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【遊戯王マスターデュエル】《倶利伽羅天童》入り誘発メタビート (2023年9月版)

メタビートから見た現在の環境

じつは8月分のメタビート記事も途中まで書いていたのだが、ボーッとしていたらいつの間にか9月になり、さらにピュアリィと御巫が追加&ティアラメンツが弱体化したことで、泣く泣くお蔵入りになった。

供養として8月分のリストを載せておく
フェリジットの枠はガルーラ(再掲)

【メタビート】にとってきついのは、ピュアリィが追加されたことよりも【ラビュリンス】が増えたことである。基本的に同じような罠デッキではあるが、展開力も破壊力も全然違うので、先手を取って特殊召喚を封じない限り厳しい。

それ以上に厳しいのが、【御巫】の追加である。【ラビュリンス】はまだなんとかなるが、【御巫】はすべてのギミックが【メタビート】に不利なことしか書いていない。

ここ最近《神風のバリア -エア・フォース-》のようなバウンスカードは、特にクシャトリラ系に刺さらないのであまり採用されない傾向にあるが、対象を取らずに破壊じゃないモンスター処理は貴重なので、今後また使われるようになるかもしれない。

昨今のメタビート事情について

そもそも何をもって【メタビート】とするのか。

一般的に遊戯王における【メタビート】は、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《インスペクト・ボーダー》のような、いわゆるシステムモンスターで相手の特殊召喚や効果発動を阻害しつつ、魔法や罠で妨害しまくっていつの間にか勝つ、というのを基本戦術としている。「罠が弱くなった」と言われる昨今において罠を多用するため、【罠ビート】と呼ばれることもある。

マスターデュエルの初期環境(2022年初頭)では、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》《インスペクト・ボーダー》《閃光の追放者》の全部乗せみたいなデッキが多かったが、ここしばらくの環境では特殊召喚を封じるタイプ(結界像型)と、相手の効果発動を封じるタイプ(ボーダー型)に分かれていたように思う。

しかし2023年9月現在、【メタビート】のマスター1達成リストを見ると、《インスペクト・ボーダー》単独採用型はほとんどいない。代わりに、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》と《業火の結界像》両採用の特殊召喚メタ型のみが生きながらえているという印象である。パキケファロだけでなく結界像もフル投入されがちなのは、それだけ特殊召喚封じの持つ価値が上がってきていることに加え、《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》で戦闘から守れるようになったのも大きいのだろう。

結界像シリーズの中から《業火の結界像》が採用されているのは、現環境を意識してのことである。マスターデュエルの場合、《烈風の結界像》が禁止されているのと、闇と光はそもそも環境に多すぎるので、実質的に取れる選択肢は《豪雨の結界像》と《干ばつの結界像》、あるいは《業火の結界像》となる。

これまでは《神・スライム》や《スケープ・ゴート》との相性の良さが評価され、《豪雨の結界像》と《干ばつの結界像》の採用が多く、逆にシナジーを生みにくい《業火の結界像》は《フォッシル・ダイナ パキケファロ》の単なる劣化とみなされ、優先順位は高くなかった。

だが《クシャトリラ・フェンリル》などの登場により《干ばつの結界像》が使いにくくなり、水属性の特殊召喚も【ティアラメンツ】系統の展開を許すので、「4枚目以降のパキケファロ」として《業火の結界像》にお鉢が回ってきたといえる(とはいっても、特に《豪雨の結界像》は普通にまだまだやれそうではあるが)。

また、もう1つの潮流として「誘発型」が結果を残しつつあることにも触れたい。もともと【メタビート】と言えば、ドローソースを大量に入れることで、大してシナジーのないデッキをなんとかやりくりするものであった。

その中でもキーカードとなっていたのが《命削りの宝札》だ。ターン終了時に手札をすべて捨てるというデメリットはあるものの、3枚ドローという破格の効果があり、油断しているとすぐにリソース切れを起こす【メタビート】においては重要な存在であった。

逆に言うと、このカードを採用していたからこそ、「手札になければ効果が発揮できない」誘発モンスターをデッキに入れにくく、せいぜい自主的に捨てられる《増殖するG》か、(墓地に何も落ちていなければ)自主的に発動できる《ティメンション・アトラクター》ぐらいしか採用できなかったわけである。

では《命削りの宝札》の採用を見送ってまで、誘発モンスターを入れるメリットはあるのかという話になるが、自分は「ある」と思っている。【ティアラメンツ】一強が瓦解して以降、想定される相手の先行展開のパターンが増え、いわゆる「後手まくりカード」だけでは対応しきれなくなっているからだ。他のデッキタイプではこれまでずっとやってきたことだが、「後手でも相手の展開を全力で阻止する」という戦略を、ようやく【メタビート】も取り入れるようになったというわけである。

もちろん命削り型もまだまだやれるし、実際に結果を出している構築はあるので、ここは好みによるかもしれない。

現在のデッキ構成

前置きが長くなったが、現在のデッキ構成を晒す。

《倶利伽羅天童》ニート説はある
《紅陽鳥》はガルーラ

見る人が見ればわかると思うが、基本的な構築はkodaiさんの型を踏襲している(詳しくは下記の動画参照)。

違いとしては、

  1. 《粘糸壊獣クモグス》でなく《倶利伽羅天童》を採用していること

  2. クシャトリラ要素を入れていないこと

  3. 《センサー万別》を採用していること

といったところだろうか。

1はどちらも【ピュアリィ】意識の採用だが、クモグスと違い倶利伽羅はほぼピンポイントのメタなので、汎用性を意識するなら正直クモグスのほうが圧倒的に使いやすい。

ただ倶利伽羅にも一応メリットはある。天使族なので《群雄割拠》があっても出せたり、自分フィールドに出るのでそのまま戦力になったり、《ノーマテリア》のようなカードを経由しなくても《スモールワールド》から引っ張ってこれたりする(=デッキの枠が1つ空く)。最悪でも《スモールワールド》を使えば好きなモンスターに変換できると考えれば、一応採用の余地はある。あとイラストが可愛い。ほぼニートだが。

2については、クシャトリラセットを採用しないことで《強欲で謙虚な壺》が使いやすくなるのに加え、すでに場にモンスターがいる状態でのクシャトリラを引くリスク避けを意識している。たしかに《クシャトリラ・フェンリル》は単独でも強いのに加え、1ターン目で《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》から展開したり、《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》にアクセスしたりすることで、結界像たちを戦闘破壊から守れるようになるが、破壊防止なら《決戦のゴルゴンダ》でいいんじゃないかということだ。

遊戯王で「破壊」という表記が弱くなってもうしばらく経つが、古代のデッキである【メタビート】は相変わらずあらゆる破壊に弱いので、ゴルゴンダがあるとないとでは、デッキの安定感がかなり変わってくる。バックも守れるから《ハーピィの羽根帚》みたいなカードは当然として、【ラビュリンス】の持つ破壊ギミックにもある程度強く出れるようになる。

3は、現環境における《センサー万別》の刺さりがえげつないことになっているので入れた。これがあるだけで主流の大体のデッキは動きが抑制されるし、《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》と組み合わせれば強制的に(そして圧倒的有利な)タイマン勝負に持ち込めるようになる。

モンスターである以上、結界像やパキケの持つ特殊召喚封じの信頼性はあまり高くない。《無限泡影》や《冥王結界波》のようなカードを使われれば、いつでも突破される危険性がある。それと比べると、《センサー万別》のようなバックを除去する手段は限られているし、《決戦のゴルゴンダ》があれば破壊からは守れるので比較的安心できる。【ティアラメンツ】全盛期は《王家の眠る谷-ネクロバレー》が最強の置き札だったが、現環境は《センサー万別》のほうが刺さっているかもしれない。

あと、あまり【メタビート】では採用されていないカードだが、自分は《抹殺の指名者》を採用している。【メタビート】を使っていて嫌なのは、まちがいなく《灰流うらら》と《無限泡影》だ。この両方を1ターン目から防ぐことができるのは、カウンター罠にはない強みだし、誘発型のメタビートを使うメリットの1つだと思う。


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