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舞台作品の感想

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演劇だけでなく、お笑いライブの感想など
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記事一覧

だとしたらどう生きるか/松尾スズキ『ふくすけ2024ー歌舞伎町黙示録ー』

松尾スズキが1991年に書いた演劇作品の4度目の再演。台本ごと書き直しての上演は初演以来初め…

月の人
3週間前
7

街裏ぴんく/虚構の身体性

街裏ぴんくがR-1グランプリを獲ったという嘘のような本当の報せにとてつもなく心が踊った。そ…

月の人
6か月前
11

そこにないものを探す~男性ブランコ「嗚呼、けろけろ」/「マヂカルラブリーno寄席」

男性ブランコが国立科学博物館を会場にして繰り広げたコントライブ「嗚呼、けろけろ」を観た。…

月の人
8か月前
6

令和ロマン、爆発の夜を終え

あれはそう、とても暑かった日。三密回避でステイホームな日々が続いたコロナ初年、夏にオープ…

月の人
8か月前
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対象喪失と思い出の瞬き/ダウ90000『また点滅に戻るだけ』

ダウ90000の第5回演劇公演『また点滅に戻るだけ』を配信で観た。とてつもない面白さである。ネ…

月の人
1年前
13

男性ブランコ『やってみたいことがあるのだけれど』とスピッツ『ひみつスタジオ』

男性ブランコのコントライブ『やってみたいことがあるのだけれど』を配信で観た。繊細な詩情に…

月の人
1年前
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ロロ『BGM』とスカート × 街裏ぴんく『VALETUDO QUATRO』

ステージというのは、可能性が溢れ続ける空間だ。こんなことも見せれるのか、こんな宇宙も広げることができるのか、と思うことが多々ある。それを強く実感するような作品を2本、ここ最近続けて配信で観たので感想を。 まずはロロの『BGM』。三浦直之率いる人気劇団が2017年に発表した作品の再演である。この作品が描き出すのは時間の堆積層だ。東京から仙台までをドライブする2人の青年が、10年前と同じ道のりを辿りながら思い出話を展開していくのだが、舞台の上では暗転や派手な転換を用いずに過去と

小林賢太郎『回廊』/繰り返せど繰り返す繰り返し

2020年にステージパフォーマーとして引退して以降、作・演出としても劇場での新作公演を行って…

月の人
1年前
22

令和ロマンとウエストランド、反芻に耐える疾走感

M-1ファイナリストと敗者復活戦進出者が全国をサーキットする『M-1ツアースペシャル』。毎年恒…

月の人
1年前
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12月に観たお笑いライブ(よしもと有楽町シアター/ワラムゲ!/THE大喜利/ナゴッパチ/名…

今月は東京に講習会で行ったので、色んな劇場を回りました。M-1に特化してお笑いを語るのもま…

月の人
1年前
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最近配信で観たお笑い(浦井が一人と「話」が三つ/ダウ90000ドキュメンタリー「耳をか…

11.19 浦井が一人と「話」が三つ(アーカイブ11.26まで) 昨年に続いて行われた、男性ブランコ…

月の人
1年前
19

わからなさの濃度~岩松了「クランク・イン!」@ウインクあいち

2022年11月19日、夜公演にてM&Oplaysプロデュース「クランク・イン!」を観劇。岩松了が作・演…

月の人
1年前
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2022.11.16 MOROHA × 蛙亭、挫け昂るということ

MOROHAがお笑いコンビを迎えて敢行している全国ツアー。名古屋ReNY Limitedのゲストは蛙亭。蛙…

月の人
1年前
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お笑いブームの極致にて~2012 to 2022

2022年10月22日、ウインクあいちで「天高く馬肥ゆる東名阪漫才興行」の名古屋公演を観た。カナメストーン、真空ジェシカ、ママタルトの3組による漫才ツアーで6月以来の開催となる。M-1グランプリ2022を控えたこの10月。じっくりとネタを仕上げつつある過程を垣間見れる貴重な機会であった。 ママタルトは今年、決勝をキメに来た覚悟を感じた。ありネタを磨きあげる段階。更に驚くべきは真空ジェシカまでもがカッチリとした4分間を作り上げていたこと。仲良し友達ライブだからどんだけふざけに