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現実と並行セカイの境目ですか?(クロラビ同人小説)感想

こんにちは、シャントです。

今回は「現実と並行セカイの境目ですか?」という、ごちうさ公式サイトの2019年エイプリルフール企画「CLOCKWORK RABBIT」(以下クロラビ)を元ネタとした同人小説作品についての感想記事です。色々と思ったことをまたつらつらと書いていきます。

*今回は物語の結末などに関するネタバレはしないように努めますが、感想記事という都合上、多少内容に触れてしまう場合があります。予めご了承ください。

「ティッピー」の設定追加

クロラビにはティッピーという浮遊自律型コンピューターが登場します。これは高度な知能を搭載したロボットのような携帯電話で、ホログラム投影や簡単な通話ができるというものです。このティッピーをココアたちは全員所持しており、作中世界ではこれが人々の間に普及しているのです。小説内ではこうしたティッピーに関して法律が存在しています。それが「浮遊型通信機器類の所有者登録及び不正利用の防止に関する法律」通称「ティッピー法」です。

このティッピー法はティッピーの不法投棄を禁じるなどティッピーに対して様々な決まり事を定めています。なるほど、たしかにこんな便利なものがある世の中ですからそうした法律があるのは当たり前なわけです。危険性などももちろん予想できますからね。だからこそ、小説内でティッピーの設定回りがきちんと補完されているんですね。これが「すげ~」と思いました。語彙力が足りなくてごめんなさい。

また、他にも面白い設定として「警視庁浮遊型機器類犯罪対策室」、通称「ティッピー室」なんてのもあります。クロラビ公式設定でリゼは警察署長の娘で違法改造ティッピーを取り締まっているのですが、小説内でリゼはさらにこのティッピー室の特別屈託職員という設定が追加されています。ここに関してはとても上手く設定を加えているなあという印象で、勝手に唸っていました。

こういう設定をしっかり考え出せる人、無条件でリスペクトですね。

キャラクターのリアルさ

クロラビの舞台は近未来の日本で、神保町や秋葉原など現実の地名をココアたちキャラクターが話しているのですが、ここにリアルさを感じた方もいるのではないでしょうか。僕もその一人です。今までごちうさの舞台は木組みの街というどこかファンタジーめいた場所で現実感はありませんでした。他のエイプリルフール企画を見ても現実の地名が使われることはなかったように感じます。だから、クロラビ初見時の驚きは凄かったですし、同時に「この作品世界の物語がとても読みたい!」と強く感じました。

そして、クロラビにあるリアルさはこの小説内でも健在でした。例を挙げると

・秋葉原にパーツを見に行くココアたち
・吉祥寺で食べ歩きをする青山さん
・電車内でつり革を握るリゼ

その他色々ありますが、僕らが生きているこの世界の地名でごちうさのキャラクターが動いているというのは非常に面白い感覚です。他の作品ではなく、どこか別の世界めいた舞台設定であるごちうさだからこそ味わえる感覚なのかなという気がします。このリアルさもクロラビの小説である本作品の魅力ですね。

そのリアルさ故の現実の厳しさもこの小説には描かれているのですが、ここでは書かずに皆さんに読んでいただきたいと思います。

おわりに

僕自身この小説はメロンブックスで実物を見るまで、失礼ながらその存在を知りませんでした。本当に僥倖だと思います。あの日あの時間にメロンブックスへいってよかった。

この小説は物語自体も面白く、特に題名にもある「並行セカイ」に関しての解釈は非常に興味深いです(ネタバレしそうなので触れませんでした)。この文章でこの作品の魅力を伝えられたかはわかりませんが、クロラビ作品を読みたい方には是非とも読んでいただきたいです。

ネタバレしない感想記事というのは初めて書きましたが、難しいですね。何か書いている内容に間違いがありましたらご指摘ください。

最後にメロンブックスさんのこの作品へのリンクを載せておきます。


というわけで今回はこの辺りで失礼させていただきます。ここまで読んでいただきありがとうございました。



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