幻の映画『Lie Lie Lie』を観にいく
『Lie Lie Lie』という映画を知っているだろうか?
1997年に上映された後は、DVDもブルーレイもなく配信もしていない。
唯一観る方法はVHSだけという、まさに幻の映画だった。
しかし、ラッキーなことに1週間限定でリバイバル上映が決定した。今回はその幻の映画を実際に観てきた話をしようと思う。
※ 作品のネタバレはありません
映画『Lie Lie Lie』とは
『Lie Lie Lie』は1997年に公開された映画だ。原作は中島らもの小説『永遠も半ばを過ぎて』。中島らもの小説は文章が読みやすいので、おすすめです。
あらすじは以下の通り。
写植屋・波多野を佐藤浩一、詐欺師・相川を豊川悦司、編集者・美咲を鈴木保奈美がそれぞれ演じている。
上映劇場
上映劇場は「神保町シアター」。
ひとまずチケットを予約しようと公式サイトを見ると、以下の説明が…
んん?当日券のみ?99席?
僕は普段はTOHOシネマズで映画を観ており、必ずチケットを予約しているので、当日券には驚いた。
しかも1日1回上映で99席しかないとは。
困ったことに僕は札幌在住。映画の上映期間は7月13日(土)~7月19日(金)なのだが、7月13日(土)~7月15日(月・祝日)は別の予定があり、映画を観られるのは平日のみとなる。
つまり僕は、
「観られるかどうか分からない映画1本のために、仕事を休んで東京に行くのか?」
という決断を迫られたのだ。
僕は自分に問いかけた。「この映画にその価値があるのか?」。
答えは決まっていた。「この機会を逃したら一生観られないかもしれない。」
僕はすぐに職場に休日を申請し、飛行機と宿を手配した。
チケット争奪戦
前日に東京入りし、いよいよ当日の朝になった。
チケット販売は11時からだったので、10時くらいから並ぶことにした。
劇場に着くとすでに並んでいる人がいた。僕は前から10番目くらいか。これならチケットを買うことができそうだ。
暑さに1時間耐えることができれば…。
当日は7月で最高気温は34度だった。チケットの列には日除けもなく日差しが容赦なく照りつける。さらに近くの飲食店から出たクーラーの排熱が襲いかかる。
札幌住みの僕には、この暑さはさすがに堪える。
後ろに並んでいたお婆ちゃんが辛そうに、「もう…しんどい…。限界…。」と何度も呟いていた…。ごめんお婆ちゃん!僕には何もできない…!他の人を見るとみんな顔が死んでいる。
僕は滝のように流れる汗をタオルで拭いながら販売開始の時を待った。
開場15分前、みんなの疲労がピークになったその時、劇場の人が出てきてアナウンスした。
「少し早いですがチケット販売開始します!」
た、助かった…。列に並んでるみんなもホッとした顔をしていた。
こうして僕は無事チケットを買うことができた。ちなみに整理券番号は11番だった。
待ちに待った上映
直前まで知らなかったのだが劇場への入場は整理券番号順だった。僕は100人中11番目の入場だったので、真ん中の良い席を取ることができた。頑張って早く並んだ甲斐があった。
そしてついに上映が始まった。
いやぁ感動したね。エンドロールでちょっと泣いてしまった。
詳細な感想は省くが、登場人物の会話が小気味良く、全体的に楽しく観られた。
最後に
友人にこの話をしたとき、と言われた。
「映画のために東京に行くのか。リッチやな。」
たしかに飛行機代・宿代を加味すると、2時間の映画に数万円を払ったとも言えるかもしれない。
でも、この映画にはたしかにその価値があった。映画を観たあと、人生が少しだけ豊かになった気がするから。
『Lie Lie Lie』が気になった人へ
24年9月以降にアンコール上映を調整中とのことなので、気になった方はぜひ観てみてください。
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