スケジュール表と譜面は似ている?

Webディレクターの業務、スケジュール作り

Webディレクターの重要な業務のひとつがスケジュール作り。関係者みんながスムーズに作業を進められるようなスケジュールを目指しましょう。

スケジュール作りにはまずカレンダー

Webディレクターの業務に欠かせないツールはさまざまですが、何があっても手放せない基本ツールの1つがカレンダーだと思います。スケジュールを立てる際これがないと何もできません。曜日と祝日の確認用です。

ガントチャートの横列に日付と曜日を埋め、縦の列にはタスクを入れていきます。この洗い出し度合が、スケジュール表の良し悪しをかなり左右します。大まかすぎると、具体的に何をするのかがつかめない。かといって細かすぎると管理がしにくくなることもあります。

案件でいつものようにスケジュール表を作りました。タスクも日付も流れもまあまあ埋められ、見た目も整いました。これを眺めていると、ふとピアノの譜面が思い浮かびました。横に線が伸びている、左から右に流れる…。なにか似ているような。
ちなみに私はピアノをかれこれ30年以上はやっています。Webディレクター歴より長い年月です。

上は華やか、下には重要な支え

ピアノの譜面はおおよそ両腕で弾けるように書かれています。2人で演奏する連弾や2台ピアノの4手用もあります。右手が担当する高い音がメロディ、左手が担当する低い音が伴奏です。曲の内容でこの限りではありませんが、だいたいこのような役割分担です。

譜面にも役割通り、演奏時によく聞こえる高い音のメロディは譜面の一番上、その下で音の厚みを与える中声部は真ん中のあたり、音楽の下支えをするバス音は譜面の一番下に書かれます。さらに役割によってよく使われる音の長さも異なります。メロディは指をどうやって動かしているのかわからないほどの細かな音もあればゆったりと歌い上げる長めの音も。反対にバス声部は下支えとして長めの音。細かく刻む場合もありますが、メロディほど自由闊達には動きません。

Webディレクターの作るスケジュールも、だいたいの場合で上側に書かれるのがデザインなどの華やかな表示要素、下に向かっていくと、Webの表示画面からは見えないけれどサイト表示を支えるコーディングやシステム要素が配置されているのではないでしょうか。

案件進行も演奏も、もつれないように

スケジュール表も譜面も、上と下で書かれるものの役割がある。その役割に似つかわしくない動きをしている内容が書かれていたら…、ピアノの場合は演奏至難です。そういう譜面はぱっと見ただけの段階でも難曲感を醸し出しています。弾けるようになるまでに苦労することが予見できます。指がもつれ、なかなかスムーズに弾けません。

同じように、ざっと見た感触でも違和感がある、ぱっと見た印象がどうもしっくりとこないWeb開発のスケジュール表が出来たとしたら、これは本当にうまくいくのかと疑ってみる必要もあるかもしれません。机上ではなんとか収まっているように見えるけれど、無理に動かすと実際にはスタックしたり、タスクがもつれて混乱を招いてしまう可能性もあります。このような状況になる前に、実行する前のスケジュール作成の段階で気づくことができれば、急がば回れであっても、結果はこちらのほうがいいはずです。さらに、スケジュール表上で無理な計画なことが明白であれば、勇気をもって納期の見直しも必要になりますね。

Webサイトの制作・開発スケジュールも、ピアノ演奏のどちらも、スムーズに流れると気分も良く、やってよかったと思います。円滑な進行のためには両方とも準備が大切です。先を見越して準備するのが求められる活動ということにも共通点がありそうです。

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