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みこみさコンビの限界 創約2巻感想

こんにちは、シャントです。

この記事は7/10に発売された創約とある魔術の禁書目録2巻の感想記事となります。今回書いた量がかなり多いですが、良ければ最後までお付き合いください。

*ここからはネタバレ祭りになるのでご注意を。

美琴の内心と上条当麻の病院生活

 さて、前の巻で統括理事会の根丘を倒したものの、突如現れたアンナ・シュプレンゲルにキスをされてサンジェルマンウイルスを飲まされた上条さん。序章ではその続きが美琴中心に描写されたわけですが、個人的には意外でした。何が意外だったのかというと前巻の直後の時系列がいきなり展開として出てきたというところです。めちゃくちゃ勝手に創約2巻は病院とかから始まってアンナとの邂逅は回想とかで済ますのかなと思っていたのですが、すんなり続きから入ったので驚きましたね。前後編とかで前後のつながりが強調されているロシア編や一端覧祭編などは章立ても続きになるのでいいんですが、こういう一応巻ごとに分かれているもので前巻の直後の時間から始まるのは珍しいのではないかと思います。すぐ思いつくところだと新約13巻から15巻ですかね。他にあったら教えてください。

 あんまり関係ない内容に脱線しちゃいましたが、話を戻しましょう。序章で話したいことと言えばなんといっても美琴の精神描写ですよね。

わかっている。
勝てない事くらい、ついていけない事くらい、美琴だって分かっている。
舞殿星見、根丘則斗。今日一日、十二月二十四日だけ思い返してみても、ずっとそんな気持ちを抱えてきた。場を繋ぐくらいは貢献できたかもしれないけど、美琴がいなかったらどこかで追跡の線が途切れていたかもしれなかったけど、それでも結局最後に決着をつけてきたのはいつでもあのツンツン頭の少年だった。
あと何回、この少年はみんなのために傷を負わなくてはならない?
たったの一回でも肩代わりしてあげる事はできないのか!?

 旧約からここまで割りと出てきていた「上条当麻に追いつきたい美琴」が再び描写されましたね。いやー何回見てもしんどい…見るたびに鎌池和馬は美琴いじめすぎちゃうか??って思ってしまうんですが、この追い付きたくても追いつけない焦燥感というのは今の美琴を語る上で欠かせないのかなという感じがします。この創約2巻でもこの美琴の内心の成長が一つテーマとしてあるような気がするので、この最序盤に美琴の「上条だけが傷つくことがもどかしいという気持ち」や「上条当麻に追いつけない自分への怒りにも似た焦りの気持ち」を入れてきたのは意味があるように思います。

 さて、続いて上条さんの病院生活の話です。場面が病院なの随分と久しぶりな感じしますね。最後に病院が出たのってどこでしたっけ。新約11巻が最後だと思うんですけどそうなると14巻ぶりの登場です。いつもは最後に出てくる上条さんの入院風景が序盤から見られるというのは面白いですね。主人公なのにいきなりよくわからん丸薬飲まされる→即入院って…

 あと同室が、前巻でおっぱいマウスパッドをレンチンして火傷した青髪ピアスだったのは流石に笑いました。超電磁砲Tでも出て思いましたけどこいつとあるシリーズ界最強の変態じゃないですか??こいつがいると話の変態度が無条件で上がるのなんなんですかね。マジでこいつだけはこのアイデンティティを失わないでほしい…

上条当麻の「…怖いよ」に震える

 タイトルですでにオチてる気もしないではないですが。声を大にして言いたいんですけどこれほんまにやばくないですか???冥土返しも渋い顔をするほどのサンジェルマンウイルス怖すぎだろ…そもそも上条当麻という人間ってある程度は普通の男子高校生であるはずなんですよ。今までは目の前にいる敵を倒せば危ないながらもやってこれたわけです。でも今回は体内にいる未知のウイルス。怖くないわけないんですね。まじで上条当麻がマイナスの感情に染まる瞬間が、禁書を読んでるオタクは大好きなので今回は新約9巻の「俺だって悔しいよ…」ばりにめちゃくちゃ興奮してしまいました。しかもこのシーンってこれだけじゃないんですよね。この発言を聞いた美琴と操折は元凶であるアンナ・シュプレンゲルを見つけるために立ち上がります。ここはいむら神のイラストもあってめちゃくちゃイケメンなんですよね。「25日はあの少年が救われる番だ。」とかいう地の文好きすぎる…禁書はこういう王道のアツさを入れてくれるのがほんとにズルい…

 あと、ここより少し前の場面の食蜂とインデックスにも触れておきましょう。食蜂さんですが、病室で上条さんの看病(?)しようとしているんですよ、忘れられているとわかっていながら。この精神的な強さ、ほんとに泣いてしまう。もう一つめちゃくちゃ気になったのがプレゼントとして「ホイッスル」を渡してるんですよね。これが何を意味するか現時点で色々解釈が分かれそうですが、個人的には前々作のリバースの出来事に対する彼女なりのけじめというのが一番しっくりきてます。リバースでの彼女と言えば神浄討魔側についてしまいましたが、それに関してはかなり罪悪感にさいなまれていた部分があったので、上条当麻との繋がりの象徴であったホイッスルをプレゼントとして渡すことにしたのかなあと思いました。まあこれってあのホイッスルが前のやつであるのが前提なんで、あれが新しいものだったら別の解釈が必要そうですね。難しい。

 もう1人、インデックス。末期患者の礼拝施設で上条当麻のために祈るインデックスでぼくは死んでしまいました。旧約13巻でも顕著でしたが、インデックスが祈りをどこまでも信じてるのいいですよね…やっぱりシスターさんなんだなって感じます。この部分上条さんへの感情が見え隠れしてるのが本当に好きなんですよ。上条さんとアンナのキスに対して「本当は唇くらい尖らせたかった」っていうのもいつもの噛みつきとは違う生々しい嫉妬を感じます。完全記憶能力のせいで一生上条当麻のキスシーンが頭に残ってしまいますからね。また、分かっているはずのサンジェルマンウイルスに対して「おそらく」という言葉を使ってるのも上条さんの病状を直視したくないという気持ちが表れていて感情的に状況を受け入れたくない様子がとれるんですよね。このインデックスが祈るシーン絶対美しいってめちゃくちゃ勝手に思ってるんですけど、誰か書いていただけませんかね…(他力本願)大きいイラストで見た過ぎる…

魔術行使と副作用

 というわけで上条当麻を救うため病院を飛び出したみこみさコンビでしたが、早速アンナと戦闘に入りましたね。いきなりAAAはまじで殺意高すぎる、まあ思い人を苦しめた元凶なんで当たり前なんですがね。で、美琴がAAA出してくるのは大体予想つくんですけどみさきちがパイロットスーツみたいな服着てきたのはびっくりしました。イラストでもありましたがぴちぴちのパイロットスーツみたいな服えっちすぎません?このおっぱいで中学生は無理でしょ…
 さて、この部分で話しておきたいのは、戦いの中盤、アンナが学園都市の学生をそそのかして魔術を使わせるとこです。これめちゃくちゃやばいことしてますよね。すぐ思い浮かんだのは新約12巻で加納くんに魔術霊装を使わせようとしていたサンジェルマンだったんですが、今回はほんとにただの野次馬の少女の劣等感を刺激して魔術行使させてるんですよね。行間1のイギリスでもそうでしたが、R&Cオカルティクス表の世界に入り込みすぎてません?そもそも魔術自体がこの世界の裏側の技術体系、裏技だったはずです。それが今では名も知れぬ、しかも科学の最先端を行く街の学生である少女が普通に魔術を手に入れられるのだから驚きですよ。こういう描写からは「新約」ではなかった尖りを感じられて、「創約」の物語に入ったのだなという気がしますね。創約1巻の説明文にあった「科学と魔術の混在する世界」を思い起こさせます。また、この場面の本当に悪質なところってアンナ以外のこの場の誰もが魔術の副作用を知らないことなんですよね。

少女が魔術を使う→魔術の副作用が出る→周りの人間は副作用を知らないから美琴たちが何かをしたと誤解する→迎撃しなければ自分たちもやられると勘違いして別の人が魔術を使う→以下悪循環

というように副作用を知らない学園都市の学生たちはどんどん倒れていってしまうんですね。あまりに惨い。新約1巻などで魔術の話を聞いた浜面が力を得られるかもしれないと喜んでいたところからも分かりますが、劣等感を刺激された学生たちはすぐにそうした未知の技術に手を伸ばしてしまうのかもしれません。超電磁砲のレベルアッパーしかり、今回の魔術しかり。でも、そんな便利で代償もない技術があるわけないんですよね。しかし、彼らはそんなことを知らない。だから副作用について分からないまま魔術を覚えてしまうのでしょう。創約3巻以降、表にまで魔術が進出してしまった世界がどうなっていくのか、目が離せません。個人的には旧約18巻での女王エリザードのセリフであった

「(魔術について思い至る者が出るかしれないという騎士団長の指摘に対して)もしそうなったら、認めてやれば良い。この世界には魔術というものがあり、それは日々お前達を陰ながら守っているとな。魔術国家イギリスの新生とでも言うべきか。」
「歴史なんぞ変わる。魔術というものが永遠に人目についてはならない、なんて法則もどこにもない。なあに、別に我らが世界初という訳ではないぞ。アフリカの部族などでは魔導士の一種が意思決定―つまり政治の舵取りを任されていたりもする。決して不可能な政治形態ではないという事だ。歴史にちょっとした『もしも』が起これば、いつでも実現するかもしれない変革程度のものなんだよ」

という「魔術国家」なるものが実現するかもしれないと少しワクワクしています。

もう一つ触れておきたいのは「エイワス」の姿です。先ほどのよりは言うこと少ないですが、初見時思わず「誰?」って言っちゃったんですよね。姿めちゃめちゃ変わっててビビりました。出てきたのは一瞬でしたけど、あの鷹みたいな顔が印象的すぎてよく覚えてます。なんかアンナの命令を無視して勝手に出てきたみたいですけどこいつマジで何しに来たんですかね?みこみさコンビをボコボコに倒したのはわかりましたが姿が鷹みたいになったことには触れられずそのまま退場しちゃいましたし何だったのか…(鳥みたいになってたのはホルス的な何かなのか?)まあ鎌池和馬のことなので何か裏がありそうなのはそうなんですが、エイワスって出現のたびに結構おしゃべりな感じがあったので今回みたいに一言も喋らないと気味が悪いというかかなり違和感がありますね。次出てくるのはいつになるのやら…

第六位との邂逅

 みこみさコンビがアンナに追い詰められる中で上条当麻は病院でサンジェルマンウイルスに苦しんでいました。しかし、彼女たちがアンナに立ち向かっていったことを聞くとすぐに飛び出していきます。そして、病院の階段でついにヤツが登場するわけです。はい、ついに出ましたね。今までも新約7巻、新約12巻とその人物を語る人間は多数登場してきましたし、本物も内蔵つぶしの横須賀さんとの通話越しにちょっと出るみたいな感じでしたが、この創約2巻でついに学園都市第六位、「藍花悦」が本格的に登場しました。もう大興奮でしたね。ぼくは禁書を追いかけてきて6、7年になりますがとうとう本物が作中にちゃんと登場してしかも喋るというのはもう感動ですよ。同じく原作を追い続けている方ならこの気持ちを理解してくれると思います。

 さて、この「藍花悦」なんと上条当麻の置かれている状況を理解した上で接触を図ってきてますね。学園都市内で起きている騒動に関して上条当麻の背中を押し、その手伝いをすれば食い止められる、それを考えた上で上条当麻に協力を申し出ています。まあ押し付けのようなものですが。しかし上条当麻、その申し出を完全に拒みます。

「だけどいい加減にむかつくぜ。どうせお前如きにゃ解決なんかできないだろうって、始める前から取り上げようとするその姿勢。当事者そっちのけで箱庭を覗き込んでため息をつく、上から目線の塊。…悪い方の超能力者そのものって感じだな、アンタ。本人が善意を届けているつもりになっているのが余計に始末に負えない」
「これは俺たちの事件だ。部外者のアンタを楽しませるために戦っている訳じゃあない」

上から目線の協力なんていらない、これは俺たちの問題だからアンタは引っ込んでろ。上条当麻はそう藍花悦に吐き捨てるわけです。上条当麻らしい理屈ですが、なおも藍花悦は食い下がります。このままではあなたは死ぬぞと。でも、上条当麻は止まりません。自分を止めたければ安全地帯からの言葉ではなく、拳で止めて見せろと。そして、両者はぶつかり合い、階段を下りて先へ進んだのは上条当麻でした。僕としてはこの場面、最後の藍花悦のセリフが印象的でした。

「……分からず屋め。そんなに不幸を求めるならば、早死にするがいい。」

会話の中で、藍花悦は上条当麻の置かれている状況、自分が来た理由、協力の申し出を語っているわけですが、そのどれからも藍花悦の感情が読み取れないように思えるんですよ。しかし、最後の二重鍵かっこが一重になる時のセリフには藍花悦の人間らしい苛立ちなどの感情が詰まっているような感じがするんですよね。結果的に上条当麻が藍花悦の感情を最後に引き出したことでその本質が少しは見えてくるような気がします。気がするだけですけど。

 それにしてもこの藍花悦、かなり色んなことを知ってますよね。前述したように上条当麻の今の状況も知っていいるようですし、R&Cオカルティクスについてもさらには魔術についても分かっている感じです。今までも超能力者の中で、魔術を使うものと戦闘したり、魔術そのものを目撃したり、一方通行に至っては悪魔と契約までしたりするなど接触は旧約終盤以降数多くありましたが、まさか第六位の藍花悦がここまで状況を傍受しているのは単純に驚きでした。サンジェルマンについても知っていたようなのでもしかしたら世界のかなり深い部分まで理解してそうですね。また、上条当麻の「口では性善説を語りながら拳の暴力を捨てられない」という矛盾したような性質や上条当麻が記憶をなくしていることを分かっているあたり、この学園都市が作られた理由などについても核心に迫っている可能性もありますね。いずれにせよ、このタイミングで藍花悦が登場してきたというのは何か意味がありそうですし、禁書本編もかなり進んできたということなのかもしれませんね。

サンジェルマンとの共闘

 さあ、いよいよ病院を飛び出した上条。ついにアンナと対峙します。このシーンのみさきち、超電磁砲の大覇星祭編を思い出しますね。上条さんが助けに来てくれると無条件に喜んじゃうみさきちめっちゃかわいい。一方でアンナは上条当麻という存在に興味をなくします。どうやら、アレイスターが手を加える前の状態にした上でサンジェルマンウイルスで上条当麻を疲弊させ、どの側面が異能の力と結びつくのかを見るのが目的だったようですね。書いててもイマイチわかってないですが、アレイスターが手を加える前の状態とはどういうことなんでしょうか。能力開発とか関係あるのかな…?まあこのへんはぼくもあんまりわからないんでこれ以上言及はやめておきましょう。

 さて、上条当麻に残ったのは人を救う装置だとした上で彼に失望したアンナは上条当麻を殺そうとします。なすすべがないと思われましたが、……上条当麻は魔術を使ってその攻撃を食い止めました。え???上条当麻が魔術???なんと上条当麻は自分の中にいるサンジェルマンと対話し、共闘することを選んだのでした。ここめちゃくちゃアツいな~~~~ってなりました。自分をむしばむ存在であったサンジェルマンに対して、望みは何かと語りかけて味方へと引きずり込む。上条当麻らしさ全開でめちゃめちゃワクワクしましたね。別作品で申し訳ないですが、ハガレンのホーエンハイムやリン・ヤオの体に宿ったグリードを思い出しました。禁書だと今までありそうでなかった感じでしたがまさか上条当麻でやるとは…びっくりしました。これ戦闘シーンもめっちゃ好きで、「サンジェルマン、任せた!」とか「能力者、返す!」とかスイッチで入れ替えている感じがすごいかっこよくないですか?

 そして、からくもアンナを倒すことができた二人でしたが、そもそも二人は共存などできるはずもなく、どちらかが消えなければなりません。上条当麻とサンジェルマン、両者の間で押し問答ありましたが、最終的に去ったのはサンジェルマンでした。ここに関して一つ言っておきたい箇所があります。最後の地の文ですね。

クリスマスに、贈り物をもらった。
少年は命を受け取った。

マジで鎌池和馬にカチコミかけようかと思いましたよ。こんな残酷なプレゼントがあってたまるか!!!!!!!!こんなんもう「呪い」やん……そもそも上条当麻って周りの巻き込んだ人間は全員救いたいと思ってる人間なのに、自分を含む二人のうちどちらか一方しか救われない状況で自分だけ助けられて残されるって展開からまず心が辛いまた上条当麻の心に負荷がかかってしまうよ…鎌池和馬とかいうやつ上条当麻をどれだけ苛めれば気がすむんや。創約2巻の上条当麻がここで終了してるのもつらくて彼がこのあとどんな心境なのかがわからないんですよね。目の前で一時的ではあるものの一緒に戦った存在が消える悲しみや無力感ったらないですよ、次巻の上条当麻頼むからメンタルを休めてくれ…

みこみさコンビの今後

 創約2巻、通してみるとみこみさコンビの戦闘シーンがかなり長かったように感じましたが、結果的にはボコボコにされてしまいましたね…それでも上条当麻を助けよう懸命にあがく彼女たちは本当にかっこよかったです。特にエイワスにやられた後作戦をどうするかで、美琴が上条当麻を哀しませないために自分がアンナと相対するからお前は上条を病院から連れて逃げろとみさきちに言い放つ場面は、たとえ少年に対して周回遅れだったとしても少年の願いだけは絶対に尊重するという強い想いを感じます。さらに、みさきちがアンナに追い詰められる絶体絶命のシーンで逃げ出さずに美琴の意識を揺さぶるところ。ここのみさきちのセリフで

「だから、彼が泣くような事は絶対にしない。命の恩人が笑って暮らせる世界を守る。それが私の、善だの悪だの以前にある第一のルールなのよお‼‼‼」

というものがありますが、ここを読んだとき「ああ、彼女も上条当麻に救われたことで生まれたヒーローなんだな」と強く実感しました。このセリフから感じるのは食蜂操祈という女のある種の矜持です。この矜持のような前提があるから彼女は好ましくない恋敵の御坂美琴と共闘するし、全く未知の敵であるアンナ=シュプレンゲルとも命をかけて戦うんですよ。めちゃくちゃ綺麗じゃないですか?彼女は自分を悪人だと言いますが、大切な人を守るためにその人が笑える平穏な世界を守るというのは誰が見てもヒーローだと思います。上条当麻見てるか?これがお前が救った少女やぞ……

 あとインデックス・オティヌスの魔術コンビとの対比も辛いものがありますね。インデックスとオティヌスは少年が「勝利」する条件を理解しているから一緒に戦うわけじゃなくて病院で一般人を助けることを選択してるんですよね。みこみさコンビは少年を助けたいという思いこそ良かったですが、その先にある真の意味の勝利には結果的に辿り着けませんでした(二人とも一般の人を巻き込むとあの少年は悲しむということはわかってはいますがそもそもアンナに突撃してしまっているので…)そういう部分で差ができてしまっているように思えます。「それ以外何ができたか」と言われると非常に難しいですが…

しかし、あとがき後の彼女たちは今の自分たちが少年に対して周回遅れであることをもう一度確認し、二人で上条当麻に追いつくことを決意しました。アンナとの戦闘の序盤に美琴がAAAを失ったことが象徴するように、新約後半以降のAAAを手に入れて追いついたと感じていた美琴とは違うことが示されているのではないでしょうか。ここからの彼女たちの成長はどのようになるのでしょうか。ひとまず闇落ちルートは回避されそうなので少し安心ですね。

おわりに

 創約2巻、アンナが意外に早いタイミングで倒されたのでかなりびっくりしています。一番驚いたところかも。その行動には謎が多く、twitterとかで見る感じではかなり賛否両論あるキャラクターですが、僕個人的には面白いキャラクターかなと。ラスボス候補としては今までにない性質を持っているイメージなので次巻以降も引っ掻き回してくれそうです。ラストの一方通行との独房での会話も気になりますしね。

 さて、非常に長い量になってしまいました。ここまで読んでいただいた方々、本当にありがとうございます。次巻以降もまた書けたらいいと思ってますのでよろしくお願いします。ではまた!



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