見出し画像

会社の代表が大学院に通って自分自身の「一速ギア」を上げた話(第2話)

こんにちは、ISSOKU GEARの運営母体である株式会社洒落代表のトヨタです。

前回の記事では、私が自身の「バージョンアップ」を決意したきっかけについてお話ししました。

今回は、その決意から実際に大学院進学を検討し始めたときに感じた「不安と葛藤」について、そして実際に取った行動についてお話しします。


経営者であり、母であり、さらに学生になれるのか?

「本当に私にできるのかな?」

これは、大学院への進学を検討しはじめたときに何度も自問したことです。
私は現在小さいながらも会社を経営していて、その責任を放棄することはできません。
また、小さい子どもを育てている母親として、育児にも時間とエネルギーをもっていかれる現状です。
そんな中で、新たに「学生」という役割を加えることが果たして可能なのか、大きな不安がありました。

特に心配だったのは「時間の確保」です。
経営者として、毎日の業務や決断に追われる中で、学習にどれだけの時間を割くことができるのか、そもそも社会人大学生になった際に、どれぐらいの時間が必要なのか、まったく見当がつきませんでした。
「学ぶ」という行為を生活の中にどのように組み込むかが、最大の不安であり課題でした。

学ぶ分野の選択:MBAか研究か?

さらに、進学先で何を学ぶのかについても大きな葛藤がありました。MBAの取得を目指すべきか、それとも一つの分野を深く研究するべきか。この選択肢においても、私の思考は二つに分かれていました。

経営者として経営学や技術部門のマネジメント領域の知識を深める(つまりMBAの取得)ことは、実務に直結する大きな価値があると感じていました。
しかし同時に、私の中には「研究分野」に対する興味もありました。
学術的なアプローチで課題を俯瞰し、マクロとミクロの視点を行き来しながら問題解決に取り組むことで、より深い理解と実行力を身につけたいと考えていました。

この時点で感じていたのは、自分のメタ認知を高めることで、経営者としての視野を広げたいという学びへの欲求でした。

金銭的な不安:学費と時間の両立

学費についても知識がなく、不安でした。大学院進学にかかる費用はどれぐらいなのか、そしてそのための資金をどのように確保するのか。さらに、経営者としての時間の捻出が可能なのかと考えると、不安はさらに大きくなりました。

正直なところ、「とにかく入ると決めて学費を支払っても、そもそも時間の確保ができるのか?」という疑問が大きく、お金のことも大事だけど、時間の捻出ができるのかを実証する必要があると感じました。

実際にやったこと:まずは情報収集とインタビュー

こうした不安を抱えた私は、まず「やれることから始めよう」と考え、情報収集を行いました。

1、ネットでの情報収集

まずはインターネットを活用して、大学院に通うための具体的な費用を調べました。
入学金や授業料の違い、国公立と私立の違い、そしてどの大学院が私の目的に最も合っているのかについて、徹底的にリサーチしました。

さらに、大学院進学の目的を明確にするために、自分が何を学びたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかについて深く考えました。

2、経験者にインタビュー

次に、実際に社会人で大学院に通った経験を持つ人たちにインタビューを行いました。
MBAを取得した人、研究分野に進んだ人、さまざまなバックグラウンドを持つ人々の話を聞くことで、自分の進むべき道についての理解を深めました。

複数人にインタビューしましたが、印象的だったのは、それぞれが別な方向性でアドバイスをくれたこと。
「社会人が大学院で学ぶ最大の財産は、仲間ができること。だから志向性にあった大学院を選ぶべき」
コスパが大事だし、自分が行った国立大学なら費用を抑えて高いレベルの仲間ができるからおすすめ」
「従事する先生が大事。研究室訪問をした上で、大学院を決めるべき
などなど。
「なるほど」と思う反面、正直自分が志望校検討の一歩にも立てていないようにも感じました。

3、 内省と情報の整理

こうして集めた情報を元に、自分自身と向き合い、方向性を整理する時間を取りました。しかし、いくら情報を集めても、自分が本当に求めているものが何なのかが見えてきませんでした。MBA取得は理にかなっているように思えましたが、なぜか心が動かないのです。

そんなとき、「科目等履修生制度」という制度を知り、新たな選択肢が生まれました。これなら、志望校を決定する前にまず一歩を踏み出し、意思決定に向けた検討すべきポイントを洗い出せるかもしれないと思いました。

科目等履修生制度とは:大学・大学院の正規課程の科目を、正規入学せず、科目単位で履修できるという制度です。その科目に関しては正規学生と同様にテストも受けられ、単位も与えられます。まずは1科目だけ、科目等履修生制度で学び始めてみることもOKという大学・大学院も多数。

スタディサプリより

学ぶという環境を作る:新たな挑戦の始まり

私は、継続して「学ぶ」環境をつくるために、自分の学びたい方向性があやふやなままで決断せず、意思決定ができる状態まで不安を解消する道を選びました。
最大の不安ポイントである「時間の確保」が実際にできるのかを、科目等履修生の制度を活用して検証し、そこで確証がもてたら、「具体的にどの大学院で、どの先生から、何を学ぶのか」「何を研究し、どんなアウトプットを出すのか」を表明しようと考えました。

仕事をしながら、学生として新たな知識を吸収し続けることは簡単ではないと感じています。しかし、この「学び」を日常に取り入れることで、私自身の「一速ギア」を上げていくことができるはずである、と確信をしています。

次回は、実際に大学院に通い始めてからの挑戦や、そこで得た学びについてお話しします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?