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【宮古島記②2020年10月】誰のための観光か

宮古島記、第2編。

タイトル、ちょっと過激的。。

地元の人はどこに?

行くとこ行くとこ移住者に出会う。

埼玉出身です。東京出身です。どこどこ出身です。

5年前に移住してきました。6ヶ月前に移住してきました。


そもそも自分自身がよその国でビジネスを行っている身なのだが、宮古島を観光していると、移住者の方々と会うことが多かった。


移住者が悪いとか、移住者には興味ない、なんてことが言いたいわけでなく

むしろどんなキッカケでここに移住してきて、どんな暮らしをしているのか、ものすごくものすごく興味がある。


ただ、ミャンマーの田舎で『なるべく地元の人たちを雇用して、地元の人たちが地元にあるもので、いいものを届ける』ことに挑戦している人間として、どこに行けば地元の人に”出会える”のか、単純に気になったのだ。

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数字から紐解く宮古島

宮古島には、大学、高等教育機関がない。

高校を卒業して、進学するには島外へ移らなければならないという。


・・・なんてことをいろいろ調べていると、宮古島市が公開している「宮古島市 人口ビジョン 宮古島市 まち・ひと・しごと創生 総合戦略」という資料にたどり着き、食い入るように見てしまった。

宮古島市の基本方針から人口動向、産業動向まで、事細かに書かれている。

興味ある方は、以下のリンクからぜひ。

https://www.city.miyakojima.lg.jp/soshiki/shityo/kikaku/tyousei/oshirase/files/dai2kimiyakozimasisougousennryaku.pdf


宮古島初の専門学校ができる、というニュース。高校卒業後の人口流出の食い止めにも期待がかかる。


とにもかくにも、高校卒業後に島外へ出ていく若者が一定数いること(高等教育機関への進学率は30~40%で推移)や産業別就業者数を見ると、小売・宿泊・飲食・サービス業といった、観光業の最前線で働く宮古島の人は、意外と多くないのかもしれない。

お金がどう循環しているのか

観光が地域に貢献していくにあたり、あらゆるものを可能な限り域内で調達できることが望ましいと、個人的には考えている。


宮古島に来た人たちが口にするものが、すべて宮古島で採れた野菜で

観光客を迎える人たちが、すべて宮古島に住民票を置いている人で

宿泊するホテル、民宿の本社が宮古島に置く会社だったら。

それだけ、その土地で消費したお金がダイレクトに還元されていく。


もちろんこれは極端な話で、そんなきれいごとだけでないからこそ、社会が回っていることは間違いないのだが

仮にこの真逆の状況を想像したら、それは一体誰のための観光なのか、本当にわからなくなってくる。

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バブルの先に残るものは

2014年約43万人だった来訪観光客数が、2018年には約114万人にまで膨れ上がった。

少し前まで、リゾートや空港などの建設ラッシュにより島外から建設作業員が多く流入し、アパートは常時満室、市内の家賃は都心並みに高くなり、Uターンしたい子育て世代が戻ってくることができなかったという。

市内はレンタカーで渋滞が起こり、そしてクルーズ船で寄港した観光客は海にゴミを捨て数時間の滞在で島を後にする。

これは一体、誰のための観光なんだろうか。

ブーム、バブルが去ったとき、残るものはなんだろうか。

ポーク玉子おにぎりの価値

たまたま立ち寄った農協のスーパーマーケット、Aコープで買った、ポーク玉子おにぎり。一つ200円。

たった数時間前に、おばあちゃんが(勝手なイメージ・・・)握ってくれたポーク玉子おにぎり。

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素晴らしいロケーションにある観光客向けのお店で1500円払って食べるランチよりも、

車の中で頬張ったこのポーク玉子おにぎりのほうが、何だか心が満たされた気がした。


なぜだろう。

きっと、地元の人が行くスーパーで、地元の人が生身の手で握り作ってくれたものを、口にすることができたからだ。

変態気質な私にとっては、やっと宮古島の人の暮らしに触れることができた気がして、心が満たされたのだ。


200円のポーク玉子おにぎりが届けてくれたこの体験、心の動きを、いま私たち自身がミャンマーの山奥で届けているモノに照らし合わせる。

現地の人が暮らしている村の、普通のお家にお邪魔をし、目の前で薪で火をおこして準備してくれた料理をいただく。

新鮮なお魚や上質な黒毛和牛が出てくるわけでもない。野菜だけのことも多々ある。

それでもこれは、irreplaceableな最上級の体験、時間なんじゃないかと、その価値の高さに改めて気付かされた。

千年先の、未来へ。

これは、宮古島市が掲げている標語。島のいたるところでこのポスターを見かけた。

とっても、素敵な言葉。

字体が特殊で、4年先の、未来へ、と勘違いをしていたのは内緒。


”この先もずっと続く島の未来を創る”ために、宮古島で動いている人たちが、実はたくさんいるそうだ。

そんな人々の動きが垣間見えるサイトを以下にまとめてみた。


●エコアイランド宮古島オフィシャルサイト


●島の色


●ミャークラボ


●ゆくるプロジェクト(宮古島Style)



●宮古島ひとときさんぽ


●宮古ブルーを永遠に。島民と観光客をつなぐエコパスポート制作!

(ガバメントクラウドファンディングとしてReady forでおこなったプロジェクト)


もっともっと、いろんな人が、現場レベルで活躍されているんだと思う!エコパスポート、ほしかったー!

行く前に知ってたらなんてよかったんだぁ~と思うサイトばっかり。

自分自身への自戒の念を込めて

そこに訪れた人がお客様であり、楽しんでもらうのが一番大切である。

でも、訪れた人だけじゃなく、受け入れた人も、その土地の人も、その土地も、みんながハッピーになれるのが観光だと思っている。

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お役所があまり機能していなく、税収も少なく、観光業においても援助漬けになってしまっている感が強く、ルール不明確である意味やりたい放題なミャンマーだけれど

そんな場所だからこそ自分自身も、一観光事業者として、一”移住者”として、ミャンマーの地方、シャン州インレー湖という場所・エリアで、その土地との向き合い方を改めて考えるきっかけになった。


ここまで、ただの旅行客のくせに偉そうに宮古島のことを、あーだこーだ言ってきた。(本当に、何者なんだこいつは)

宮古島の魅力に、かなり深く取りつかれてしまったのだと思う。


綺麗な海と独特な文化と歴史、そして今。

どれをとっても魅力的。


また行けるよう頑張ろう。

宮古島記、最後は「宮古島とミャンマー」という謎のテーマで書こうと思います。

では。

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