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ワーキングプア~読書記録64~

著者は、経済学者でエコノミストの門倉貴史氏。
2001年から続いた「痛みを伴う改革」をしてきた小泉純一郎政権が終わり、2006年、安倍政権へと変わった時に書かれた。

弱者切り捨て。 福祉政策にと、5%だった消費税が上がる方向でいっていた時代。

ワーキングプアとは、汗水たらして懸命に働いているのに、いつまでたっても生活保護水準の生活から脱却できない人の事を指す。1990年代にアメリカで言われ始めたのが原点で、日本語の直訳で「働く貧困層」とも言われている。
日本の場合、年収200万円に満たない人を定義している。
この本が書かれた2006年よりも、現在では明らかに増加している。
↓の画像は、2006年よりも増加しているというデータを私が検索したものだ。

ワーキングプアが増加している背景には、正社員から非正規への雇用転換がある。
ワーキングプアになった人たちの一部は生活保護を受けていたり、ホームレスになった人もいる。
一度、会社が倒産、リストラなどで職を失うとワーキングプアに陥りやすく(日本の場合、1つの会社に貢献するための仕組みがずっとなされていたので、いざ別の会社となった時に通用しない事が多い)、その状態から抜け出す事が難しくなる。
中高年男性でも、いつワーキングプアになるかわからない。子供の教育費を抑えるとして、子供が進学を諦めざるを得なかった場合、負の連鎖が続く。
派遣社員は弱い立場に置かれ、雇用不安、低賃金に苦しんでいる。企業側に搾取される身分でもある。
大学、高校を卒業した時に正社員か、非正規雇用かで、その後の所得格差が大きく開いてしまう。(時代の運もあると思う。簡単に正社員になれる時代、コロナにより、採用見送り時期に大学卒業の世代は本当に不幸だと感じる)

この本が書かれた時代背景をよく考えたい。今だから。。。というのもあるが。

小泉純一郎が小売店を潰したから生活が大変、と大正生まれの近所のばあちゃんは言っていた。


シャッター街商店街が増え、車のない一人暮らしの高齢者は、買い物はヘルパーさんか、シルバー人材センターに頼むしか…。 本当は自分の足で歩いて、閉店した豆腐屋さんとか行きたい…と、その女性は言われていた。
近所に店がなくなった為、自転車などでヘルパーさんに行ってもらうのだ。

ついでに言うと、小泉純一郎政権では、痛みを伴う改革!とか言いながら、正社員から派遣社員、パートが増えていった。 その頃、竹中平蔵は、1/1に日本に住民票がなければいいんだよ、と節税自慢を語っていたのだった。
派遣社員やパートは、いつ無収入になるかわからない。
私も、明日から来なくていい、と言うパート経験をしているので、痛みを伴う改革とは。。。と思うのだった。

こちらに本書の紹介をしている。時間のある時に、興味のある方は・・・


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