マハーバーラタ/3-8.アストラを受け取るアルジュナ

3-8.アストラを受け取るアルジュナ

シャンカラ神との出会いによってアルジュナの心はかつてないほど爽快だった。シャンカラ神が去ってからしばらくその余韻に浸っていた。

突然彼の周りに輝きが現れた。その白い輝きはまるで何千ものオパールやサンゴ、真珠のような柔らかな光であった。
奇妙な光景が現れた。天界の全ての神々がインドラキーラ山の頂上にいた。
西を司る海の神ヴァルナ、北を司る富の神クベーラ、南を司る死の神ヤマ、東を司る天界の神インドラが見えた。その四人の神がアルジュナに近づいた。

「アルジュナよ。私は死の神ヤマです。あなたはシャンカラの姿を見ました。私達は真の姿であなたに会えたことを喜んでいます。
あなたはこれから始まる戦争で全ての敵を征服し、その名声はいつまでも残り続けることでしょう。あなたにアストラを授けます。クリシュナの助けを得て、あなた達兄弟は地上の神となるでしょう」

「私は西を司る海の神ヴァルナ。お前の勇敢さが気に入った。我がヴァルナ・アストラを授ける。ヤマのアストラに匹敵する強さだ。きっとお前の戦いの助けになるであろう」

「北を治めるクベーラです。天と地の富の神です。あなたは私のアストラを受け取るのにふさわしい。あなたは敵を滅ぼし、地上の全ての富を勝ち取るでしょう。私のアストラを授けましょう」

インドラがアルジュナを抱きしめて言った。
「我が息子よ。私はとても幸せだ。あなたを誇りに思う。今までどんな人間も成し遂げられなかったことを成し遂げたのだ。我が天界に来なさい。そこであなたがすべき役割がある。私の馬車に乗って来なさい。あなたに全てのアストラを授けよう」

アルジュナはインドラキーラ山の頂上に集まった神々を見て恐縮し、圧倒された。涙で喉が詰まり、話すことができなかった。神々の足元にひれ伏した。
「私は限りある命の人間です。あなた方は神です。大きな愛をパーンダヴァ兄弟に与えてくださっています。
私はこの世界で、この目であなた方を見るという大きな幸運に恵まれました。この慈悲に対してどのように恩返しすればよいのか分かりません」

神々は彼の慎ましい態度に喜び、祝福して去っていった。

アルジュナはこの日に起きた素晴らしい出来事のことをずっと考えていた。心の中の高揚で立ち上がることができず、嬉しい弱さを感じていた。

突然、山の頂上に馬車が現れた。
インドラの御者マータリが微笑みながら彼に近づいた。
「アルジュナよ。あなたは今から天界へ行くのです。あなたの父が呼んでいます。すぐに行かなければなりません」
「分かりました。ラージャスーヤやアシュヴァメーダのような儀式をした者が到達できるという天界をこの目で見られるのは大変な幸運です。
地上で人生を送った後にインドラの住処へ到達することは全てのクシャットリヤの目的です。その目的の為に地上でダルマに沿って生きてきたのです。行きましょう」

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