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目標の色に近づける色調整(デジタル)

参考画像を見て、目標の色に近づけるための色調整についての
記事です(長め)。

画像の色をスポイト機能で拾って使うことも可能ですが
自分が知覚した色と少し違ったりするのと、目標の色がどういう色調整で
できるか分かりません。

自分で色調整ができると始めは時間がかかりますが、色調整が面白くなります。

現時点での個人的な方法ですので、将来 改善する可能性があります
ご容赦ください。
使用しているソフトは Aseprite というドット絵用ソフトです。 


3つの色調整(ベースカラー、ハイライト、影)

イラスト( 巨峰:おいしそうなフリーイラスト屋 oishiso

参考例として、上のイラストで使われている色を3つ作ります。


1.黄丸内の色
2.赤丸内のハイライト色
3.緑丸内の暗い色
この3色を作ってみましょう。

1.ベースカラー
2.ハイライト
3.影色
のようにとらえられます。

まず黄色内の色を作ります。
画像を大きくできませんでした、ご容赦ください。

色調整の方法としては
1)色相を判断する
2)明度と彩度調整
3)色相調整
4)目標に近づかない場合、さらに明度・彩度・色相調整

となります。
グラデーションで色調整するのは、最終的に隣の色となじませる
時ぐらいです。
デジタルで目標の色に近づけるには、色相・明度・彩度でほとんど
色調整ができると思います。


まず色相を判断しましょう。
色相を判断できると色調整が行いやすくなるからです。
色相を判断するには色相環の色を見て判断するか、できれば色相環12色は
覚えたいです。

色相環12色

上図は 「 COLOR ベティー・エドワーズ 著 」の本を参考に作ったものです。時計の数字と同じように配置されているため、どの色がどこにあるか
お覚えやすいです。

三角形で結ばれているように
レッド・ブルー・イエロー:3原色。他の色から作れない色
グリーン・オレンジ・バイオレット:等和色。2つの原色を混ぜてできる色

色相環の各色で、明度が下がる、彩度が下がる、とどのような色になるか
知っておくと、色相を判断しやすくなったり、色調整がしやすくなります。下記記事が参考になります。


黄丸内の色相は、バイオレットに思えます(私)。
グレー(灰色)ぽく見えますが、バイオレットの彩度が下がった感じに見えます。

始めに色相が判断できないと、色調整がしづらいです。カラーピッカー上で
近い色を探すこともできますが、色相を判断できるようにするために、できれば自分で色相を判断しましょう。始めは、分からなかったり、間違ったりすると思いますが、慣れてくるとそれほど難しくありません。

青っぽければ、色相がブルー・ブルーバイオレット・ブルーグリーンのいずれかなどと、大体分かれば OK です。
ちなみに、かなり白に近い色、かなり暗い色は色相が判断しづらいため
色相が分かる色から調整するのがオススメです。


黄丸内の色相はバイオレットと仮定しました。
次に、明度または彩度を調整しますが、知識と経験的に、上はバイオレットの彩度が下がった色に思えます。

明度が下がる:黒みが増していく
彩度が下がる:白みが増していく
感じです。


バイオレットの色を円形で表示しました。
黄丸をクリックし、HSV をクリック( H 色相 S 彩度 V 明度 )。

パレットに、白黒+色相環12色を用意しておくと、色調整しやすいです。
白#ffffff 黒#000000
イエロー #ffff00
イエローオレンジ #ffd200
オレンジ #ffa500
レッドオレンジ #ff5200
レッド #ff0000
レッドバイオレット #ad224c
バイオレット #5a4498
ブルーバイオレット #2d22cc
ブルー #0000ff
ブルーグリーン #004080
グリーン #008000
イエローグリーン #7fbf00



色相がバイオレットで、彩度が下がった色と仮定したので
彩度バー( S )の所で段階的に色を確認していきます。
カラーピッカーより、この調整バーの方が調整しやすいです(私)。

A で目標色に少し近づいた感じで、B ではグレーに近くなった感じがします。ただ、大きさによって色が違って見えたり、周りの色の影響で違う色に見えたりするため、実際に色を塗る場所で、目標の色と同じに見えるか
確認しましょう。

上の4つの丸内はどれも同じ色ですが少し違った色に見えませんか。


バイオレットの彩度を下げた色 A

A の色をさらに調整していきます。
色相が違うなと思えば色相を調整しますが、不明なので、調整バーを確認します。


A の色と見比べると、黄丸内の色はもう少し白っぽく、明るい感じに見えます。

S(彩度)と V (明度)調整バーを確認すると、白っぽく、明るくなるのは
明度を上げる、というのが分かるため、明度を上げてみます。


A の色の明度を上げたもの

D E F のどれかに思えますが、元絵と同じ形、同じぐらいの大きさで色を塗ってみないと分からないため、とりあえず D ということにしておきます。
上図の色がどれも違うという場合は、さらに色相・明度・彩度 調整を
行います。
色調整の参考例ですので、このように行っているということでした。

ハイライト

黄色のベースカラーがとりあえず決まったので、今度はハイライトの赤丸内
の色を作ってみましょう。

ハイライトは反射光などの影響がなければ、ベースカラーの彩度を下げ、明度を上げて作ることが多そうです。


先ほど作ったベースカラーでカラピッカーの所を見ると、白く明るいのは
明度を上げ、彩度を下げた方向です。
マウスで適当にクリックして見比べます。


赤丸内のハイライトはかなり明るく、白(  L ) でも良さそうですが、少し紫がかって見えるため K の色で良さそうです。
あとは実際に塗ってみないと分かりません。


影( 暗い色 )

最後は緑丸内の暗い色を作ってみましょう。
作った黄丸内のベースカラーの明度を下げ、彩度を上げてみます。
彩度を下げるのではなく上げるのは、彩度を下げると白っぽく、鈍った色になりやすいからです。もちろん元絵がそのような色の場合は彩度を下げます。


作ったベースカラーの明度を下げ、彩度を上げた色。
M が緑丸内の色に近い感じですが、やはり実際に塗ってみないと分かりません。

ハイライトにしろ、影色のような暗い色にしても、そのまま塗ると隣の色と
違和感が出たりするので、ベースカラーとグラデーションを作り、馴染む色にしたり、ぼかしたりする必要があるでしょう。


最後に、目標の色に近づけるためにオススメなのが、色調整の日記をつけることです。色調整が難しかったものや、目標に近づけなかったもの、うまくいったものなど、記録をつけると考えが整理できたり、失敗から学んだり
色調整を再現できたりします。

以上となります。
長い記事でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

追記( 色相調整の例 )

色相調整をする参考例を1つ上げます。


元絵( うきた乳業 様

上の水色系の色を目標とします。
青っぽいので色相は青系だと思いますが、ブルーの彩度を落とした色とは
少し違う感じがします。

グレーが混ざっている感じに思えますが、水色とグレーのグラデーションを作り確認するのではなく、始めは色相判断から行います。


確認してみると、ブルーの彩度( S )を下げた色が目標に近い感じですが
色み(色相)がちょっと違うようです。

明度( V )を調整しても目標に近づかない感じなため、色相調整します。 


赤丸の色を色相調整します。色相( H )バーを見ると、▼ の位置から
どちらに動かしたら良いかですが、目標の色は左方向のようなので
左に数値を動かします。


色相調整して目標へ近づいた感じですが、B の色をもう少し暗くした感じに
思えるので、B の明度を下げます。


目標と少し違うので、先ほどの C の色の明度を下げます。


C の明度を下げたもの

E か F が目標に近いですが、目標はもう少し白ぽいので F の彩度を
下げます。


F の彩度を下げたもの

目標の色に近づきましたので終了です。
振り返ると
1.ブルーの彩度を下げた
2.色相調整した
3.明度を下げた
4.彩度を下げた

色相調整があった参考例でした。
色相調整をしなくても、明度・彩度調整で目標に近づくケースも多いです。

追記2( RGB が色相判断に役立つ )

RGB で色みを足す 」という記事を書いたあと、RGB 調整バーが
色相判断に役立つこと分かりました。
参考例をあげておきます。

元絵( うきた乳業 様

追記1と同じように上図の水色系の色を目標とします。


上図はブルーグリーンの HSV 値です。
目標色の色相はブルーグリーンかなと始め思ったのですが、調整バーの
色を見ると、目標に近い色が見あたらないため、追記1では色相を
ブルーと仮定し色調整しました。


しかし、ブルーグリーンの RGB を見ると、目標に近そうな色があります。


赤い囲みの色をいくつか確認するとも緑がかっていて、目標と色相が
違います。ただ、黄色の囲みが目標に近そうなので確認します。


目標色に近い色相が出ました。
ここからは RGB でなく、HSV(色相・彩度・明度) の方で調整した方が
良いでしょう。


彩度を下げると目標色に近づいたので終了です。

目標色の色相が分かりづらいときは、RGB 値で近い色相を探すのも
有効です。

以上となります。

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