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猫と話しませんか~読書記録272~

イギリス出身のミステリー作家・パトリシア・モイーズが1978年に書いたエッセイだ。

パトリシア・モイーズは、イギリスの推理作家。 ロンドン警視庁のヘンリ・ティベット 警部とその妻エミーが活躍する推理小説シリーズを執筆。

この本はミステリーではなく、彼女がいかにして飼い猫とコミュニケーションをしていくかのエッセイである。
内容としては、題名通り。猫と人は会話できるのである。
表紙の写真にあるのが彼女の飼い猫のシャムネコだ。
この本が書かれた頃、彼女は夫の仕事の都合でワシントンに住んでいた。ヨーロッパから猫を連れての移住の話も出てくる。
飛行機では、飼い猫を荷物室にではなく、客室で人と一緒に乗るように交渉したエピソードなど、彼女がどれくらい猫好きかわかるものであった。

書かれていること、1つ1つに、「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」と思いながら読んでいった。
中世ヨーロッパが猫にした暗黒の歴史。これは、神に似た形に作られた人間だけが偉いとされているとキリスト教の考えが根底にはあるのではないか?と個人的には思っている。実は、私の知るキリスト教信者は猫嫌いが多いのだ。
猫と人の相性。ふらりとやってきて、その家の猫になったり。外にいた猫を一目見て、家族にしたり。
これは、数年前に亡くなった愛猫2匹を想った。誰かに捨てられたかして、うちの玄関前で泣いていた白黒の猫。お寺にいた20匹くらいの野良猫のうち、1匹だけ懐いてきた猫。

私が反省すべき点としては、例えば獣医さんに風邪やらワクチン接種やらで連れて行く時に、猫にきちんと言って聴かせるということを私はしたことがなかったのだ。
無理矢理、猫用のバッグに押し込み、車や自転車に載せて連れて行った。きっと恐怖であったろう。次からは、説明してから連れて行こうと思うのであった。

けれども、この本が書かれたのは1970年代のアメリカ。著者は、飼い猫が外を知らないのは可哀想と協調されていたが、21世紀の日本では通用しないかと思う。そこは、いたしかたない。

内容が面白いのはもちろん、訳者の深町眞理子先生の訳が素晴らしい。
20代前半に銀座のサイン会にてお会いして以来の大ファンなのだ。

愛猫の方には、是非お勧めしたい本である。



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