D.C.5読了後ネタバレ込み感想・考察

はじめに

備忘録も兼ねてD.C.5(ダ・カーポ5)の感想と考察を書き連ねようと思います。余談だけど、DC5って入力すると車が出てきちゃうからなかなか検索がめんどくさい()
タイトル通りネタバレ全開なので、未プレイの方はプレイされてから読んでいただくことをお勧めします。

・前提

まず前提として、D.C.5は今までのダカーポシリーズのオマージュ作品だという前提で感想を述べます。例えば、あらすじなんかは完全にD.C.Ⅱの義之くんのオマージュ。自分は数字ナンバリングのテーマが「既存作品の鏡写し」だと思ってるので、ミズの国のキャラのシナリオは基本的にローマ数字ナンバリングのシナリオがオマージュされていると考えています。

ちなみに、プレイした順番は可子→瑞花→灯莉→雪那→愛乃亜。可子・明莉ルートのみ初回開放、その他は1ルートクリア後に開放です。

プレイ後の感想

まずはプレイ後の感想を。

・可子ルート

今回の推し。古賀さんの叫び声すき(ぇ
どうしても終盤の黒無の話が他のルートの問題提起として踏み台にされてしまっているのがちょっともったいないなーとは思った。
基本的に登場人物みんな物分かりがいいので、人間関係がこじれるようなこともなく平和。魔法の方面では姉が強すぎるが、そこが全てのアイデンティティって程でもないので自分の良さを伸ばしていける子だったね。だが、それ故に魔法関係の事件が起きると途端に不安になる。
エピローグで飛んできたフクロウは……なんなんでしょうね?

・灯莉(あいか)ルート

もう名前出すだけでネタバレと化すルート。オマージュ元はおそらく美春っぽい。最後は影武者のほうが結ばれるのは鏡写しって感じね。
いつもの白河と見せかけて実は今までで一番芯が強い白河。他の方の感想で見かけたけど魔法になるべく頼らないのは今までとは真逆だよね。
おそらく灯莉(本物)のほうも何かしら魔法が使えるとは思うが詳細は不明。母親が倒れていたのもおそらく黒無のせいだろうし、わりと大きな影響を受けたんだろうね……。創眞の心の色が見えなかったのも多分黒無のせい。
意外だったのが、灯莉(本物)のほうのサブルートがなかったこと。まあやっても4の有里咲と有里栖の焼き直しになっちゃうとは思うんだけど。

・雪那ルート

石見さんボイスに癒されるルート。オマージュ元はT.Y.の紫陽花とD.M.かな?朝倉家みが強め。
個人的にはちゃんと解決まで書ききったのは高評価。その分終盤はルートヒロインの姿すらないという状況になってしまってるのはしゃーなし。4の諳姉はなんやかんやで助かってましたみたいな感じだったからなおさら。
ちょっと疑問なのが、愛乃亜は黒無が一応の解決をしたこのパスを見つけられなかったのかな?と思うところ。単純に自分の力ではどうにもできないから見送ったのかもしれないけど。
ある意味で投げっぱなしの問題である「お役目」の解決法になり得るルートだよね。その辺は今後に期待したい……けれど。

・瑞花ルート

やってることはだいたい有里咲と同じルート。ただ被害規模は段違い。
本名は由岐子らしい。苗字は鷺澤……なのかな?有里咲って本名も鷺澤だったっけ?
サクラの国の住人のため、既存の「恋を取るか魔法(使命)を取るか」ってお話。有里咲が両方果たした(多分使命のほうは完全に解決してなさそうだけど)のに対し、瑞花は恋を封印し使命を選ぶという選択をした。別の世界の存在(幽霊とか宇宙人とか)とは、再開するにしても一度ちゃんとお別れをするというのはD.C.共通の終わり方かなーという印象はある。その辺の話をすると詩名が本当に異端な存在になるんだけど、またそれは別のお話。

・愛乃亜ルート

唯一4からの続投(?)キャラ。正直めっちゃ株が上がった。オマージュ元は完全に音姫・由夢っすね。
言葉(と身長)は足りないが、めちゃくちゃ気配りの鬼。本人は天才の責務的なことを言ってるが、すごくお姉ちゃんしてる。えらい。
他のルートもそうだけど、ミズの国の魔法使いは恋をすると魔力が増大するので、所々にそれっぽい描写が見える。逆に想いを失うと魔法の精度が下がる。パスの狭間で迷子になったのも記憶という想い、そして縁を失ったからだね。縁結びは大事。\これで俺とも縁ができた!/
結構紛らわしいけど、愛乃亜独自の並行世界移動の魔法はあくまで並行世界の移動だけで、座標の移動や時間軸の移動を絡めると途端に負担がデカくなるものと思われる。4の一登の魔法はおそらくあくまでアンカーとアンカーを繋げる・因果を繋げるもので、繋げさえすれば場所や時間軸を完全に無視できるんじゃないかなと思う。これについてはラストでマナを集めた魔法のほうが近いと思う。

・Sequelルート

最後に開放される後日談、もとい4と5を結ぶルート。3つの後日談と1つのD.C.シナリオによって構成されている。ちなみにSequelとは続編とか先、余波とかそんな意味らしい。
色々と間を補完するお話なのでサクッと読んでいいと思う。D.C.シナリオが言いたいことは考察で。

・総合

おおむね良かったとは思うけど、どうしても雪那が倒れたことや愛乃亜が帰ってこなくなったことが本人のルート以外だと話題に出た後すぐに完全にフェードアウトしてしまうのが少しもにょった。あとこれはツッコんでも仕方ないけど時代考証がガバガバ。60年にあんなぴっちりタイプのブルマはねぇ!(創作だしファンタジーなので気にしたら負け)

考察

そんなわけで今作で判明した事実を含めて色々考察を。

・時系列と年表

ある程度確定しているもののみ抜粋

  961年 このころ瑞花と創眞(元)が出会う
不明年 創眞(元)想秤の桜を植える
1954年 黒無が初出現
1960年 5本編開始
1961年 2月・雪那が倒れる
1961年 3月・黒無消滅、並行して想秤の桜消滅
1961年 4月・瑞花、サクラの国に帰る
不明年 創眞、風見鶏へ。シャルルに伝言を頼む
不明年 元、一登の時遡の魔法を打ち消して因果を封印。瑕疵の発生
不明年 諳子が拾われる
2003年 一登世代が誕生
2008年 愛乃亜、何かが起きそうと言いパス移動
2009年 この頃から二つの世界のマナバランスが崩れ始める
2011年 恐らく一登と有里咲が初邂逅。始の事故もこの年と思われる
2018年 12月・4プロローグ
2019年 2月・4本編開始
2019年 5月・一登、時遡の魔法使用。瑕疵の解消
2019年 10月・愛乃亜、姿が若返り不時着。おそらく元の差し金
2019年 11月・FD有里咲ルートの鬼ごっこ。愛乃亜帰還
2019年 12月・一登と有里咲、サクラの国の初音島へ。アイシアから伝言

……まあ、時間はほぼ意味を成さないとは言われてるけどね。
ついでに言うと、平行世界の話も混ざってるのでもっとややこしいことになってると思う。有里咲ルートを経ているなら色々となかったことになってるはずだし。

・結局正史はどうなってるの?

まず4の前提として

  • ナギの魔法と懐中時計は瑞花側にある(瑞花ルート・有里咲ルート)

  • 黒無と想秤の桜は存在そのものが失われている(愛乃亜ルート)

  • 創眞(元)と愛乃亜(亜子)が結婚し、始と零次が生まれている(後日談2)

  • 創眞は玖星ではなく常坂になっている(後日談1)し、名前も元になっている

基本的には瑞花ルートが正史で、黒無の問題は創眞がミズとサクラの国を行き来している間に解決しているということ。別れたのが4月でリミットが卒業式の日(3月15日)だからね。なお、愛乃亜ルートで他の平行世界の黒無も解決したことが示唆されている。
で、平行世界移動と時間遡行、更には名前が変わるという設定が増えたので非常にややこしいことになっている。
最終的に元、亜子、由岐子の3人で動いているっぽいので、色々示し合わせてはいるんだろうね。その辺は今後に期待ってところ。

・黒無って結局何だったの?

現状は完全に不明。わかっていることは

  • 始まりは1954年

  • 世界を滅ぼすようなもの

ってことくらい。なので、現状は想像で語るしかない。
とはいえ、黒無が発生しうる事象はいくつかあるので、今回は説としてその辺をまとめておく。

説1:一登の時遡の魔法の失敗によって出来たワームホール的なもの
一番可能性がありそうなのはこれ。どうして1954年に出てきたのかは謎。

説2:マナバランスの崩れによって生まれたもの
こちらも1954年に出現した理由がわからない。マナの奔流、漏出に連動している可能性はあり。

説3:永遠に訪れない五月祭の弊害
D.C.Ⅲで起きた永遠に訪れない五月祭による魔力暴走の結果の産物という説。なおこの出来事は1951年の話なので、ちょっと年がズレる。しかもサクラの国での出来事なので、マナバランスがサクラの国に偏った原因ではある可能性はあるけど可能性としてあるなら説2と連動するかなーとは思う。

・3人がやろうとしていること

最終的にいろんな世界を奔走することになった元・亜子・由岐子の3人。
マナの奔流の発生を止めようとしていることは分かるが、どうしたらそれが止められるのか。その鍵になるのが恐らく一登の因果を結ぶ能力なのだろうとは思う。
あくまで憶測だが、もしかしたら過去・現在・未来を因果で結び、それをループさせることでマナ循環を作り出してマナを安定させる、ということをしようとしているのではないかな、と思う。
まだ詩名が未来からやってきた原因が判明していない以上、やはりこの辺を最終的に絡めてくる可能性が高そうだとは思う。以前も考察書いたけど、その理由が未来と現在の因果を結ぶためであると考えると、D.C.というタイトルとも合わせてしっくりくるかなーとは思う。

・世代を合わせるってどういうこと?

後日談2で言われていた話。何故かサクラとミズの世代がズレている。本編では成長度合いが違う(魔法使いは任意で魔法を使って成長を止めることができる)からと言われているが、それにしたって有里咲と一登が1世代分ズレるのはおかしな話である。
とりあえず分かっているのは、

  • 一登が5歳の時にはすでに生まれている(後日談2)

  • 一登と出会ったのは有里咲が8歳かそれよりもちょっと前(後日談2)

ということ。ここからも有里咲が生まれたのは一登と同じ年くらいということがわかる。
瑞花ルートラストで妊娠していることはほぼ確定のはずなので、原因があるとするならば瑞花側。魔法使いの出産が遅いかといえばそんなことはない(桜姫等の件もある)だろうし、出産を魔法で遅らせてたのだろう。その理由は不明だけど、見込みのある常坂の子が生まれるまで待ってたのかな?

余談だけど、そうすると一登と有里咲の関係は、ほぼそっくりそのままⅡの義之と音姫(由夢)の関係なんだよね(父親と祖父が同じ)。多分4の頃から意識してこうしてたんだろうね。

・D.C.ルートで言われたことってどういうこと?

要するに、「D.C.シリーズを遊んでくれてありがとう。もしかしたらもうこれ以上続編出せないかもしれないけど、もし出せたらよろしくね」ってことです(ぇ
4の頃からだけど、正直金銭面の事情でやりたいことが出来ない状態である印象がかなり大きい。なので5がコケたら本当にここでおしまいになってしまうんじゃないかな……。

おわりに

ここまであることないことつらつらと書きなぐってましたが、シナリオ方面以外の評価も少し。
音楽は相も変わらず良いね。4の頃よりは印象に残る曲があったかなという感想。どうしても使ってる楽器の音質が似通っているので曲の印象がごっちゃになりやすいかなーという印象はある。
グラフィックはキャラは毎度素晴らしい。背景は3分の2くらいは4の使いまわしと加筆があったくらいなのでまあうん、ってとこ。4の頃からだいぶ不安になる背景がいくつかあったので評価は据え置き。
CVは一番金かけてるだろうけど、当然最高ですね。やっぱすげーっすわ声優さん。惜しむらくはアイシア・シャルル役で宮崎羽衣さんが起用出来なかったことかな……活動休止とかは聞いてないんだけどやっぱり色々大変なのかな。ちなみに、ボーダーブレイクのユニちゃん役やってたらしいんだけど、それが2021年のお話。
総評としては、5単体だと勧めづらいけどシリーズ追ってる人はやろう、って感じ。まあ前作と繋がりのあるシリーズものの性なのでしゃーなし。

最後になりますが、本当に最後まで書ききってから終わってほしいのでそこは頑張ってほしいです。頼むぜサーカス、骨は拾うからさ……。


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