャー」の思想がある。
私がこのネイチャーゲームと出会ったのは、1993年の11月のことだ。もうそれから20年以上が過ぎた。その歳月の中で、アメリカにジョセフ・コーネル氏を訪ねて指導を受け、また日本でもお会いし、同じ時を過ごす機会も得た。そして、ネイチャーゲームを通して得た自然体験とその背景にある思想に私は、大きな影響を受けてきた。
ネイチャーゲームのすばらしさは、その直接の自然体験がもたらす心の変化にある。私は、それによって日常感じる自然から多くのインスピレーションを得ている。それを改めて振り返り、多くの人達とわかちあいたいと思いました。なぜなら、体験から得たインスピレーションをわかちあうことで、さらに深め、よろこびを共有し合うことこそシェアリングネイチャーの神髄だからです。
私の体験が、少しでも多くの人の人生を豊かにする切っ掛けとなることが、私自身のさらなるよろこびへと通じているのです。そして、この本が全国にいるネイチャーゲームの仲間達の指導や生き方の何かのヒントになることを願っています。