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©カイト🪁
2023年4月16日 04:29
数年前に取り壊されてしまった為、私の生家はもうない。家賃3万5000円、物で溢れかえったぼろっぼろの借家は、典型的な貧乏家庭のそれ。屋根裏を鼠が走り、窓ガラスの向こうをヤモリが這う。そんな家でも好きなスペースがあった。色とりどりのコーヒーカップ達が並んだ、サイドボードの中だ。(使われているところを見たことはない。)その中に、ひときわ小さな紺色のカップがあった。今思えばエスプ