見出し画像

子が生まれた

先日、第1子が生まれました。すごい可愛さです。こんなに可愛いとは聞いていなかったです。可愛いという言葉が生まれる前から、人類は赤ちゃんの可愛さを感じ取ってここまで生きながらえてきたのだろうと思います。文化とか社会が立ち入らない、根源的な可愛いという魅力。これは素晴らしいものです。

私は常々、子を欲しいと思っていたタイプではないのですが、子を欲しくなったのには理由があります。妻と一緒に暮らしてみるとそれはそれは楽しく、基本的にずっと楽しかった人生がとんでもなく楽しくなってしまい、となるともっと楽しくしてみたくなった、ということです。やっぱり楽しければ楽しいほど良いと思うので。これが1番大きい理由です。何よりも娘が楽しく過ごせるように生きよう、というデカい目標もできました。

それともう1つ。できる限り、様々な感情に触れたいという理由です。親になることで知る感情を知りたいのです。これは職業柄、そう思ってしまうのかもしれません。子との関係に悩む親、父との関係に悩む娘、そんな人々を診療場面に出会います。しかし今までの自分はその心情を想像することしかできなかったわけです。子を持ったことで全能になるなんてことはないですが、その想像を現実に近づけることはできるはずです。

精神科医の松木邦裕は「現代精神分析基礎講座」という本の中で、「自らが触れることができたこころの深みまでしか、他者は理解できない」と記載していました、精神科診療に必要な「自分自身の思いを重ねて聴く」という技術は、本当の体験からしか得られないのです。子を育てるうえで直面する負の感情やネガティブな思いもまた、それに触れることで何かをもたらすはずです。子や妻に寄り添い、皆が苦しまず生きる方法を考えることにもきっと繋がっていくと思います。

今の時代、複雑な感情や貴重な経験に出会うことは映画や本、演劇や音楽でも可能なはずです。「ポップカルチャーは裏切らない」とまで掲げてその感想の熱弁を生き甲斐としている私が言うのですから間違いないです。しかし裏切らない生き甲斐があるからこそ、思ってもみないことに対峙し、悩み妥協し苛立ち葛藤するような、裏切られる経験をしてもいきたい。それが子育ての面白さだと思っています。せっかく生身の体があるのだから、思う存分にやっていきたいです。


というわけでこのnoteでも、定期的に子育て日記のようなものを書いていくことになるはずです。ポップカルチャーを生活の側に置き、中心にはどかんとこの子を。人生が次のコーナーに差し掛かる、そんな30代をぶちかまそうと思います。



#日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?