それは消費か、必要経費か。
「大学で非常勤講師をしていたが、所得から必要経費が引けない」
そう言って米国人の知人は落ち込んだ。
そうなのだ。大学からもらう「給料」に、必要経費という概念はない。
経費として認められるのは、自分で事業をしているから。給料は、経費は会社が負担しているから、というスタンスだ。
(そのため税金は、収入→所得に換算してから算出する。必要経費が引けないかわり。)
サラリーマンに経費はない
会社の経費を使う、という話ではないですよ。
サラリーマンが払うすべての支出は「消費」となってしまう。悲しいことに。
だが、これはあくまで税金の話。
何かにお金を払うとき、「それは消費か?投資か?」と考えるくせをつけたい。
必要だから買ったのよ
たとえば、書籍。
何らかの糧になっていれば、それは投資とみなして人生の必要経費と捉える。
たとえば、旅行。
新しい価値観に触れ、またリフレッシュは必要な休息であるから、必要経費とも捉えられる。
たとえば、スマホ。
仕事も私用も、いまやこれがなければ生きていけぬ。必要経費。
おや、この理屈ではすべてが必要経費になってしまう。
それはそうだ。なんらかの必要性を見出したから、それを購入したのだから。
その支出、代わりはあるのか
提案するのが「代替法と比べて、どうかな?」という考え方。
書籍:安価で手軽に知識が身につくが、図書館で借りられないか?Kindleの方が手軽では?
旅行:「海に行きたい」欲は、ハワイでなくても熱海で十分満たせるのでは?
スマホ:そんなハイスペックは必要?iPhoneでなくてミドルレンジで十分では?
ただなんとなく買うのではなく、代わりになるものを考える。
それだけで、「投資」になり充分なリターンを得られる確率が高くなる。
目先のリターンを追わないために
となると、表題は「それは消費か、投資か。」とすべきだろうが、どうも「投資」という言葉はリターンへの期待を多分に含んでいて、なかなか使いづらいところがある。
世の中なんにでも明確なリターンを求めるのは、それこそ投資を消費のように刹那的に扱っているように、私には見えるのだ。
「必要経費」ならもっと手軽に、気軽に捉えられる。
といって「あれもこれも、必要経費!」といって免罪符に使わないよう気をつけよう。
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