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はじめてのヒッチハイク

業務スーパー奨学金の二次面接の帰り、大阪から初めて、一人でヒッチハイクをして東京に帰ってきた。
 
かかった時間は11時間、乗せていただいた車は計4台。
 
まず、私がなぜヒッチハイクをしようと思ったかについて。
 
以前からなんとなくヒッチハイクというものに興味があったが、一人でやるのは怖いし、かといって一緒にやってくれる人もいないので、あまり現実的なものとは考えていなかった。
 
しかし昨年の秋に「DREAM 世界一周の夢を叶えるコンテスト」に参加し、旅好きの仲間が増えたりその繋がりでTABIPPOという旅を広める学生団体に入ったりした結果、意外にも多くの大学生がヒッチハイクをしていることを知り、「なら自分にもできるのではないか」と思ったのがきっかけである。
 
周りに経験者が多いと、ネットで検索しても出てこないようなこわい目に遭ったリアルな話や、実際どこから始めたことがあるのかなどの情報が得られる。もちろん話を聞くだけでは実際にやるイメージがつかめなかったので、「女子一人ヒッチハイク」や「雨の中のヒッチハイク」など、色々とYouTubeやらブログやらも漁った。

 
神戸での面接のあと、鹿に会うために奈良公園まで電車で移動していたので、最初は奈良からヒッチハイクを始めようとした。
 
しかし奈良の友人から聞いたところによると、奈良から東京方面へ向かう車は少ないためいったん大阪に戻った方が車を見つけやすいとのこと。そのアドバイスをもらったのが、なぜか奈良の辺鄙な場所まで来てヒッチハイクを開始しようとし、車通りが少ないことにやっと気づいた後であり、結局それで五時間もロスしてしまった。
土地勘がないところで自己判断で動くのは危険である。

その友人や他の経験者のアドバイスもあり、大阪の吹田駅まで電車で、そこから竹谷バス停までバスで移動し、歩いて入れる吹田SAに入った。

その時点ですでに夜8時半過ぎ、ヒッチハイクを始めたのは9時前頃となっていたが、運よく15分ほどで記念すべき一台目、名古屋まで帰る途中のファミリーカーのお母さんに拾っていただいた。

お母さんとは台湾の話や海外旅行の話、技能実習生の話など話題が尽きず、あっという間に滋賀県の草津PAに着いた。この時点で夜10時、まだ車もたくさんいたのでひとまずトイレの出入り口の方に移動し、ヒッチハイクを始めた。するとそこに先客のヒッチハイカーがいて、ここではなんと二人同時に同じ車に乗せていただけることになった。
小学三年生の息子さんがいらっしゃる三人家族で、レゲエのライブの帰りだったそう。今の小学生ってもう自分のスマホやiPadを持っていて、クラスのグループラインまであるんだなぁと感心しつつ色々とおしゃべりをし、夜の11時20分に岐阜県の養老SAに着いた。

さすがにこの時間は車が少なく、つっ立っていても全く声がかからないので自分から声をかけにいった。しかしいっこうに乗せてくれる人が見つからないので、12時半ころきつねうどんを食べて一息ついた。すると、ちょうど建物内に入ってきたおじいさんが、私のいる方向に向かって歩いてきた。

新しい人を発見することすら困難な状況下、私はためらいもなくおじいさんに声をかけた。「東京方面」と書いたスケッチブックを見せつつ「どちらまで行かれます…?」と様子を伺うように聞くと、「甲府までだけど…乗っていきたいの?」と若干戸惑いながらも快く了承してくださった。

岐阜の養老から山梨の双葉SAまで。3時間の距離である。運がいいな~と思いつつおじいさんとお話していたが、うとうとしているうちに寝てしまい、起きたらもう山梨に着いていた。車で好きに寝させてくれるなんていい人だなぁと思いながら、お礼を言って車を降りた。

この時点で朝4時半。さすがに車内で約2時間うとうとこっくりしていただけなので非常に眠く、SA内の椅子に腰かけちょっぴり休憩し、トイレや歯磨きなどを済ませて5時頃に再開したら、ものの数分でおじさん二名が拾ってくれた。建設関係の仕事でちょうど浅草に向かうところだったらしい。男性複数人の車に乗るのは初めてで少し緊張したが、人も良さそうだし、なにより東京まで届けてくれるのは願ったり叶ったりなのですぐさま乗らせてもらった。

最初は「今何歳なの」とか「どうしてヒッチハイクしてるの」などのよくある質問を受けたりおじさまたちのご家族のお話を聞いたりしていたが、渋滞にはまったあたりで私がまた寝落ちしてしまい、次に目が覚めたときにはすでに首都高を走っていた。

結局スカイツリーの前あたりで降ろしてもらったのが午前7時59分。
吹田でヒッチハイクを始めたのが前日の21時頃だったので、11時間かからず東京に戻ってこられた。初めてのヒッチハイクにしては上々であろう。

これはひとえに、見ず知らずの者を車に乗せて送ってやるという広い心を持ち合わせた優しい人たちに恵まれたからなしえたことである。
ヒッチハイクは全くもって人の善意に頼っている、という発見であった。

#女子ヒッチハイク  

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