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移りゆく中で、、、ゲストハウスの変わらぬ魅力

自分にとってのゲストハウスはどんな場なんだろう。。。

思い返すと自分にとってはゲストハウスとの出会いは3回あったな、、、と思っています。

初めて出会ったのは、今から17年前の2004年ごろ。
お客さんとしての出会いです。
大学生だった僕はバックパックを背負って、ドキドキしながら一人で地元の神戸から中国行きの船に乗りこんで、中国と韓国を旅しました。
ゲストハウスやユースホステルに自分で泊まったのはこの時が初めてです。

二つ目は、お客さんを迎える側としての出会い
フランス留学から帰ってきた僕は、大学院の卒業まで大好きなゲストハウスで住み込みで働くことにしました。
京都の五条ゲストハウスというところです。
今から14年前、2007年ごろだったと思います。

最後は、ゲストハウスオーナーとしての出会い
2017年に、当時働いていた農水省を退職し、ついに念願の自分の宿をオープンしました。
浅草橋のLittle Japanという宿です。

僕とゲストハウスとの付き合いは、こんな十数年ぐらいで、ゲストハウスの歴史を語れるほどの長さはありません。

ただ、そんな中でも、いろんな変化があったなと、思うところもあります。
そして、ずっと変わっていないなと思うところも

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帰るときには友達で。

初めての一人旅。
そこで出会ったのがしげさんです。

しげさんとの出会いは正確にはゲストハウスではなくて、中国に行く二泊三日の船内。
隣に寝てた、旅の達人感満載の人でした。

おどおどと話かけたのを覚えています(しげさんは自分が話しかけたって言うけど)。

しげさんは早稲田大学を卒業していて、でも定職にはつかずに本気で歌を歌っていて、時々旅にも出ていました。
僕は大学を卒業したらどこかで働くのが当たり前という小さな世界しか知らなかったので、その生き方も衝撃でした。

日本に帰ってきてからも、大学生のときにいた京都に来てくれるたびに、京都の三条あたりの路上ライブに一緒に行って横で歌ってました。

そんなしげさんの歌で大好きな歌が"Come as a guest, go as a friend"
「来たときにはゲストでも、帰るときには友達」

ホテルに泊まって、スタッフさんや他の宿泊客とは仲良くなるなんて、考えたこともなかった当時の自分。
ゲストハウスに泊まって、自然と友達になっているのが、とても新鮮で。
他の宿にはないゲストハウスの変わらぬ魅力だなと思っています。

国籍も、人種も、年齢も、セクシャリティも、社会的な地位も、みんなバラバラの人たちが、一つ屋根の空間にごちゃ混ぜに集まって、友達になる空間、他にはないのではないでしょうか。

僕にとっては、その一つ一つの出会いが、これまでの小さな小さな世界を広げてくれて、新しい世界と出会わせてくれました。
それが僕にとってのゲストハウス
です。

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しげさん、カッコいい

安いのは悪いこと?

五条ゲストハウスで働いていた時のオーナーのエイジさんが言っていて、すごく覚えているのが、「みちおちゃん、俺は安く泊まってもらいたいんや」という言葉。

「だってな、長く旅するときとかさ、そんな高かったら嫌やん。困るやん。お金ない人もいるんやし。自分が泊まるときだってそうやろ?だから、俺は綺麗にするよりも、安くしたいねん」
みたいな感じのことを、いつも通り酔っ払って語ってました。

特に経営をする側になると、泊まってくれるなら高くしたい、と思ってしまいがちです。
設備をよくしたり付加価値をつけて客単価を上げたいなと。

僕は安いことは悪いことだと思っていません。
そして、必要以上に安くする必要もないと思っています。

ゲストが気持ちよく泊まれて、宿も気持ち良く場をつくれる、ちょうど心地の良いぐらいの感じが、当時はあったと思っています。
ここは少し変わったのかな、と思うこともあります。
当時の心地よさを、ゆったりとした空気感を、つくっていけたらいいなと思っています。

ちなみに当時の五条ゲストハウスは勤務中も生ビールOK、タバコ吸い放題。自分含めて、そんな感じでお客さんを迎えてました。

ここは時代の変化で、Little Japanは禁煙にしました。
生ビールを勤務中飲んでOKは継続中してますが、やってるのを見かけないですね、、、時代の変化か。。。

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エイジさんの写真はないので、

現オーナーで同じ時期に住み込みしてた中西くん

ゲストハウスは変わったの?

バックパックを背負った人だったのが、スーツケースの人になったり、
二段ベッドだったのがカプセルっぽくなっていたり。

確かに、ゲストハウスに来るお客さんだったり、内装だったりは変わったなと思うこともあります。

旅人向けというより地域活性化が目的の宿もあったり、
ネット予約が増えて、偶然の出会い感が減ったり、
オシャレで綺麗な宿も増えました。

しげさんは学校の先生をしてて子供もいるし、
五条ゲストハウスは中西くんがオーナーになっているし。

2004年にゲストハウスと出会ってからいろいろと変わったこともありました。

でも、大切なところはずっと変わらず、残っていると思っています。

それは、例えゲストハウスに来る人が、旅人ではなくて、バックパックを背負っていなくても、国籍も、人種も、年齢も、セクシャリティも、社会的な地位も関係なく、出会うことができる場、帰るときには友達になれる場であること。

それが僕にとってのゲストハウスで、Little Japanは変わらずそんな場所でいたいと思っています。

そして、願わくば、その一つ一つの出会いが、当時の僕のような誰かにとっての世界を広げるような場になっていたり、あるいは安心して帰って来れる場になっていたりしたら嬉しいなと思っています。

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