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開催内容 2023年 11月25日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。
今日はいい天気でしたね。陽にあたると清々しい気持ちになりますが、日陰に入ると冷たい空気を感じて気分は一気に引き締まり、やはり冬だなぁと思います。
よく「来年は~」みたいな話がでるので、気分はもう年末ですよね。

今回は世界情勢から見る歴史の話だったり人の社会性から始まる社会貢献の話だったり、小説、絵本といつもようにたくさんのジャンルが紹介されました。

ちょっと前にあるミュージシャンが、コンサートで「歌よりトークをしたい」と言ったところ、ファンからは「歌を聞きたい」となったトラブルがネットニュースになっていました。
しかし、それに対して「歌よりもトーク」が売りっていうミュージシャンがいたりします。
その代表的な方が「さだまさし」さんです。

さだのはなし

さだまさしさんのコンサートでのトークだけを集めて書籍化したステージトーク集。歌手なのにトークだけがまとめられているのは凄いですよねw
2011年の本なので、話題としては古い話ばかりで今だとコンプライアンス的にひっかりそうな話もありますがw
話の構成とか見事です。ちょっとした落語のようです。You Tubeとかでも音声のトーク集がたくさんあって聞いてみるとやっぱり面白い。立板に水、話す声も良い、なにしろ本人が「機嫌よく話している」様がすごく心地よいんですね。なんだか元気が出てきます。
もちろん歌も素晴らしい方ですし、一度コンサートに言ってみたくなりました。
この本にも乗っていたエピソード「妖怪かっ飛びジジィ


ペロのおしごと

思わず表紙買いしてしまった絵本です。
違和感ありませんか?このワンちゃん。ベルトの位置w。
お話は、日頃世話になっているお母さん(人間)が欲しそうにアクセサリーを眺めているのを見て、お母さんにアクセサリーを買ってあげようと思います。そのためにはお金が必要です。ペロは4足歩行だったのを立ち上がりベルトを締めて気合をいれます。そして仕事を探しに街へと出ます。
しかし、ペロは失敗ばかりでなかなか仕事が決まりません。
さてはてペロはお金稼いでプレゼントは買えるのでしょうか?
ストーリーは単純なんですが、仕事の大変さだったり、人のために頑張ること、失敗してもまた次にチャンジしてみることなど色んな学びがある絵本です。
そのペロがまた出てくるお話があります。

おさるちゃんのおしごと

ペロの親友のおさるちゃんの仕事はマッサージ。
休みを取って故郷の山に帰ってみんなに仕事で覚えたマッサージを施します。こちらは人を労ることが描かれているやさしい物語です。
こちらではペロは有能だったります。おお、前作を経て、ペロが成長していることかw


移民の子どもの隣に座る

新聞記者をされている著者が10年続けている大阪の島之内にある学習支援のボランティアで経験をまとめたものです。
島之内は「ミナミ」という歓楽街が近くにあるため水商売で働く海外の方々たくさん住んでいるそうで、学習支援教室に通ってくる子供たちの生まれはそれぞれ。言葉の壁や文化の壁、貧困も加えて「しんどい」状況の子供たちと接してきた話は様々な問題があって一括りにはできないものばかり。さらに著者はイギリスに留学し、イギリスでのボランティアも経験して移民問題に向き合っています。
僕自身、児童福祉のボランティア経験があるのですが、この方は凄いですね。
この著者はこの読書会の会場の一つ「水野ゼミの本屋」の書店主の一人でもあります。
今度12/2(土)にこの本で読書会があるそうです。この本を未読でも参加できるそうなので、著者も来られるのでもし機会があえば参加してみてください。「しんどい」状況の子供たちの話は本当に色々考えさせられます。
読書会概要は↓↓↓


死にたいって誰かに話したかった

小説です。最近「生きづらさ」というワードってよく聞くんですが、実際に色々空回りしている主人公の奈月。
奈月は悩みを共有できる人がいないか、「生きづらさを克服しようの会」を勝手に発足。
自身の話をすることで、自身を振り返る機会を得て、他人のせいにしてしまっている自分がいたりすることに気づきます。そして改善をしていこうとします。しかし、変わりきれないのも人間です。それをどう受け止めて前進していくのかを描かれています。
紹介者はこの作品が良かったので、作者の過去作品まで遡って読んでいったそうなのですが、過去作品と作者の人生とがリンクしていってこの作品が出来上がっている事に感心したそうです。


お次は人権や尊厳や倫理観について巡らせた3冊を紹介してくださいました。
人権と国家 理念の力と国際政治の現実

国連が定めた世界人権宣言がそうですが、人権の保障が世界平和の基礎であるという考え方が主流となっています。日本では第二次世界大戦後、日本国憲法の制定によって基本的人権が明文化されました。
しかし、国々によって人権というものは解釈は違うものだったりします。平等も国によって変わってくるというわけです。
どのような理念も自国の理念が正当だとして多くの国が反対しても爆撃を行う国があり、世界はそれを止められない。
それは国々による自立した価値観なわけですが、他国の人権の扱い方には口を出せない、逆に出してもらったら困るというものです。
ジレンマですねー。さてはて、人権について考えいくと・・・
そして、次の本を紹介してくださりました。

尊厳: その歴史と意味

「尊厳」は人権言説の中心にある哲学的な難問であり、概念のお話で簡単に話せるものではないのですが、いくつかの事例をあげて「尊厳という概念」について考えている本です。
近年というべきかわかりませんが、歴史的にはホロコーストを経た1940年代のドイツ基本法(憲法)と国連の世界人間宣言において、尊厳の概念は重要な役割を果たしています。
哲学史的・思想史的理解を深め、そこから現代的諸問題に実益ある指針のヒントになるかもしれません。
そして、3冊目の紹介してくださいました。
テロ

上記2冊を踏まえて実例のような小説です。
ドイツ上空で旅客機がハイジャック。テロリストがサッカースタジアムに旅客機を墜落させ、7万人の観客を殺害しようと目論んだ。しかし空軍少佐が独断で旅客機を撃墜。
はたして、乗客164人を殺して7万人を救った彼は英雄か? 犯罪者か?
この作品、有罪と無罪のふたとおりの結末が用意されているとのこと。
トロッコ問題をスケールアップしたようなお話ですが、難しすぎるお題ですね。みなさんでしたらどっちにします?


社会的処方: 孤立という病を地域のつながりで治す方法

「孤独」というのは人としての大変な問題ですが、社会問題として「孤立」がというものがあります。それは人のつながりで地域で取り組む問題とし、より良く暮らせそうと説いている本です。
ケアのできる専門職と地域のサークル活動などの地域資源の橋渡しをする役割を「リンクワーカー」という職業は海外ではあるそうですが、日本では実現していません。
環境が人をつくるのか、人が環境をつくるのか。どちらが正解かはケースバイケースなのだと思うのですが、老若男女に誰にでも孤立って起こりうるのでこういう本で備えておくのは大切なことかなと思います。
地域のコミュニケーションで孤立を防ぐテーマでもう一冊紹介してくださいました。

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある

徳島県南部の太平洋沿いにある小さな町、海部町(かいふちょう)(現海陽町)は「自殺“最”希少地域」であるそうで、その訳を調査しているほんです。
何年も通ってフィールドワーク。仮説を立ててアンケートやインタビュー、そして条件の近い所(隣町など)や全国的なデータと比較して自説を立てています。
コミュニティと住民気質に鍵のようで、コミュニティと住民気質に鍵だそうで、多様性を許容、人物本位リーダーを選ぶ、どうせ自分なんてと考えない、困り事を抱え込まない、ゆるやかにつながる。
などの特徴があるそうです。
その環境を自身の周りに作るのは難しいかもですが、それらのような気持ちや気構えをもつのに参考にかもしれません。


おひとりさまの逆襲

社会学者の上野千鶴子さんと介護関連のサービスやNPO法人を立てあげている小島 美里さんとの対談をまとめたものです。
孤独死や介護問題を取り上げています。
実際に団塊の世代、そのジュニア世代が高齢化社会で深刻化するのは分かっていますからね。
題名では「おひとりさま」と一人で頑張る話のように思いますが、自立してこその助け合いってことなんですかねー
こういう話は今のうちから考えておくべきかもしれませんw

小野寺の弟・小野寺の姉

早くに両親を亡くした姉弟は、20年以上も古い一軒家で穏やかに一緒に暮らしています。弟は以前の彼女と分かれてから恋に臆病に、姉は母親代わりとなっていますが、内申では自身のない女性。
ある日、誤配達で届いた手紙を二人で正しい住所へと届けます。そこからちょっとした縁ができていきます。
兄弟あるあるの日常などがおかしく描かれていて、共感するところや思わず笑ってしまうようなシーンがあるそうです。
映画化もされているんですね。今だとHuluとかで観れるみたいですね。
予告編観てみたら面白そうな作品ですよ。


こちら3冊は今、戦争でニュースとかなってますけど、遠い土地の話。
やはり歴史を知っていないとで因果関係が分からなかったりするんですが、それを読み解く本を紹介いただきました。
アラブが見た十字軍

世界史の授業でもよく聞いた十字軍。
本書では攻め込まれたラブ・イスラム教徒の観点からでの歴史を取り上げています。
西ヨーロッパのキリスト教徒が起こした異教徒討伐の遠征。 聖地エルサレムの回復を目的としていますが、逆に見ると侵略戦争になってりします。
中世西洋とは文化レベルは比べものにならず、人数では圧倒的に勝り、地の利もあるイスラム勢力は中小の豪族が群雄割拠しており、互いに利害は一致しなかったために最終的には押されてしまう形になります。
この時代の遺恨が現代でも残っているわけですが、戦争により文化が交流されたという実績があることに皮肉さも感じますね。

ユダヤ人の起源

ユダヤ人ってユダヤ国があったからユダヤ人というわけではなく、ユダヤ教、その伝統や文化を堅持している人たちのことで、民族や血統があるわけでもなく、日本人からすると見た目とかでは判断がつきません。
それがどう今に繋がっているのかを記した本書。
現代のニュースになっている紛争は単純にユダヤとイスラムというわけではなかったりするので、本書で今の紛争の全容が見えてくるわけではありませんが、ユダヤ人がどういうものかを把握するには良い本です。


イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

上記二冊は専門的に解説してしてくれていますが、本書では帯に書いてあるとおり入門編と位置づけになる本とのことで、題名の通り、やっかいですねw
イスラエルとパレスチナ問題は歴史から掘り起こしてみていると、どっちが間違いとかいう話ではなくホントに正解がでないんですよね。
ところで、今や世界のトップニュースに入らなない日はないくらいですが、人口1000万に満たない国なんですね。あら凄い。

まぐわう神々

宗教間での争いばかりの話が続いたので、また違った視点でちょっとした教養として出してくださった本w
遺産や祭事を訪ね歩き、神話や宗教における「性」について民俗学の解説本です。
卑猥なものとして、あまり表立って出せないですが、たまありますよね、男性器とかを祀っているお祭りとか。事実、人間の生活や文化発展には欠かせないものですし、古くからの豊穣と繁栄を紐解くには誰かが残していくべき文化だったりします。


以上が今回紹介された作品でした。

拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。

ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw

次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。

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