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シェアが建設した診療所のその後は…?!一人の看護師と歩んだ2年間

こんにちは、シェアスタッフのフレリアです。
東ティモールは新型コロナウイルス感染症の症例数が減少傾向にあります。
日本はいかがでしょうか?

3月25日には入国制限が解除されました。
いつか是非東ティモールに遊びに来てください!

さて、今月はディリ県メティナロ郡ベサヘ集落に建設した診療所のその後についてお伝えします。
ベサヘ診療所はシェアの活動の一環として建設され、2019年10月に完成しました。

診察を待つ母親たちに健康教育を行うフレリア

看護師は妊産婦健診をしない?!

診療所は、建設の完了したのちメティナロ保健センターの管轄となりました。保健センター長は一人の看護師を診療所に派遣しました。

看護師の名前はオクタビオさん。彼は、診療所完成から2021年までの間、月曜日~金曜日の8:30~12:00までを診療所で勤務していました。
保健センターの人材不足もあり、毎日午後には保健センターに戻って診療のサポートを行っていました。

診療所の一般的な業務は、診察、血圧測定、軽い傷の処置、薬の処方、分娩、産前・産後健診、予防接種、保健教育などです。
ところが、オクタビオさんは、配属されて間もない頃、看護師も担う予防接種や妊産婦健診の業務を「これは助産師がする仕事だ」と言って避けていました。この言葉を聞いたとき、私は同じ看護師として、とてもショックを受けました。

血圧測定を行うオクタビオさん(左)

保健センターでさえも予防接種や妊産婦健診は、助産師がするべき業務と捉えていました。そのため、今までやっていなかったことを「業務の一つだからやってください」と言われても、出来るようになるわけがありません。
シェアは、少しずつでも変化してもらえれば良いなと思い、サポートをすることにしました。

保健センターの助産師と共に

まずはオクタビオさんとシェアで小さな会議を開きました。
オクタビオさんに、「現状についてどう思っているか?」、また、「どのような技術を持っているか?」の確認から始めました。
話し合いを重ねていく内に、オクタビオさんは予防接種と妊産婦健診を行うことに同意してくれ、サポートを開始しました。

シェアからのサポートだけではなく、保健センターから母子保健プログラム責任者のキテリアさん助産師のサンドラさん協力してもらいました。
彼女らからオクタビオさんへ、注射の打ち方、予防接種後の記録の書き方、ワクチンの管理方法、健診の際の注意点、母子手帳の書き方などの指導を行ってもらいました。

助産師サンドラさんから予防接種の管理方法について指導を受けているオクタビオさん

シェア週に2回オクタビオさんを訪問し、困った点はないか、指導後のオクタビオさんの様子をフォローアップし、解決策の話し合いなどを行いました。

1年間のサポートでオクタビオさんのスキルはみるみる上達し、2020年の後半には予防接種も、妊産婦健診もできる看護師となりました。

診療活動だけでなく、施設の維持管理も積極的に行い、ペンキ塗り替え、手洗いバケツの交換などを保健センター長と協力して行っていました。
一人で診療所を切り盛りするのは大変なことですが、責任感を持って対応している様子が印象的でした。

妊産婦健診を行えるようになったオクタビオさん!

2年間の診療所勤務を終えたオクタビオさん~診療所のいま

2021年10月、ベサヘ診療所には医師1名、看護師1名、助産師1名、公衆衛生担当スタッフ1名の計4名が新しく配属されることになりました。
オクタビオさんも約2年間の診療所勤務を終え、保健センター勤務に戻ることになりました。新任の職員もオクタビオさんのように意識を持って仕事に取り組み始めています。

勤務場所は変わりましたが、シェアとオクタビオさんとの繋がりは今も続いています。オクタビオさんは毎月実施されている移動診療(SISCa)において、子どもへの予防接種を実施しています。

また、現在もベサヘ診療所の調整員として活躍しています。
診療所で何か問題を見つけた際(電気配線の故障や雨漏り、物品の不足など)は、オクタビオさんが責任者となって問題解決を行っています。

移動診療(SISCa)で子どもへの予防接種を行うオクタビオさん!

診療所が建設され、人材不足や医療者のサービス提供能力の不足などいろいろな問題がありましたが、一つずつ解決し、ここまで来ています。
住民が安心してサービスを受けられるように、私たちは地域の医療者と共にこれからも歩みを続けます。

感想がありましたら是非コメントをくださると嬉しいです(笑)。
またお会いしましょう~!


※この事業は、皆さまからのご寄付と、外務省日本NGO連携無償資金協力や民間助成金の資金をいただいて実施しています。
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シェアは20年にわたり、東ティモールで保健ボランティアの育成や保健教育の普及などに取り組んできました。新型コロナを含んだ感染症の予防対策や、現地の人々の健康で平和な暮らしのためには、継続した活動が必要です。皆さまからの温かいご支援に感謝いたします。

*応援よろしくお願いいたします*
東ティモール事業支援

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フレリア

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