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銀河鉄道の夜~読書記録314~

宮沢賢治の名作中の名作だ。貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく哀しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である。

確か、小学生、中学生の頃と読んだはずなのに何故か忘れてしまっていたという。ああ、認知症お婆さん。。。

内容はこちらが詳しい。

宮沢賢治は熱心な法華経の信者であるのだが、この話は少しキリスト教をかじった人が書いているような気がした。ところどころに賛美歌も出て来る。
十字架も出て来る。又、死んだ人が救われる場所って、聖書に出て来る天国?とも思えるような気がするのだ。
「本当の神様って1人」とかいうセリフもキリスト教的だ。

で、主人公のジョバンニという名前だが、ラテン語でヨハネを意味するとかなんとか。
違う!私が思ったのは、天路歴程の作者・ジョン・バニヤンだ。
真実を求め旅をする様子がなんとなく似ているのだ。

と、こんな事を、日常の糧を得る為の、でくの坊とか、お婆さん、とか呼ばれている仕事場で思っていた。
なんと!後で検索すると、京都大学の宗教学者の先生が私の言いたい事を発表していたのだ。

キリスト教の排他性、「自分らの信じる神を信じない者はアカン」みたいな思想も銀河鉄道の夜には出て来る。
深すぎる。

そう。宮沢賢治は何であれ、救いを求めていたのだ。そして、それは法華経で完成した。

この銀河鉄道の夜は、青のイメージだ。
ブルートレインという列車がつてあった。それをイメージしながら私は読んだのだった。

中尊寺 青葉に曇る 夕暮れの空 震わして 青き鐘なる

こちらは、宮沢賢治の中学生の時の短歌だ。彼は青が好きなのかもしれない。


このような青い世界。それが宮沢賢治のイメージだ。


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