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中国知財 2021年知的財産統計年報を読んでみました

2022年08月02日付けで国家知識産権局から知的財産統計年報が発表されていたので、読んでみました。こちらは2021年における中国における専利の出願、登録、有効件数、外国への出願数等が記載されており、中国の知財発展状況を理解するのに役立ちます。以前、専利局と商標局が分かれていた時代は商標関連のデータは別途探さないといけませんでしたが、今回の統計年報では、専利以外に商標、地理表示、集積回路配置設計のデータも入っています。

第一部分は、出願件数の統計です。過去5年のデータをグラフ化すると以下のようになります。

コロナが始った2020年、翌年2021年、特許、実案、意匠の出願は凡そ増加傾向です。2021年に実案の件数が減ったのは、もしかすると実案での実質実体審査が進んだことで、出願人が実案ぁら特許を選択するようになったのかもしれません。不動産に絡む全国的な不良債権問題や、ゼロコロナ政策の継続により、中国の経済状況は楽観視できる状況ではありませんが、そのような中で、企業が果たして将来のためにどれぐらい知財に投資をするのか、今後も注意深く見守っていく必要があります。

かなり飛んで、第六部分では、中国出願人による外国庁別出願件数が載っています。データは2020年のものとなっています。
米国 約41000件
欧州 約13000件
日本 約8000件
韓国 約4000件
などとなており、中国企業が先進技術に関してどの市場を重要視しているかの目安になります。

第七部分は商標です。こちらも出願件数をグラフ化してみました。

こちらも、、、コロナ後も増え続けており、945万件/年にも達しています。

第九部分は、集積回路配置設計です。国内、国外の出願件数をグラフ化すると、国外が数十件レベルと少なすぎて、グラフにしても認識できません。あまりにも差があって、Excel上で国外を選択することができません。

現在、中国企業は半導体の自主研究開発を加速しているとされ、それがこのような数字になって表れているのかもしれません。集積回路配置設計が紛争になった事例を私は知りませんが、何かのタイミングで脚光を浴びることが出てくるかもしれない、、、とは思っています。
年報についてはここまでです。

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