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本当の豊かさについて追及してみる

日本では、1960年代の高度経済成長を経て、戦後は物質的・経済的な豊かさを追求してきた。その結果、経済が発展し、一人当たりのGDPは世界トップレベルに達し、多くの人が便利で快適な生活を送れるようになった。

しかし、その一方で、地球温暖化や生物多様性の損失などの環境問題が年々深刻化している。豊かさや環境に対する国民一人ひとりの意識について概観していきたい。

 JT(日本たばこ産業)グループは2023年、「心の豊かさを、もっと。」という新たなグループパーパスを設定した。心の豊かさの追求を個人だけでなく、企業も取組が進んでいる。その点も含めてみていきたい。



1. 豊かさに対する意識の変化

これまで「豊かさ」とは、主に物や財産を多く所有する「物の豊かさ」を意味していた。しかし、近年では「心の豊かさ」に対する関心も高まっている。

内閣府の「国民生活に関する世論調査」では、「今後の生活において心の豊かさと物の豊かさのどちらを重視するのか」を尋ね、平成24年度の調査結果によると、「物質的にある程度豊かになったので、心の豊かさやゆとりのある生活に重きを置きたい」とする人の割合は64.0%で過去最高となり、「まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きを置きたい」とする人の割合(30.1%)を大きく上回った。

この調査は、当初は「物質的な豊かさ」を重視する人の割合が高かったものの、昭和50年代前半から「心の豊かさ」を重視する人が増え始め、その傾向は現在も続いている。

このように、日本社会では「豊かさ」の捉え方が変化しつつあり、「心の豊かさ」を求める人が増えている。


2. 現在における豊かさとは何か

伊藤忠テクノソリューションズ(株)対談にこのようなことが書かれていた。(*抜粋、個人的見解あり)


人それぞれに価値観があり、お金や物が豊富にあることが必ずしも心の潤いにつながるわけではない。
では、本当に心が潤っている状態とはどのようなものなのか。

私たちは人との関わりの中で生きている。相手の体調や自分の機嫌など、誰かと接する場合には常にお互いを考える必要がある。その中で、心と心が通じ合っていると感じることが心の潤いにつながる。そういう相手がいるだけでも、辛いときや苦しいときに頑張る力になる。

目の前の人が何を求めているのか、何をしたら喜んでもらえるのかを自然に察して行動することも「豊かさ」の一つと言えるのではないか。「一を聞いて十を知る」という言葉があるが、これは相手のことや相手の幸せを考えて行動することで、心が通じ合う体験を重ねることが心の潤いや豊かさに通じる。相手を思いやることで得られる心の通じ合いが、本当の豊かさと言えるのではないか。

個人としての豊かさを追求し、それを共有すること。そこをまずは目指してはどうか。



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