見出し画像

四つの署名~読書記録179~

シャーロック・ホームズ作品の第2作目である。


ホームズとワトソン博士のコンビ。これは「相棒」の原型であると思う。

あらすじはと言うと。。。

最近ろくな事件が起きないので暇をもてあまし、退屈しのぎに麻薬を注射したり、ワトソンと喧嘩になりかかったりしていたシャーロック・ホームズのベーカー街の下宿のベルが、ひさしぶりに鳴った。訪問者はひっそりした魅力を持つ若い女性・メアリー・モースタン嬢で、一身上に起きた不可解な事件の相談のために訪れたのであった。

イギリス陸軍インド派遣軍の大尉だったメアリーの父親は10年前に失踪していた。その後、6年前から年に1回、正体不明の人物から彼女に大粒の真珠が送られており、今回その人物から面会を求める手紙が届いたのである。ホームズとワトソンは彼女に同行し、一行は手配された馬車でロンドン郊外のある住宅に連れて行かれた。そして一行は、そこの住人で、手紙の差出人であるサディアス・ショルトーという小男から、メアリーの父、モースタン大尉と、サディアスの父であるショルトー少佐の、インド駐留時代の因縁話を聞かされる。

インド派遣軍の将校だったモースタン大尉とショルトー少佐は在任中にインド大反乱に遭遇し、どさくさ紛れに莫大な財宝を入手した。が、ショルトー少佐はモースタン大尉の取り分を払わず、一切を独占したまま母国イギリスに逃亡していた。イギリスに帰国したモースタン大尉は分配を求めてショルトー少佐と会見するが、口論をしている最中に死亡し、ショルトー少佐は死体と財宝を隠蔽したのであった。

父の遺言で事情を聞いたバーソロミューとサディアスの兄弟は、屋敷のどこかにあるという財宝を探しながら、モースタン大尉の相続人のメアリーに毎年真珠を送っていた。兄のバーソロミューがついに屋敷の屋根裏で財宝を発見し、二人はメアリーにも分配することに決め、手紙を送ったのであった。しかし一行がバーソロミューの屋敷を訪れると、バーソロミューはインド洋のアンダマン諸島の土人の使う毒矢を受けて死亡していて、財宝は消えていた。そして死体の傍らには義足の足跡と「ジョナサン・スモール」を筆頭にした「四つの署名」が残されていた。

ホームズとワトソンは犬のトビーを借り出し、殺人現場に残ったクレオソートの臭いを手がかりに、現場からロンドン市中を追跡してゆく。犯人たちの足跡はテームズ川畔の船付き場で途切れ、小型艇に乗ってどこかに潜伏したものと推定された。探索の結果、テムズ河の修理ドックに該当する船が入渠していることを突き止めたホームズは警察に連絡し、逃走を図る犯人たちの船とロンドン市警の警備艇の追跡劇が、夜のテムズ河を舞台に展開する。毒矢の使い手・アンダマン土人のトンガは射殺され、逃走艇は河岸の泥沼に突っ込み、義足の男・ジョナサン・スモールは取り押さえられた。警察署に連行されたスモールは、ホームズたちに事件の全貌を物語る。

訳者・各務三郎氏の解説にもあるが、ホームズ物語には、スパイ小説もあれば、恐怖小説もある。サスペンス小説もあれば、パズル小説もある。つまり、ホームズ物語は、現代の探偵小説(あるいはミステリー)のほとんど全ての分野にわたっている。

本当にその通りだ。
テレビでサスペンスドラマを観ると、ホームズが原型かなと思う私であった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?