見出し画像

【決算報告】存在しない会社を経営して1年経ちました。

依頼されていない仕事を引き受けたつもりになって、勝手に企画を発表する「ない会社」の経営をして1年経ちました。
売上も登記も株主もなく、説明責任もありませんが、決算報告をしてみようと思います。

経営状況

安定したペースで仕事を受注

今年度は31件もの仕事を受注しました。
そのほとんどが「スシロー」や「明治」などの大手企業で、概ね毎月コンスタントに受注出来ていました。

ときどき件数が落ち込んでいるのは、あまりにも反響がなさすぎて代表のモチベーションが低下したことが原因と見られています。

特に8〜10月は厳しい経営状態が続きましたが、11月に代表がハリウッドザコシショウのポップアップストアへ行った時に「評価されなくてもやり続けることが大事なんだ」と感化され、見事V字回復しました。

感化されてグッズを4万円分購入しました

今のところモチベーションはキープ出来ているので、来年度以降も安定して経営が続けられる見込みです。

案件はアナログ系に偏った

架空の案件なのでジャンルも多岐に渡れば良いのですが、結果的に「イベント」「プロダクト」というアナログ系に偏る結果となりました。

理由としては代表がWebコンテンツに飽きてきたことが原因です。

コロナ禍になってからというもの、本業(株式会社人間)の仕事がオンライン中心になり、イベント等が減りました。
その反動で、都合よく架空の案件が受注できる当社において、オフラインコンテンツばかりを考えるようになったと考えられます。

一方、本業では2022年から屋外広告の案件が急増しているのですが、ない会社でも屋外広告案件が増える結果となりました。
これは単純に、代表が屋外広告の企画でバズって味を占めたからです。

具体的にはLenovoのゲーミングPC「LEGION」から出した屋外広告で5万いいね以上の反響があったのですが、その成功体験が忘れられず、ない会社でも一発当てようと執着しているのです。

実際に「広告」の企画だけに限定した受注件数推移をご覧ください。
LEGIONの広告が出た9月末から件数が急増しています。

ビギナーズラックで競馬を当てた人が沼にハマるのと同じく、この傾向はしばらく続く見込みです。

まとめ

考えれば当たり前のことですが、当社は代表の一存で仕事の全てが決まるため、代表のモチベーションやマイブームに大きく左右されることが分かりました。

事業を継続するためにはモチベーションを維持しなければなりませんが、また反響が少なすぎたりすると嫌になってしまうかもしれません。
そこで来期のテーマは「あんまり期待しない」でいこうと思います。

評価の高かった企画

弊社は知名度がそもそもないので、誰かから評価を受ける機会もございません。そのため、代表自らが自己評価をして自画自賛できたものをいくつかご紹介します。

「ひろゆきのフレンチ」

フランス在住の起業家「ひろゆき」がプロデュースしたフレンチレストランです。
フレンチ特有の長々したメニューがすべてひろゆき口調で書かれているので、誰でも注文する際にひろゆきっぽくなれます。

ポップアップ的にやれば結構話題になりそうだなというのと、本人の許可さえあればコストは大してかけずに出来そうな点が高評価につながりました。

「スシローの謝罪回転」

いろいろと問題を起こしてしまったスシローが全店舗で実施する謝罪キャンペーンです。
社長自らが頭を下げるポップを寿司につけて店内を頭を下げて回ります。

各ネタごとに謝罪文を変えるのですが、これも結構可愛い。
大阪の企業というのありますし、ピンチをチャンスと捉えて笑いに変えてしまう良い切り口だと高く評価しています。

「椎名林檎のカルテ」

ニューアルバム「百薬の長」の付録としてもらえる、椎名林檎のカルテが印字されたクリアファイルです。
元々「ヘルプマーク」に酷似したキーホルダーが炎上して使えなくなったため、代替案としてユニバーサルミュージックさんに提案しました。

椎名林檎ファンであれば誰でも知っている通り、林檎さんはグレッチで殴られたり、ガラスを素手で突き破ったりと怪我が多い。

そんなあるあるを盛り込みつつ、アルバムのテーマ「薬」にもピッタリ。
しかもコストも最小限に抑えられるので、かなり高評価です。

「岐阜テッド」

岐阜県で育った子供を「ギフテッド」風に紹介する、岐阜県の移住プロモーション広告です。
はい、ダジャレです。

岐阜県という一般的に言えば「微妙」な土地柄を、あえて「ギフテッド」ぐらいのアドバンテージに誇張することで、ちょっと自虐的に見せつつもきちんと移住のメリットが伝わるようになっています。
これは今からでも岐阜県で実施すべきでしょう。

最後に

前述の通り2023年度は「期待しない」をテーマに、引き続き経営を続けて参ります。

期待もしないのに、やり続けなければならない。
普通に考えれば矛盾しているような光景ですが、これはある種の「修行」です。

地位や名声などに執着をせず、ひたすらに「我」をなくしていく。
まさに仏教の精神ではないでしょうか。

というわけで、自分が膨らませた期待を事前に打ち砕く「風船書き初め」というものをやってみました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
こんな会社ですが、今年もよろしくお願いします。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。