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Accept Me セルフライナーノーツ①

2023年1月30日に配信されたmiru2ndアルバム「Accept Me」、みなさま聴いていただけましたでしょうかッ!?

Twitterでセルフライナーノーツ書くよーと言っておきながら、幾星霜。


3    月 に な っ ち ま っ た じ ゃ ね ぇ か ! (震)


すみませんすみませんすみません(平謝り)
8ヶ月の赤ちゃんを育児しながら、まとまった時間を手に入れるのは至難の技なのですよ…(いやほんとマジな話)
というわけで、セルフライナーノーツ書いていきます。
全部一気に書きたいところではありますが、そうすると公開するのまた何ヶ月後とかになっちゃうと思うので、小分けにしてアップしていきたいと思います。

私にとってのAccept Meって

実はこのアルバム、歌の収録自体は2021年の秋には全部収録を終えておりましてね。企画自体は2021年の冬から春にかけてだったと思います。コロナの最初の流行から1年ちょっとくらいの時に楽曲を酒井さんと作っていたのです。以前の「the one」のアルバムから10年ですねなんて話をしたりして。

前回のアルバムから10年経って私が感じたことは、言葉が直接的でアレなんですが「老い」だったんですよ。30代になって、20代に持っていた情熱は穏やかに冷め、最初の出産を経て失ったものに絶望し、「まだ私はやれる」という気持ちも年齢という数字でつまはじきにされたり。母親が亡くなってからは、声優という仕事にもしばらく意味を見いだすことができないまま生きてきたように思います。

そうして、10年が経って私は40歳になってしまいました。
「40歳の誕生日にニューヨークのタイムズスクエアの前に立つ」という目標を掲げて、1年以上も前から事務所にお休みのお願いをして、貯金もして準備していたのに、コロナの流行のせいでこの目標が叶えられず、途方に暮れました。(この時期、バービーのオーディションをパスしてバービーの世界でニューヨークに立つことに成功しましたが 笑)

たくさんの人たちがそうだったと思うのだけど、私も心がしぼんでしまったんです。

今までの私って、なんだかんだゴリ押しでやりたいことを貫いて叶えてきたのですが、どうしようもない理由(コロナ)で叶えられなくなったことがどうにも耐え難く、途端に自分がつまらない人間になったように思えました。

でもふと思ったのです。

このつまらない人間こそ、私なのではないかと。

最初に明言しておくと、このアルバムには「本当のこと」と「ファンタジー」が機織り機で編んだようになっています。これをうまく言葉で言い表せなかったのだけど、シナリオライターのたけうちこうたさんが「私小説」と仰ってくださって「ああ、なるほど!私小説とは素晴らしい言葉だ」と感心したんですよね。

1.Walk my own line

 コロナ流行真っ只中、有楽町でタクシーに乗っていたときのことです。
街中に人がいない景色を見た運転手さんが私にこう言いました。

「見てごらん、街が呼吸をしてないよ」

この言葉がとても印象に残っていて、1曲目のWalk my own lineの歌詞を書き始めました。そして、この曲の作詞の前に、前回のアルバム「the one」の歌詞を読み直していて「私が捉えている”愛”はどうやら変化したっぽいぞ」というのも感じたのです。

この歌詞を書いた当時(2021年の半ばくらい?)、世間は「もう舞台公演やライブができるぞ!」という風潮がSNSにありました。でも私はとても冷静な、いや、むしろ冷ややかな視点でいました。個人的には多分もう1年、2年はかかりそうだとそう思っていました。だけど、舞台やライブをやりたくないわけではないし、早く公演ができる日常が戻って来て欲しいと願いながら書き上げました。いつかライブで歌う日を想像しながら。

the oneのときの自分って「一人でどうにかしよう」としていたところがすごくあったんですよね。だけど、今回のWalk my own lineは必ず「私以外の何か」がそばにいる感じがするなぁと。

2.Pandora

この曲の1行目はお風呂で歌ってたら降りてきたんですよね。
そこから1曲がブロックのように積み上がってできていきました。

この世にはいろんな曲がありふれていますが、
でも大衆の耳に入りやすい曲ってなんか歌詞もメロディも明るいじゃないですか。それは全然いいんですけど、個人的には少し物足りなくて。

嫉妬とか、怒りの感情も人間が本来持ってる感情なんだから、そこから曲が生まれることもあるでしょうよ、と。

人間だもの、みつを。

あ、もちろんタイトルはギリシア神話の「パンドラの箱」からです。

これを聴いてくれた人が全てを知る必要はないけれど、
なぜ今私がこの仕事を続けているのか、という理由は、
この曲をもって知ってもらいたかったという、とても純粋で素直な欲。

なんじょるのこと南條愛乃ちゃんから「この曲攻めてるよね」と言われた曲。(なんじょるの改めてコメントありがとおおおお!)
ええ、もちろん攻めてますとも。


Accept Meセルフライナーノーツ②に続く!




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